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2019.11.18

お笑い芸人の脱税問題が示す、これからの資産防衛と節税ノウハウ

(写真=KieferPix/Shutterstock.com)
(写真=KieferPix/Shutterstock.com)
人気漫才コンビ、チュートリアルの徳井義実氏による脱税問題は、同氏の芸能活動自粛にまで発展しており、時間の経過とともに波紋が大きくなっています。これまで順調に芸能活動を続けてきた徳井氏だけに、芸能ニュースでも大々的に取り上げられました。

芸能ニュースでは徳井氏の今後や芸能界に及ぼす影響などが注目されていますが、この問題を単なる芸能人のスキャンダルではなく、節税や税務の問題として受け止めた人もいたでしょう。

「徳井氏は何がいけなかったのか?」「自分に同じ問題が起きる可能性はないのか?」など、この問題を他人事とは思えなかった人が知っておくべき「正しい節税」について、近年の事情をお伝えします。

チュートリアル徳井氏のスキャンダルは何がいけなかったのか

まず、チュートリアル徳井氏の問題の概要をおさらいしておきましょう。この問題のポイントは、2つあります。

・徳井氏の個人的な支出を個人事務所「チューリップ」の経費として計上していたが、それを東京国税局が経費として認めず、所得隠しに当たると指摘した。

・2016年から2018年まで3年間、無申告状態だったことが発覚。これを申告漏れとして指摘した。

所得隠しと申告漏れという2つの言葉が用いられているのは、税務当局がそれぞれの行為を別のものとして認識しているからです。個人的な支出を経費として計上していたのは意図的な所得隠しであり、3年間の無申告状態があったことは、徳井氏本人が釈明しているように「怠慢による申告漏れ」でした。

同氏はすでに修正申告と納税を済ませており、税務上の問題はすでに解決しています。

税務当局が富裕層への監視を強めている

これによって芸能活動の自粛を余儀なくされている徳井氏ですが、この問題が10月に浮上したことには何か意図があるのではないかという噂があります。

事業主や資産家などが確定申告を考え始める時期に、所得隠しと申告漏れで身の破滅にもつながりかねないようなスキャンダルが大々的に報じられることで、一種の見せしめのような効果を狙っているのではないか、というものです。

あくまでも噂であり、憶測の域を出ませんが、税務当局が富裕層に対する監視の目を強めているのは周知の事実です。以前であれば指摘されなかったようなことを指摘される事例も増えており、課税強化は確実に進んでいると考えるべきでしょう。

法人化による合法的な節税スキームのおさらい

徳井氏の問題が発覚した際、ニュースに「チューリップ」という個人事務所の名前が登場しました。所属事務所である吉本興業から支払われた報酬は、徳井氏本人ではなく「チューリップ」に支払われています。徳井氏は、「チューリップ」から給与という形で収入を得ていました。

このスキームはごく一般的なものであり、芸能人だけでなく文化人、スポーツ選手などにも見られます。個人が直接報酬を受け取ると最高税率45%の所得税がかかりますが、法人税だと23.2%で済みます。事実上は同一人物が管理しているため、法人という別の財布を持っているにすぎませんが、この差を利用した節税スキームは合法です。

また、個人事業主よりも法人のほうが認められる経費が多いため、個人的な用途との線引きが曖昧な支出であっても経費として認められれば節税になります。徳井氏は明らかに個人的な用途の支出まで経費として計上していたため所得隠しを指摘されましたが、グレーゾーンの経費が認められることは珍しくありません。

今回の問題では、あからさまな個人的支出の経費計上と無申告という杜撰さがペナルティにつながりましたが、法人化による節税スキーム自体は有効です。正しく経費を計上し、毎年の申告を滞りなく行っていれば問題が起きることはありません。ルールに従った節税をすることで、資産防衛とリスク管理の両立を心がけたいものです。
 

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