クラウドファンディングの登場によって変わったこと

クラウドファンディングの普及以前と普及後では、ビジネスの資金や寄付金などお金の調達方法が大きく変わりました。これまでの調達方法といったいどこが違うのでしょうか 。

クラウドファンディングとは、「Crowd(群衆、大衆)」と「Funding(資金調達)」を組み合わせたキーワードで、「インターネットを介して不特定多数の支援者(投資家)から資金を調達する」の意味です。日本のみならず、世界中に広がっています。

クラウドファンディングの登場によって、ビジネスの資金や寄付金などお金の調達方法が大きく変わりました。クラウドファンディングが普及する以前は、ビジネスをスタートアップさせる資金集めであれば、「家族や友人から借りる」「金融機関から融資を受ける」「地道にコツコツお金を貯める」など、どの選択でも労力と期間を要しました。

しかしクラウドファンディングを使えば、アイデア、起案者の情熱、社会的意義などに賛同してもらえれば短期間で必要な資金を集めることができます。

これは寄付活動も同様です。クラウドファンディングが普及する以前は、大勢のボランティアが活動をPRしながらお金を集める方法が主で、必要な額を集めるのに期間を要することも少なくありませんでした。クラウドファンディングの普及によって、日本中・世界中から短期間で必要な額を集めることが可能になっています。

クラウドファンディングと一般的な資金調達

サイト上で起案者と支援者が交流するのが基本

クラウドファンディングにはいくつかの種類がありますが、その大半がクラウドファンディング・サイト(または、「クラウドファンディング・プラットフォーム」などとも呼ばれる)上で、起案者(アイデアを出して実行する人)と支援者(お金を出資する人)が交流することで資金調達を実現しています。

サイト上での具体的な交流方法としては、起案者がプロジェクトを立ち上げてアイデアやプロジェクト要件を発信し、支援者がそれを閲覧して出資します。

クラファン全体像

クラウドファンディングの仕組み

同じクラウドファンディングでも、種類によって目的とリターンがかなり違います。クラウドファンディングという言葉が使われているときには、「どの種類の意味で使われているか」をしっかり確認することが大切です。

クラウドファンディングには6種類ある

クラウドファンディングの仕組みには、以下のように大きく6種類があります。種類ごとの特徴を確認してみましょう。

1.購入型クラウドファンディング

クラウドファンディングを通してアイテムやサービスを購入(起案者からすると販売)するものです。
国内のクラウドファンディング市場でもっともシェアがあります。

株式型クラウドファンディング

2.寄付型クラウドファンディング

クラウドファンディングを通して寄付を集めて社会貢献するものです。東日本大震災をきっかけに国内で浸透しました。

株式型クラウドファンディング

3.融資型クラウドファンディング

クラウドファンディングのプラットフォームを使って、投資家が起業家などに融資をするものです。投資家はプロジェクトの成功に応じて利息を受け取れます。年間1,000億円超の規模に拡大していて今後の成長が期待されます。

株式型クラウドファンディング

4.ファンド型クラウドファンディング

クラウドファンディングを通して投資家から起業家に融資する、という部分でいうと融資型に近いですが、こちらは配当金でリターンを受け取ります。融資型に比べて長期プロジェクトに向いているといわれます。

株式型クラウドファンディング

5.株式型クラウドファンティング

クラウドファンディングを使ってスタートアップ企業や中小企業が未公開株を提供して資金を募るものです。投資家は将来 IPO(新規株式公開)したときに大きなリターンを手にできるチャンスがあります。

株式型クラウドファンディング

6.不動産投資型クラウドファンティング

クラウドファンディングを使って事業者が不動産を購入し、それを運用・売却することでリターンを上げて投資家に還元する仕組みです。

株式型クラウドファンディング

投資色の強い4種類のクラウドファンディングの違い

6種類あるクラウドファンディングのうち、「融資型」「ファンド型」「株式型」「不動産投資型」は、投資色の強いものです。魅力的なアイデアや情熱ある人を応援しようという「購入型」「寄付型」とは色合いがまったく違います。

注意したいのは、「融資型」「ファンド型」「株式型」「不動産投資型」のクラウドファンディングは、種類によってリスクやリターンがかなり違ってくることです。

不動産投資型のクラウドファンディングは、プロジェクトや事業者の選択さえ間違えなければ、比較的ローリスク・ローリターンで運用できます。また、融資型のクラウドファンディングは、プロジェクトの内容によってミドルリスク~ハイリスクになります。

ファンド型と株式型のクラウドファンディングは、ハイリスクのプロジェクトも多いため、「夢を買う」に近いものがあります。そのため、根底にプロジェクトや起案者を応援するといった気持ちが必要でしょう。

クラウドファンディングの仕組み比較

寄付型 購入型 融資型 ファンド型 株式型 不動産投資型
概要 仕組み プロジェクトに共感する支援者がプラットフォームを通して起案者に寄付 起案者がアイテムやサービスのアイデアをプラットフォーム上でリリースし、支援者から資金を募る プラットフォームなどを通して投資家から小口の資金を募り、事業者が借り手に貸し付ける ファンドを組成して特定の事業に必要な資金を投資家から募る スタートアップ企業や中小企業が未公開株を投資家に提供することで資金を募る 大勢の投資家から募った小口資金で事業者が不動産を活用してリターンを得る
特徴 リターンは、モノやお金ではなく起案者が行う社会貢献活動。 購入型も寄付型も、プラットフォームを通してプロジェクトの内容を伝え、お金を募るという手法は同じ 支援者のリスクは、起案者が約束を履行しないケース。ただこれは、すべてのクラウドファンディングに共通するリスクといってよい。プラットフォームを通して資金を調達するのが一般的 投資家は、資金の借り手から利息を受け取ることができる。お金のリターンに加え、プロジェクトに関わる特典を受け取れることもある。 借り手の倒産や事業の頓挫によって融資が貸倒れになるリスクがある 売上や利益に応じて分配金が支払われるのが基本で、事業の結果によって利回りが高くなったり低くなったりする。融資型と同様、プロジェクト自体が頓挫し、リターンを得られられないリスクがある。 株式を投資家が売却したときに大きなリターンが期待できる。リスクは大きく3つあり、 1つ目は、IPOに失敗するリスク。2つ目は流動性リスクで、 3つ目は、倒産リスク リターンの原資は、事業者が取得した不動産を運用・売却することで得られる収益。「不動産の運用がうまくいかない」「不動産の価値下落が原因で配当金を得られない」といったリスクがあり、 リスク回避としては「劣後出資方式」を採用する方法がある
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