1棟マンション・アパートの運営コストを下げるポイント
(画像=decoplus/Shutterstock.com)
中林準
中林準
サラリーマンとして経理・財務の仕事をこなしがら、社会人2年目(2011年の時に区分マンション購入から不動産投資を始め、2018年に1棟マンションを購入する。現在は都内に4区分マンション、1棟マンションを所有し、年間グロス家賃収入は約2000万円。過去に中国駐在経験もあり。所有資格は、米国公認会計士、日商簿記1級、CFP、1級FP、宅地建物取引士、管理業務主任者。若手のサラリーマン・OLを中心にした不動産コンサルティングも行っている。

物件を購入する際に注目されるのが利回りですが、不動産投資では最終的な手残りキャッシュフローの金額が一番重要です。キャッシュフローを左右するものには利回り以外にも様々なものがありますが、その中でも運営コストは大きな影響を与えます。

区分マンションだけを所有していると気づきにくいのですが、1棟マンション・アパートを所有すると運営コストがそれなりにかかり、かつ色々と検討していくと削減できるコストがあることに気づきます。

今回は、キャッシュフローを最大化するための運営コスト削減のポイントについてお伝えしたいと思います。

賃貸管理手数料の観点

まずは、賃貸管理手数料についてです。通常、賃貸管理手数料は家賃に対して一定の割合で課されることが多く、3~5%が相場です。

一般的に、手数料の割合が高いほど管理会社の業務範囲が広がったり、仕事のクオリティーが上がったりすると言われていますが、手数料が安くてもしっかりやってくれる管理会社もあるので、一概に手数料と仕事のクオリティーが比例しているとは言えないケースもあります。

この賃貸管理手数料は、設定時に交渉することが何より重要です。最初に家賃の5%と決めてしまうと、そこから手数料を下げるのは難しいので、3%におさめたいのであれば契約を締結する時に交渉するようにしましょう。

ただし、手数料を抑えすぎることによって、自分で入居者募集をしなければならなくなったり、管理会社の担当者のやる気が下がったりしては本末転倒なので、コストとパフォーマンスのバランスを考えて設定することをおすすめします。

また、物件を自主管理にする方法もあります。ただし、賃貸管理手数料がゼロになるものの、本業をお持ちの人は支障をきたす可能性もあります。自分で入居者募集をできるエリアなのかどうかも含めて、自分の労力と削減できるコストのバランスを考えて、慎重に検討したいところです。

建物管理手数料の観点

1棟マンションやアパートを所有すると、毎月一定の建物管理手数料が発生します。物件の規模やエレベーターの有無などによって発生する金額は異なりますが、一般的には規模が大きくなるほど、建物管理手数料は増えます。

管理会社に建物管理を一括で委託している場合は、現在の建物管理手数料が適正な価格か否か判断するために、外部の建物管理会社に同様の管理を委託した場合の建物管理手数料の見積もりを依頼してみましょう。

管理会社によってはマージンをかなり乗せていることもあるため、外部の業者の見積もり金額と大きな差があった場合は、管理会社に相談して交渉をしてみるといいでしょう。

ただし、管理会社との関係が悪化することで入居率が低下したり、空室期間が長期化したりすると元も子もないので、今後の運営も考えて交渉を進めるようにしましょう。

1回あたりのリフォームコストの観点

最後に、入居者の退去1回あたりに発生するリフォームコストの削減についてです。これは、できる限りやるべきだと思います。

管理会社によっては、管理会社が提携しているリフォーム業者でしかリフォームをさせてくれないケースがあります。その場合、通常のリフォームよりコストが多くかかることもあるので、自分でリフォーム業者を探し、その業者でも見積もりを取ってみることをお勧めします。

また、入居者退去後の部屋の状況を自分で見て、リフォーム業者の見積もりに不要な工事がないか確認することもコスト削減につながります。例えば、明らかに天井のクロスは変える必要がないのに、見積もりに天井のクロス張り替えを入れてきているケースです。

特に単身向けマンションの場合は空室が発生する回数が多いので、1回あたりのリフォームコストの削減は収益の改善に効果があります。

上記3つの観点はコスト削減内容の一部ですが、比較的検討しやすく、かつ大幅なコスト削減が期待できるので、ぜひ検討してみて下さい。

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