税金
2019.6.30

固定資産税を節税する方法【後編】課税ミスをチェックしよう

(画像=nukeaf/Shutterstock.com)
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不動産に投資をした場合のランニングコストの一つとして固定資産税があります。固定資産税は市町村(東京23区については東京都)が土地や建物の評価を行い、課税標準を決定する賦課課税方式です。「算定は正しい」と信じたいところですが、課税側のミスで不当に高く納税しているケースもあります。

2009年から2011年の間に大量の課税ミスが発覚した固定資産税

2012年に総務省が実施した固定資産税に関する税額修正の状況調査結果の報告によれば、2009年から2011年の間に、税額修正した納税義務者が1人以上あった市町村は、調査回答団体である1,592の市町村のうち97%であったとのことです。また、税額修正のあった人の割合は納税義務者総数のうち土地・建物ともに0.2%とされています。

つまり「市町村は絶対間違えない」ということはありえないわけです。「固定資産税は納付書が来たからそのまま払っているだけ」というスタンスでいると、もしかしたらムダに高い税金を払っていることに気づかず、損をしてしまうかもしれません。

課税額は合ってる?固定資産税のチェックポイント

ムダに高い固定資産税を払わないためには、納税者である投資家自らが「この固定資産税や不動産の評価額は合っているのか」について意識しておく必要があります。特に次の3つの点は要注意です。

課税明細書を見て土地の項目をチェック

まず、課税明細書で土地に関するチェックしましょう。見るべき箇所は主に次のようなところです。
  1. 土地の所在
    住所と地番を見て、自己所有物件であることを確認しましょう。役所のデータ入力ミスで、同姓同名の他人の物件についての固定資産税を支払っている可能性があります。
     
  2. 土地の価格(評価額)
    固定資産税での価格は公示価格の約7割程度で評価されています。また、公示価格そのものも、都内については実勢価格の約7割とされています。そのため、固定資産税の評価額を0.7で2回割り戻してみて、実勢価格に近くなるかどうかをチェックしてみましょう。
     
  3. 地目と地積
    日本の登記制度は明治時代に作られたものであり、ミスがないとは言えません。また、地積も本来非課税であるセットバックが課税として含まれ、過大な課税がされている可能性があります。

軽減措置が適用されているか

なお、土地の上に住宅が建っている場合、土地や住宅の持ち主に課される固定資産税については軽減措置が適用されます。一般的な住宅用の土地について適用される住宅用地の特例の他、新築住宅や耐震のための建替えや改築が行われた住宅についても軽減措置が適用されます。これらが適用されているかどうかを確認しましょう。

特に注意したいのが土地の上にある建物の用途が事業用から住宅用に切り替わったときです。住宅用の方が節税になるので、用途変更が明細書でもなされているかを確認しましょう。

建物の課税ミスはないか

先ほど課税明細書のチェックについてお伝えしましたが、建物の課税明細についても次の点を確認するとよいでしょう。注意したいのがマンションなどの構造部分に関するものです。課税明細書に書かれている構造と実際の構造を照合してみましょう。

固定資産税の評価方法に疑問をもったなら

固定資産税評価額が上記を考慮して不当に高いと感じるならば、不動産所在地の市区町村などの算定が間違えている可能性があります。固定資産税の評価額の見直しは3年に1回しか行われません。つまり、間違いの可能性を放置しておけば、ムダに高い税金を3年間払わなければいけないかもしれないのです。この場合、どのような救済措置があるのでしょうか。

評価額審査の申出

固定資産課税台帳の登録価格に不服がある場合には、固定資産評価審査委員会に対して評価額審査の申出をします。ただ、いつでもできるわけでありません。納税通知書の交付を受けた日から3か月以内です。このチャンスは基本的に3年に1度です。もし審査の結果誤りがあれば、原則として5年分の税金と還付加算金が戻ることになります。

交渉のカギは法律と書面

評価額審査の申出をしたとき、行政側がすんなり受け入れるとは限りません。「決まりだから」と一言で一蹴することもあります。こういう場合には、キチンと根拠となる法律や条例の条文の提示を求めましょう。また、慎重に手続きを進めるためにも、回答は書面でしてもらうように要求してみましょう。

なお、交渉した結果、こちらの調査不足や準備不足でかえって固定資産税が高くつく場合もあります。慎重に調べてから交渉する、難しいと感じたら税理士などの専門家に依頼するなど、丁寧に対処していきましょう。

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