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2019.4.3

所有者不明土地の流通活性化のための土地基本法改正

(写真=beeboys/Shutterstock.com)
(写真=beeboys/Shutterstock.com)
日本社会において所有者不明土地が増大している流れの中、国土交通省では所有者不明土地発生の抑制に取り組んでいます。解消することを目的として、現行の土地政策を見直し、2020年までに土地基本法等の改正を行う予定です。今後の動きによっては、不動産投資家に対しても一定の利害関係が生じる事柄なだけに、法令改正などの情報にはしっかりとアンテナを張っておきましょう。

そもそも所有者不明土地とは?

所有者不明土地とは、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できなかったり、探索を行っても所有者の所在が不明な土地のことです。人口減少や少子高齢化が深刻な社会問題として取り沙汰されている日本社会においては、都市部への人の移動を主な背景として、所有者不明土地が増加している現状があります。

例えば、死亡した親族の土地を相続しても地方など遠隔地に土地があることを理由として土地所有意識が希薄となり、結果として多くの所有者不明土地を生み出すという問題が発生しているのです。所有者不明土地が増えることで、公共事業を推進する際の所有者特定作業に膨大な時間と手間を要するために円滑な事業推進の妨げになっています。

「いかにして所有者不明土地を出さないような社会的システムを構築するのか」という問題は、現代人に課せられた急務ともいえるでしょう。

所有者不明土地解消に向けた国土交通省の取組

国土交通省では、上述したような所有者不明土地を原因とする諸問題を解消するため、登記制度・土地所有権のあり方を見直しています。そして、登記簿と戸籍などを連携させ、土地所有者情報を把握するための仕組みづくりを構築することを目指しているのです。国や自治体が土地所有者を明確に把握することで、公共事業の推進に際して用地取得をスムーズに進めることができます。

遠隔地の土地を相続した場合に、土地の所有権を放棄するための仕組みを整備することにより、管理が行き届かない土地を減らすことにもつながる可能性が高まるでしょう。

登記制度の見直し

相続登記の義務化などを通じて、所有権移転を確実に関係省庁が把握し、所有者不明土地の発生を抑制する可能性が高まるでしょう。また、登記簿と戸籍などを連携させることにより、関係省庁にとっては円滑に土地所有者を把握することができます。

土地所有権放棄の仕組み整備

親族が死亡し、土地を相続したとしても遠隔地に住んでいるなどの理由から現地の管理を充分に行うことができない場合もあるでしょう。そのような場合に、土地の所有権を手放すことができる仕組みを構築することができれば、相続を重ねることにより所有者が不明になるトラブルを回避することが期待できます。

所有者不明土地の解消は不動産投資家にとってビジネスチャンスになり得る

所有者不明土地は、従来の社会システムでは不動産マーケットになかなか出てこないものでした。しかし、所有者情報の明確化や、登記・所有権放棄の仕組みが確立されていくことにより、これまで流通していなかった物件がマーケットに多数姿を現すことにもなるかもしれません。つまり、不動産投資家にとっては、こうした「これまでになかった物件」と出会えるチャンスが広がるかもしれないのです。

そういった一面で、関係法令の整備促進は大きなビジネスチャンスになり得るといえるでしょう。国土交通省では、2020年までには土地基本法等の改正を行い、登記や所有者把握のシステム等を再構築する方針としているため、今後の動きには注目しておく必要があります。

まとめ

所有者不明土地は、公共事業の推進に悪影響を及ぼす一方で、誰にも管理されていない土地・物件が不動産マーケットに流通させることができないという問題がります。そのため、社会にとって大きな機会損失になっているといえます。しかし、土地基本法の改正内容によっては不動産投資家にとっても大きなビジネスチャンスが巡ってくる可能性があるため、今後の同省および関連省庁の動きには注視しておくべきといえるでしょう。
 

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