第2のパスポート
(画像=jeff-mccollough/stock.adobe.com)

多くのものがお金で買える現代、国籍も資金さえあれば手に入れるようになりました。EU(欧州連合)に加盟するキプロスとマルタは、投資の見返りとして個人に国籍を与える通称「ゴールデンパスポート」と呼ばれる制度を持つ国です。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう今、多くの富裕層がゴールデンパスポートに着目しているといいます。

富裕層の新たな資産はパスポート

富裕層のステータスといえば、高級ブランドの時計や高級車、貴金属などが挙げられますが、アメリカの富裕層が今注目しているものは、「第2のパスポート」だといいます。第2のパスポートとは、「ゴールデンパスポート」と呼ばれているもので、ゴールデンパスポートを発行する国に一定以上の投資を行った者はその国の市民権を得られるという制度です。

最近では、グーグルの元最高経営責任者のエリック・シュミット氏がキプロスのゴールデンパスポートを取得したとして複数の新聞社に報じられています。

ゴールデンパスポートで有名なキプロスでは、国内の不動産に200万ユーロ以上の投資を行う外国人に市民権を与えています。キプロスはこの制度によって、世界中の富裕層を国民として受け入れています。

なぜゴールデンパスポートをほしがるのか

なぜ今、アメリカの富裕層が海外の国籍に興味を持っているのでしょうか。その理由は2つあると考えられます。

一つ目の理由は、新型コロナウイルス感染症によるロックダウン下でも国外に移動する手段を持つためと考えられています。もう一つの理由が、これから新政権下で行われるであろう、富裕層への増税です。バイデン次期大統領は、今後最高税率を37%から39.6%に引き上げる方針ですから、富裕層の税の負担が増える前に資産を分散させる目的もあるのでしょう。

しかしキプロスはパスポートの販売を停止

キプロスのパスポート制度については、「キプロスの国籍を取得したものがEU加盟国を自由に移動できるようになる」と欧州委員会が懸念を示していました。

これを受けて、キプロスはゴールデンパスポートプログラムを2020年11月に終了すると発表しました。キプロスのゴールデンパスポート制度を悪用するものがいたことや、制度上の不備がその理由だといいます。

先行き不透明な状況で不安な富裕層が手にしたいものにも変化が

コロナに選挙と、何かと不安の残る情報が行きかう現代。富裕層たちはこれまでとは違ったお金の使い方を考え始めています。ゴールデンパスポートの取得だけでなく、専用のドクターを雇うもの、使用人を隔離するもの、別荘を住居にするものなどその動きはさまざまです。お金を多く持っていれば、これらの方法で生活の質を落とさずにコロナに感染するリスクを軽減できる可能性があるといえます。いざというときには、安心もお金で買えるのかもしれません。

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