不動産投資
2019.11.5

2つの用途地域にまたがる土地の建築制限

(写真=YP_Studio/Shutterstock.com)
(写真=YP_Studio/Shutterstock.com)
土地活用を検討するにあたってどのような建物を建てられるかは大切です。用途地域によって建ぺい率や容積率、高さの制限などが決められますが複数の地域にまたがっている場合は少し複雑です。その場合、次のようなルールが適用されます。

用途地域とは

用途地域は各自治体が都市計画法にもとづいて定める地域区分です。この区分によって建てられる建物の種類や大きさなどが決まります。市街化を抑えようとする市街化調整区域には設定されません。用途地域は都市計画図に掲載されており役所や自治体によってはホームページで見ることができます。土地が一つの用途地域内にあれば建ぺい率や容積率などの計算や建てられる建物の種類の判断などは簡単です。しかし中には複数にまたがっている場合もあります。

建ぺい率・容積率は加重平均

土地のうち建物を建てられる面積の上限である建ぺい率、建物の総床面積の上限である容積率は、それぞれの用途地域で土地面積に応じて別々に計算し平均します。いわゆる加重平均です。面積ベースで考えると上限面積をそれぞれに計算して合計すればよいことになります。例えば500平方メートルの土地で、そのうち300平方メートルは建ぺい率60%、容積率120%の第一種住居地域内に、残りの200平方メートルは建ぺい率80%、容積率300%の近隣商業地域内にあるとします。
 
(写真=Gearstd/Shutterstock.com)
この土地における最大の建築面積は、300平方メートル×60%+200平方メートル×80%の340平方メートルです。建ぺい率としては340平方メートル÷500平方メートルで68%となります。最大の延床面積は300平方メートル×120%+200平方メートル×300%で960平方メートルです。

用途は過半数

用途地域は全部で13種類あり建てられる建物の種類はそれぞれに異なります。例えば第一種住居専用地域では店舗や事務所の建設はできません。商業地域ではほとんどの用途が可能ですが危険性がやや多い工場を建てられるのは工業地域工業専用地域のみです。先ほど例に挙げた土地の用途区分は、第一種住居地域が敷地の5分の3を占めます。

近隣商業地域ではカラオケボックスや麻雀荘が建てられますが、第一種住居地域では建てられません。この土地は過半数が第一種住居地域であるため、カラオケボックスの建設は不可です。

高さ制限はそれぞれ

建物の高さには「絶対高さの制限」や「道路斜線制限」、自治体によっては「日影規制」などさまざまな規制によって上限を設けられています。2つの地域にまたがる場合、それぞれの地域ごとに適用されます。 例えば屋根の高さが2段になっている住宅を見かけることはないでしょうか。このような形状になったのは、土地が2つの用途地域にまたがっているという可能性もあります。

防火・準防火は厳しいほう

用途地域以外の都市計画法にもとづく規制として防火地域と準防火地域が定められることがあります。対象となるのは主に市街地です。これらの地域では、建物の階数や面積に応じて一定の対価性能を持った構造にしなければなりません。例えば防火地域では、3階建て以上の建物は(鉄骨)鉄筋コンクリート造や耐火被覆をした鉄骨造などの耐火建築物にする必要があります。

同じ3階建てでも準防火地域で延床面積が1,500平方メートル以下であれば耐火被覆をした木造のような準耐火建築物でも認められます。防火地域に関する規制は、土地ではなく建物ごとに判断します。2つの地域にまたがっている場合は、より厳しいほうが適用されます。土地の一部が防火地域であっても建物のすべてが準防火地域内にあれば、準防火地域の要件を満たしていれば十分です。
 
(写真=Gearstd/Shutterstock.com)

建物のプランは不動産会社とよく相談して決める

建物の用途は敷地の過半数にかかる用途地域が適用されます。建物の大きさと建築部分の面積の上限は、それぞれの用途地域に応じた面積を合計して計算が必要です。高さ制限はそれぞれの用途地域に対して規制を受け、防火地域・準防火地域は土地ではなく建物の位置によって判断します。建物の建築に関する規制は複雑です。土地活用の際は、不動産会社とよく相談して決めてください。
 

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