経済成長著しいベトナムでの生活
(画像=Travelerpix/Shutterstock.com)

ASEAN加盟国で唯一の社会主義国家、ベトナム。今回はベトナムの魅力に迫ってみます。

温暖な気候

インドシナ半島の東部に位置するベトナムは、中国・ラオス・カンボジアと国境を接している国です。日本との時差は2時間(日本時間マイナス2時間)、ベトナム南部の都市・ホーチミンまでは直行便で約6時間の距離です。

南北に長い国土のため、首都・ハノイのある北部は温帯性気候、ビジネスの中心地・ホーチミンのある南部は熱帯性気候と、気候帯が異なります。一番暑い時期は、南北ともに30度前後となります。一番寒い時期は、北部で17度前後、南部で27度と、特に南部は年間を通じて比較的気温が高くなっています。

世界有数の面積を誇るデルタ地帯を持つベトナムにとって、台風や集中豪雨に伴う水害は、常に隣り合わせの自然災害です。地震や近隣諸国で発生した地震による津波の影響を受ける可能性もあるため、自然災害への備えが必要な国と言えます。

国民の大半はキン族で、特に都市部に住んでいます。その他、50を超える少数民族が高原や山岳の地域などに住んでいます。

公用語はベトナム語で、地域によっては少数民族の言語も話されています。英語は都市部や観光地で通じる程度。国民の大半が仏教を信じていますが、キリスト教やカオダイ教なども信じられています。

安価な生活費

国土は33万㎢、日本の9割程度の面積に9,600万人以上が暮らしており、ハノイとホーチミンにはそれぞれ700万人を超える人が集まっています。在留邦人数は22,125人(2018年)。日系企業のベトナム進出が増えており、イオンやサークルK、丸亀製麺や牛角のような日本の店舗も多数あります。海外で自分の国のお店を見つけると安心しますよね!

通貨はベトナム・ドン。基本的には、ベトナム・ドンでの表示、支払が義務付けられていますが、空港や許可を受けた場所では米ドルも利用が可能なところもあります。

中国やフランスの影響を受けたベトナム料理は、東南アジアの中でも特にマイルドで食べやすいと言われています。ベトナム料理と言って真っ先に思い出すのは、「生春巻き」や米粉で作った麺をあっさりしたスープで食べる「フォー」ではないでしょうか。日本に専門店ができるほど、日本人の口に合う味です。フランスパンに野菜や肉などを挟んだ「バインミー」は、ベトナム風のバゲットサンド。フランス食文化の影響を色濃く残すベトナムならではの食べ物です。ローカルのお店では、1万ドン~3万ドン(1万ドン=50円弱)で食べることができます。

ベトナムでの市内移動は、観光客ならタクシー、ローカルはバイクやローカルバスが主な交通手段となります。街中にはたくさんのバイクが走っており、歩行者が道を横断するのは至難の技…。タクシーの初乗りは1万ドン(50円弱)程度。日本と比べると、手軽に利用できる価格ですね! 現在はベトナム初の地下鉄がホーチミンにて建設中で、2020年の開通を目指して清水建設などの日本企業による工事が進められています。

都市間の移動は、飛行機や列車、長距離バスなどがあります。ハノイとホーチミンは飛行機で2時間、列車では30時間ほど。ハノイから、ビーチリゾート地として人気急上昇中のダナンを経由し、ホーチミンまで南北を結ぶ高速鉄道の計画もあり、実現が待たれます。

高い経済成長率と若い人口

1986年に打ち出されたドイモイ政策により、ベトナムは経済の自由化・開放化を推進。海外からの支援を活用しながらインフラ建設などの投資環境を整備しつつ、外国企業の直接投資を呼び込むことによって、高い経済成長を実現しました。

近年でもベトナム経済は堅調な成長を続けており、直近でのGDP成長率は6%~7%と、高い成長率を維持しています。また、ASEAN加盟国の中でも、インドネシア、フィリピンに次ぐ人口規模を持つベトナム。ベトナムの人口の平均年齢は30.9歳(日本は46.7歳)、14歳以下の人口が全体の4分の1弱(日本は10分の1)を占めており、まさに人口ボーナス期です。

▼GDP成長率推移(2008年~2018年)

YANUSY

(出所:世界銀行) ベトナム国内では各地でビルや道路など建設ラッシュが続いています。日本を含め多くの国が進出しており、今後ますますの成長が期待されています。

物価上昇の懸念

ベトナムの物価は日本の5分の1から3分の1と言われており、ベトナムの大きな魅力のひとつです。2011年には20%近くだった物価上昇率は、近年では落ち着いてきていますが、2016年は3.2%、2017年、2018年は3.5%、2019年の公式目標は4%となっており、ベトナムの魅力のひとつを享受できなくなる日がそのうち来るかもしれません。