寄付型も購入型と並んで、日本でなじみのあるクラウドファンディングです。寄付型と購入型は親和性が高いため、両方を扱っているクラウドファンディング事業者もいます。
寄付型クラウドファンディングの仕組み
寄付型クラウドファンディングでは、そのプロジェクトに共感する支援者がプラットフォームを通して起案者に寄付をします。 プロジェクトの領域は多岐にわたります。一例としては、地域活性化、食料支援や医療支援などの人的支援、遺跡や自然の保護活動などが挙げられます。プラットフォームを通して集められた寄付金はこれらの活動に役立てられます。起案者が後日、支援者に対して活動報告やお礼のメッセージなどを送るケースもあります。 国内の寄付型クラウドファンディングの主要プラットフォームとしては、「GoodMorning」「READYFOR」などがあります。
寄付型クラウドファンディングのリターン
寄付型クラウドファンディングのリターンは、モノやお金ではなく起案者が行う社会貢献活動になります。グッズがもらえる場合もありますが、支援者はそれ目当てで支援しているケースは少なく、根底にはプロジェクトへの共感があります。 寄付型クラウドファンディングのなかには、所得税や住民税などの節税効果のあるプロジェクトもあります。ただし対象になるのは、一部に限りますのでそのプロジェクトが税制優遇の対象となっているかを確認するのが賢明です。
寄付型クラウドファンディングのリスク
寄付型クラウドファンディングのリスクは、寄付したお金が社会貢献に役立てられず騙されたというものがあります。そもそも寄付をした資金が具体的にどのように役立てられたかを確認しづらいケースもあります。起案者の信頼性をしっかり見極めた上で寄付するのが賢明です。
資金調達の方法
購入型も寄付型も、プラットフォームを通してプロジェクトの内容を伝えて、お金を募るという手法は同じです。ただ、寄付型はモノやサービスなど実感できるリターンがないだけに、起案者の想いやプロジェクトの必要性をしっかり伝える必要があるでしょう。
歴史と市場規模
購入型と同様、国内の寄付型クラウドファンディングも2011年から始まっています。同じ年に発生した東日本大震災に対する支援方法のひとつとして、寄付型が一定の役割を果たしたことで認知が広がりました。 ただし、寄付型の市場規模はそれほど多くありません。矢野経済研究所の「2018年版 国内クラウドファンディングの市場動向」によると、寄付型の新規プロジェクトの支援額は年間約7億円です(2017年)。これは国内のクラウドファンディング市場の0.4%程度の割合でしかありません。
法的な規制の有無
寄付型のクラウドファンディングは、あくまでも寄付のため、法的な規制はとくにありません。プラットフォームのルールさえ守っていれば、自由に資金を募ることができます。
資産運用の性格
寄付型クラウドファンディングは、リターンや資産運用と無縁です。あくまでも慈善行為になります。