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2019.9.28

割安? 割高? 世界の主要都市と比べた東京の不動産マーケット

(画像=voyata/Shutterstock.com)
(画像=voyata/Shutterstock.com)
国税庁が2019年7月に公表した東京都内の路線価は前年度比4.9%の上昇となり、6年連続の上昇傾向が続いています。では世界の主要都市と比べた時の東京の不動産価格はどのくらいの水準なのでしょうか。さまざまなデータから検証します。

世界の都市総合ランキングで東京は3位

一般社団法人森記念財団都市戦略研究所では、「世界の都市総合ランキング(Global Power City Index : GPCI)」を2008年から毎年発表しています。世界の主要都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で評価し、順位付けをしたものです。

2018年のランキングによれば、東京の順位は1位のロンドン、2位のニューヨークに続く3位。居住のしやすさや経済の強さなどが評価されたかたちです。なお過去の東京の順位は、2009年から2015年まではパリに次ぐ4位で、2016年に3位に上がってからは3年連続で3位を維持しています。東京が都市として安定して高い魅力を持ち、評価されていることがわかります。

グローバル都市調査でも上位をキープ

調査会社のATカーニーが発表している「Global Cities(グローバル都市調査)」があります。「ビジネス活動」「人的資源」「情報交換」「文化的経験」「政治的関与」の5つの観点で都市をランク付けするものです。

「Global Cities 2019」では、東京はニューヨーク、ロンドン、パリに次ぐ4位となりました。東京の4位は7年連続となります。また、Global Citiesを構成する要素の一つであるGCO(グローバル都市展望)において東京は、一昨年の23位、昨年の14位から2019年は6位に大幅上昇しました。都市の将来性の高まりが評価された結果です。ちなみに大阪のGCOは37位、名古屋は31位です。

これらの結果から、東京の不動産価格が割安か割高かは判断できません。ただし東京は、都市としての魅力という点で世界の主要都市と比べても優位にあり、不動産として高い価値と将来性を持っていると断言できるでしょう。

アジア各国と比べても、先進国の中ではまだ高利回り

次に、投資に直結する指標を見ていきましょう。まずは不動産利回りです。世界の都市の不動産賃貸利回りがわかる「Global Property Guide」というWebサイトがあります。このサイトによれば、日本の利回りは2.66%で、インドネシア(7.09%)、フィリピン(6.13%)、カンボジア(5.33%)、タイ(5.13%)、ベトナム(4.33%)、マレーシア(3.72%)、シンガポール(3.30%)に次ぐ8位。日本の下には、香港(2.35%)、インド(2.32%)、中国(2.10%)、台湾(2.06%)と続きます。

数値だけを見れば低利回りで、割高な水準にあるような印象を抱きますが、上位に来ているのはさまざまなリスクを内包する新興国です。香港、中国、台湾といった先進的な国・地域と比べれば、まだ東京は割安といえるでしょう。

実際の物件を探してみれば、都心の新築マンションでも利回り4~6%のものは見つかります。海外の投資家の目に、利回り4~6%で、政治・経済の面で安定している東京の不動産は、割安に映るのではないでしょうか。

国際不動産価格賃料指数ではマンション賃料は割安

最後に、一般社団法人日本不動産研究所が年2回発表している「国際不動産価格賃料指数」を見てみます。

2019年4月現在の調査結果によれば、東京都港区元麻布にある高級マンションの価格を100とした場合の各都市の指数は、香港が212.8、ロンドンが197.4、上海が125.3、台北が115.1、シンガポールが105.4、ニューヨークが105.3、北京が103.4となりました。他の主要都市と比べて東京の高級マンションはまだまだ割安であることがわかります。

価格ではなく賃料でも見てみましょう。同じく東京都港区元麻布にある高級マンションの賃料を100とした場合、ロンドンは223.1、ニューヨークは200.0、香港は164.8、シンガポールは120.3という結果が出ています。賃料でもニューヨークやロンドンなどと比べれば、東京はだいぶ安い水準にあります。

東京の不動産は投資資金の流入により上昇し、一部では過熱感を指摘する声も上がっています。しかし、このようにしてデータを見るとまだまだ割安ととらえることができそうです。

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