最終更新日:2024/8/19
【2023年最新版】投資商品の利回りランキング|年率5%超の意外な方法とは?
(画像=StockerThings/stock.adobe.com)

債券は株式に比べて利回りが低い……そんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。しかし債券のなかでも企業が発行する社債は、比較的利回りが高い商品が含まれます。本記事では、個人向け社債の利回りランキングトップ10を紹介するとともに、安定した資産運用法について解説します。

目次

  1. 【2024年版】個人向け社債の利回りランキングトップ10
  2. 社債の基礎知識をおさらい
  3. 社債のメリットと注意点
  4. 安定運用を求めるなら不動産クラウドファンディングもおすすめ
  5. 社債と不動産クラウドファンディングの分散投資で安定運用を目指そう

【2024年版】個人向け社債の利回りランキングトップ10

最新版の利回りランキングとして、日本証券業協会が公表している2023年5月~2024年4月に起債された債券のなかから、個人向け社債利率上位10銘柄を紹介します。

【1位】ソフトバンクグループ株式会社第59回無担保社債 3.04%

起債日:2024年3月1日
償還期限:2031年3月14日
発行額:5500億円
発行時格付け:A-(JCR)

【2位】株式会社光通信第48回無担保社債(社債間限定同順位特約付)2.05%

起債日:2024年4月12日
償還期限:2031年4月25日
発行額:750億円
発行時格付け:A(R&I)、A+(JCR)

【3位】株式会社三井住友フィナンシャルグループ第18回無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)1.758%

起債日:2023年10月13日
償還期限:2033年10月30日
発行額:450億円
発行時格付け:A+(R&I)、A+(JCR)

【4位】GMOフィナンシャルホールディングス株式会社第4回無担保社債(社債間限定同順位特約付)1.73%

起債日:2024年4月10日
償還期限:2027年4月19日
発行額:60億円
発行時格付け:A-(JCR)

【5位】株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ第34回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)1.672%

起債日:2023年9月1日
償還期限:2034年1月19日
発行額:640億円
発行時格付け:A+(R&I)、A+(JCR)

【6位】GMOインターネットグループ株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付) 1.57%

起債日:2023年12月8日
償還期限:2027年12月22日
発行額:180億円
発行時格付け:A-(JCR)

【7位】GMOフィナンシャルホールディングス株式会社第2回無担保社債(社債間限定同順位特約付)1.52%

起債日:2023年6月6日
償還期限:2026年6月19日
発行額:70億円
発行時格付け:BBB+(R&I)

【8位】インヴィンシブル投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)1.47%

起債日:2024年1月26日
償還期限:2029年2月9日
発行額:60億円
発行時格付け:A(JCR)

【9位】株式会社みずほフィナンシャルグループ第28回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)1.412%

起債日:2023年6月29日
償還期限:2033年7月13日
発行額:950億円
発行時格付け:A+(R&I)、A+(JCR)

【10位】SBIホールディングス株式会社第36回無担保社債(社債間限定同順位特約付)1.28%

起債日:2023年9月8日
償還期限:2027年9月22日
発行額:1000億円
発行時格付け:A-(R&I)

社債の基礎知識をおさらい

続いて、社債の基礎知識をおさらいしておきましょう。

社債とはどんな商品?

社債とは、株式会社などが事業資金を得るために発行する債券のことを指します。社債を購入した投資家は、満期が来たら元本に利息を付けて償還してもらうことで利益を得る仕組みです。

社債は、決まった利率で発行されますが、証券市場で売買される銘柄は既発債を買うと価格変動によって利益や損失が発生する場合があります。投資家は、現在の価格で買うとどれくらいの利率になるのか計算して、投資を判断します。

社債にはどんな種類がある?

社債には、以下のような種類があります。それぞれの特徴を理解したうえで購入することが大事です。

・普通社債
株式会社などが資金調達のために発行する社債で、償還期限が来たら投資家に元本と利息を返済します。一般的に「社債」という場合は、普通社債のことを指します。

・転換社債
普通社債と同じ機能を持ちながら、新株予約権を利用して株式にも転換できる社債です。転換後は、株式として取り扱われるため、社債としての償還はありません。新株予約権の行使価格が時価よりも安い場合は、株式を売却することによって差益を得ることができます。

・ワラント債
株式を行使価格で購入できる権利が付いた新株予約権付社債です。転換社債と似た仕組みですが、ワラント債は新株予約権を行使しても社債が手元に残るのが特徴です。

・劣後債
経営破綻など劣後契約で定められた事象が発生したときに、元本と利息の支払いを受ける優先順位が低い社債です。リスクが高いことから、普通社債より利回りは高めの傾向があります。

・電力債
電力会社が設備投資を行う際、資金調達のために発行する債券です。

社債と株式の違いは?

社債と株式には、以下のような違いがあります。

・社債は借入金であるのに対し、株式は出資金。会社は借入金である社債の返済のみに責任を負う。

・社債も株式も市場で売買されるが、株式のほうが価格の変動が大きい。安定運用を目指すなら社債、大きな利益を狙うなら株式が有利。

・発行会社が倒産した場合、株式は出資金がほぼ返ってこないが、社債は投資家が債権者であるため、優先して弁済される。ただしどの程度弁済されるかは会社の資産状況による。

社債のメリットと注意点

社債を購入する際のメリットと注意点は、以下のとおりです。

社債のメリット

社債のメリットは、国債などの公的債券よりも利率が高いことです。個人向け国債の利率は、元本保証とはいえ「10年変動金利型」で0.46%(税引前、2023年12月7日~12月29日募集分)と低い水準です。社債は元本保証ではありませんが、デフォルト(債務不履行)が考えにくい有名企業の社債でもランキングにあるような利率で募集されています。

もう一つのメリットは、元本と利息の回収性の高さです。株式は、常に株価が変動するため、買値を割るリスクを負って運用します。一方で社債は、発行時に新発債として購入すれば、満期には元本と約束された利息が付いて確実に資金を回収できます。

社債の注意点

社債に投資する際に最も注意しなければいけないのが、発行体の信用力です。債券は、発行体の信用力が高いほど利率が低く、信用力が低いほど利率が高くなる傾向があります。利率の高さだけで決めることは避け、確実に元本と利息を支払える発行体と判断できる場合に購入することが大事です。

また、社債は価格が安定しているイメージがありますが、売買されている社債は下落するリスクもあります。既発債を購入する際は、その点を心得て判断することが必要です。

安定運用を求めるなら不動産クラウドファンディングもおすすめ

社債と同じように安定運用が期待できる投資先に、不動産クラウドファンディングがあります。仕組みと利回りについて紹介します。

不動産クラウドファンディングの仕組み

不動産クラウドファンディングは、インターネット上の事業者のサイトで募集されている不動産ファンドに、1口1万円や10万円などの少額で投資できる不動産小口化商品です。仕組みは、まず投資家が募集中のファンドのなかから投資したい案件を選んで申し込みます。募集方法には、先着式と抽選式があり、先着式の人気案件はすぐに満口になるため、早めの申し込みが必要です。

投資家から資金提供を受けた事業者は、募集した不動産を運用して収益を上げ、一部を投資家に分配金として配当します。万一運用した不動産の評価額が下がった場合でも、事業者があらかじめ決められた範囲の損失を優先して負担する「優先劣後方式」や、空室保証によって一定の家賃が保証される「マスターリース契約」などのリスク対策が用意されているため、比較的安全性が高い投資先といえます。

不動産クラウドファンディングの事業者は多く存在しますが、その中でも人気が高いのがCOZUCHIです。
COZUCHIの特徴や口コミなど、詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
COZUCHI(コヅチ)の評判と口コミは?メリットや怪しいといわれる理由を解説

社債より高い利回りが魅力

不動産クラウドファンディングは、社債に比べて予定分配金利回りが高いことが魅力です。業界の一般的な利回り水準は3~8%程度で、案件によっては10%を超えるものもあります。一方で社債は、ランキングで見る限り1~5%程度のため、単純に利回りの比較では不動産クラウドファンディングが有利です。

社債と不動産クラウドファンディングの分散投資で安定運用を目指そう

社債と不動産クラウドファンディングは、安定した資産運用に向いている点では共通しています。社債は、ランキング入りした企業がすべて上場企業であり、元本と利息の償還がほぼ確実な点で安心感があります。

一方の不動産クラウドファンディングは、リスク対策がしっかりしていて安全性が高く、利回りも高いため、高パフォーマンスが期待できるでしょう。社債と不動産クラウドファンディングの分散投資で安定した資産運用を目指してみてはいかがでしょうか。

※本記事は2024年5月29日現在の情報を基に構成しています。最終的な年間ランキングは変動する可能性があります。参考程度にお考えください。

丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

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