大家さん、空室に困ったら管理会社を変えなさい
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(本記事は、宮田 直宜氏の著書『大家さん、空室に困ったら管理会社を変えなさい』の中から一部を抜粋・編集しています)

■入居希望者に訴求する3つのポイント

現実問題として、入居希望者に対する「貸し方の訴求力」というと、①立地、②部屋内外を含めての物件の状況、③家賃の3項目に絞られます。

この3項目に、「貸し方」や「付加価値」といったものを管理会社としてどう設定できるかも加味されます。しかし、入居希望者の立場で考えると、立地がいちばん重要です。それは、単純に「立地がいい」といったことではなく、その賃貸物件の入居するターゲット層にぴったりあてはまった立地になっているかどうかです。立地がピタリとはまっていれば、入居希望者にとって家賃は相場とかけ離れていなければ問題はないので、ほぼ即決してくれるものです。

その点からすると、オーナーとしては入居者のターゲット層を見定めていないことは大きな問題で、気の赴くままにターゲット層を無視した新築物件を建ててしまったり、築年数の経った物件を大規模リフォームしたりすることは致命傷にもなります。

逆にいうと、新築の賃貸物件の場合は建てる段階から、割合としては最も多い中古の賃貸物件の場合は入居者を募集する前の段階から、管理会社などいわゆるプロデューサー役になってくれる人・業者とよく相談し、「誰に、どのように貸したいか」を見定めていくことが重要なのです。

当社の場合、築20年、30年という管理物件もたくさんあります。それでも入居率は平均して90%半ばくらいなので、実質的にほとんどが満室です。その秘訣は、オーナーに「どういう不動産経営をしたいか」をよく聞き、管理会社として取り得る対策を提案し、また、その提案する対策について情熱を持って取り組んでいるからです。

貸し方について一工夫することは大切ですが、新手の奇手妙手といったものはそれほどありません。むしろ、どんな対策も、オーナーと入居者に対して誠意をもって続けることが大事なのです。

なお、入居者に対する3つの訴求力のなかで、家賃に対して管理会社がどのようなスタンスでいるべきか。もちろん、家賃が低ければ入居者にとってはありがたく、相場より低すぎれば、いわゆる事故物件かもしれないと勘ぐる可能性も出てきます。それに対して「入居希望者にどのように伝えなければいけないか」については、業法によって定められています。

一方、家賃を相場より高くして入居者がいればいいのですが、そう簡単に高く設定できるものでもありません。

そのため、結局、管理会社としては、オーナーが想定する家賃が相場に適っているかどうかをアドバイスし、その家賃で決まってくる管理料のなかで、オーナーや入居者にとって最善の対応をするということが大事になります。

もちろん、共益費と管理費の内訳など、管理会社・オーナー・入居者の間で必要に応じて相談はしますが、それもあくまで相場と業法の枠のなかでの話し合いであり、相場や業法を超えて特定の誰かだけが得したり、損したりといったことはありません。

■ずばり! いい物件・悪い物件とは?

次章で詳述しますが、入居希望者から見た「いい物件・よくない物件」について触れておきましょう。

端的に言うと、「立地・建物・家賃・貸し方・付加価値」の点で評価できる物件がいい物件であり、評価できない物件はよくない物件です。

そのなかでは、結局、立地が大きなウエートを占めます。いくら「この点は、最高だ」とオーナーや管理会社がいい点だけを強調しても、相手の入居希望者に響かなければ意味がありません。

気のきいたスーパーのタコ売場には、売場の傍に、きちんと酢味噌や刺身醤油が置いてあります。店として奇抜なことは何もしていませんが、来店客は「そこに酢味噌や刺身醤油がある」からタコを買うついでに、酢味噌なども買うのです。その売場に全然関係のない商品を置いても売れません。その売場の主役であるタコが売れなくなってしまう可能性もあります。

不動産も同じです。築30年のアパートを満室にしようと総リノベーションして、洗浄機付き便座、お風呂、テレビ、エアコンを設置して豪華にしていこうと考えたとします。そのとき、ひょっとしたら冷蔵庫や洗濯機を設置してあげたほうが、入居者の評価が高くなるケースがあるかもしれません。

そのような一工夫をしながら、立地に応じたミスマッチを防ぐことが、私たち管理会社に求められているのです。少なくとも、管理会社が賃貸物件のニーズに頓着しないオーナーに言われるまま、無関心なままでいいわけはありません。

大家さん、空室に困ったら管理会社を変えなさい
宮田 直宜
株式会社ミヤタ不動産代表取締役。1975年、鹿児島県志布志市生まれ。2010年12月、(株)ミヤタ不動産を設立。2011年2月、店舗を「アパマンショップ鹿屋店」とする。翌年10月には「アパマンショップ鹿屋西原店」もオープン。人口10万人の鹿屋市で管理戸数は2500戸超、管理物件の入居率は平均96%と圧倒的実績を誇る。また、アパマンショップ加盟店内でも全国1 位の売上(2018年2・3・6月、店舗担当者3名以下部門)。「公益社団法人 全国賃貸住宅経営者協会連合会」を立上げ、かのや支部会長就任。

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