不動産投資
2019.10.29

「海外不動産投資で節税」はおいしいのか?注意すべき3つのポイント

(写真=Sasin Paraksa/Shutterstock.com)
(写真=Sasin Paraksa/Shutterstock.com)
インターネットで海外の情報が簡単に入ってくるようになったこともあり、海外不動産への投資も人気が高まりつつあります。なかには「海外不動産で節税」を期待する投資家もいるようですが、日本国内への不動産投資とはまた違った注意をすることが必要です。そこで今回は海外の不動産へ投資する場合の3つの注意点について解説します。

「日本はダメだから海外不動産に投資」が増加

日本は、少子高齢化による経済衰退や累積債務超過による財政破綻が懸念されています。そんな日本特有のリスクを避けるため最初から海外不動産に目を向ける人も少なくありません。特にアジアやアメリカの不動産は経済成長や人口動向から人気が高まっている傾向です。海外不動産投資を扱う企業も頻繁に宣伝やセミナーを行っています。

ただ安易に「海外不動産なら安心」とばかりに投資をするのはおすすめできません。むしろ、より慎重になる必要があります。なぜなら海外は言語だけでなく文化や法律、税制などが日本と大きく異なるからです。「日本と事情が異なる」というのは投資のうえでは大きなリスクとなりえます。

「海外不動産で節税」、それホント?見るべき3つのポイント

特に注意したいのが「海外不動産で節税」という海外不動産の投資を促す宣伝文句です。「日本の不動産はダメだけど海外の不動産ならミラクルが起きて節税できる」という印象を持つ人もいることでしょう。この宣伝文句で海外不動産投資に心惹かれたなら、一歩踏み出す前に次の3つのポイントをきちんと吟味することが必要です。

ポイント1:利回りとローン金利

不動産投資においてまず見るべきなのは「利回り」です。多額の投資をして利回りが低ければ不労所得を得るどころか投資額を回収できず、お金を捨てることになります。そのため利回りの数字を意識すべきですが、「海外投資」という一言で冷静さを保てなくなる人も中にはいるでしょう。この利回りでいいかどうかを判断する基準の一つが「ローン金利とのバランス」です。

投資物件の中には、利回りとローン金利の差がほとんどないものもあります。実際に不動産投資を行うと、管理費などが別途かかります。つまりここでいう「海外不動産で投資」の意味は、「収入<必要経費」だから赤字で節税できるに過ぎないわけです。またローン金利もすべてが節税につながるわけではありません。

不動産所得が赤字の場合、土地購入のためのローン金利は損益通算の対象から外れます。思ったほど節税できないケースもあるので注意が必要です。

ポイント2:海外不動産の申告には現地の専門家が必要

海外の賃貸不動産から家賃などの収益が発生すると、多くの場合、不動産の所在地国の法律により不動産所得に税金が課されます。ただし「現地の税法がどうなっているか」は現地の専門家でなければ分かりません。そのため海外不動産に投資をしたら通常は現地の専門家を探し、確定申告などの税務的な処理を依頼しなくてはなりません。

専門家を見つけるまでの過程はもちろんですが、報酬などの経済的コストも加味したうえで海外不動産の投資の妥当性を検討する必要があります。「専門家への報酬で赤字になるから節税」でしかないならば、慎重になったほうがよいかもしれません。

ポイント3:日本でも申告しなくてはならない

海外の賃貸不動産の収益については、不動産の所在地国だけでなく投資家自身の所在地国である日本でも所得税の確定申告を行わなくてはなりません。つまり申告・納税という手間やコストが日本国内での不動産投資の2倍かかるのです。このとき不動産の所在地国と日本とで二重に納税を行っている場合、外国税額控除という制度を用いることで二重課税状態を解消することができます。

ただし控除額に一定の制限があるため、海外で納めた税金のすべてを取り戻せるとは限りません。なお一昔前、「海外不動産への投資はバレない」という都市伝説が信じられていました。今でもこの都市伝説に期待する投資家がいるようですが、伝説に過ぎません。OECD加盟国を中心に租税に関する情報交換制度が整っているため、海外での不動産所得を隠しても日本の税務当局に把握されてしまうのが現実です。

投資の注意点は海外も日本もあまり変わらない

「海外不動産ならメリットがある」といわれると、まるで海外不動産ならば日本の不動産にはない秘策があるかのように感じます。しかし現実には、投資の注意点は海外でも日本でもほとんど変わりません。むしろ不動産の所在地国の事情を正確に調べるのは日本以上に骨が折れることのほうが多いこともあります。

「資金に余裕がありすぎるから失敗してもいい」というくらいの覚悟がある場合は問題ありません。しかし真剣に「不労所得が欲しい」「虎の子の資金を投じる予定」という場合、まずは日本の不動産で小さく始めることから検討したほうがよいかもしれません。
 

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