資産運用
2019.7.12

「財産債務調書」を提出している人は財産が○億円以上!

(画像=GaudiLab/Shutterstock.com)
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「財産債務調書、出している?」という質問で相手の財産額がどの程度なのか目星がついてしまうかもしれません。なぜなら一定以上の財産を保有している人は「財産債務調書」を作成して税務署に提出しなければならないからです。また、財産債務調書に似た書類として「国外財産調書」というものもあります。以下では、財産債務調書および国外財産調書の概要とその目的について解説します。

財産債務調書とは

財産債務調書制度の対象となる可能性のある人は、所得税の確定申告書を提出する義務があり、退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超える人です。上記に該当する人で、毎年12月31日時点において3億円以上の財産または1億円以上の国外転出特例対象財産を有している場合には税務署に対して財産債務調書を提出しなければなりません。

国外転出特例対象財産というのは、有価証券などを指します。つまり所得が2,000万円超で、財産が3億円以上または有価証券などを1億円以上保有している人は財産債務調書を提出する必要があります。ここでいう所得の範囲には、退職所得は含まれません。しかし不動産の譲渡所得などは含まれますので、アパートを売却した年などには要注意です。

財産債務調書には財産の種類、数量、価額、債務の金額などを記載する必要があり、その年の翌年3月15日までに所轄の税務署に提出しなければなりません。保有する資産や債務について、ガラス張りの状態になる制度といえます。

どのような財産が対象になる?

それでは財産債務調書の提出義務を判断する際の「財産」とはどのようなものを指すのでしょうか。まず財産の範囲には国内の財産だけでなく、海外の財産も含まれます。そして、土地、建物、預貯金、株式、生命保険契約などあらゆる資産が対象です。財産の価額は債務の金額などを差し引いた純額ではなく、あくまで財産の総額で判断します。

また、国外転出特例対象財産は、後述する「国外転出時課税制度」の対象となる財産のことです。具体的には、有価証券、匿名組合契約の出資持分、未決済信用取引などにかかる権利、未決済デリバティブ取引にかかる権利が含まれます。これらについては1億円以上の保有で財産債務調書の提出が必要です。

国外財産調書を提出する基準は5,000万円超

財産債務調書と類似する書類に「国外財産調書」があります。国外財産調書は、毎年12月31日時点において5,000万円を超える国外財産を有する人が提出する書類です。こちらの書類には所得などの要件がなく、対象者が「非永住者を除く居住者」となっていますので、日本に住んでいる人の多くが対象となる可能性があります。なお国外財産には上述のように有価証券などが該当します。

国外財産調書には国外財産の種類、数量、価額その他必要な事項を記載し、翌年3月15日までに所轄の税務署に提出する必要があります。

保有財産の額により出国時に税金がかかる場合も

財産債務調書および国外財産調書は、所得税や相続税など資産家への適切な課税を目的に制度化されているものです。いずれも未提出の場合には過少申告加算税などの加重も定められています。また特に国外財産調書は資産家の海外資産の把握を目的とするものです。そのため未提出や虚偽記載に対しては1年以下の懲役または50万円以下の罰金という重いペナルティが定められています。

なお2015年7月から国外に転出する居住者が1億円以上の対象資産を所有している場合に、その含み益に所得税が課税される「国外転出時課税制度」がスタート。財産債務調書や国外財産調書はこうした制度の運用にも一役買っています。国外転出時課税は、国外に転出する場合のほか、国外に居住する親族へ贈与や相続などにより対象資産が移転する場合にも対象となるので気をつけなければなりません。

以上のように、一定額以上の資産を保有する方には書類の提出義務や特別な税金が課されますので、今一度、自身の状況をチェックしてみるとよいでしょう。
 

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