不動産投資型クラウドファンディングは、投資家の「少額かつ手軽に安定的な資産運用をしたい」というニーズを背景に広がっています。
不動産投資型クラウドファンディングの仕組み
不動産クラウドファンディングの仕組みは、投資家から出資を募り、その資金を元手に事業者が不動産を取得します(あるいは改修を行います)。不動産を取得・運用・売却することで発生したインカムゲインやキャピタルゲインを投資家に分配します。
対象となる不動産は幅広く、大規模レジデンスやオフィスなどをはじめ、近頃は区分所有マンションや古民家、など投資対象は広がりを見せています。
事業者のメリットとしては、「金融機関の借り入れ以外の資金調達方法が開拓できること」「銀行借り入れでは難しかった不動産プロジェクトが展開できること」などが挙げられます。
投資家のメリットとしては、一般的な不動産投資と比較して「初期投資の元手が少額で済む(たとえば、一口あたりの投資額1万円など)」「運用や売却のときの手間がかからない」などが挙げられます。
不動産クラウドファンディングの種類
不動産を対象に貸し付けを行う「融資型(ソーシャルレンディング)」と「不動産投資型(ファンド型)」の2つの仕組みがあります。
「融資型」は金融商品取引法と貸金業法に準拠して運用します。借り手企業にとっては融資と同じ扱いとなり、投資家が受け取る利益は「利息に基づく分配金」扱いとなります。
「不動産投資型」は不動産特定共同事業法に準拠した運用を行い、投資家が受け取る利益は「分配金」となります。
不動産特定共同事業法には「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸借型」の3つの契約形態があります。
「任意組合型」は投資家と不動産特定共同事業者が任意組合契約を結び、不動産を運用します。不動産の所有権は投資家が持つことが大きな特徴となります。
「匿名組合型」は投資家と不動産特定共同事業者が匿名組合契約を結び、不動産を運用します。不動産の所有権は事業者が持ちます。
「賃貸借型」は対象不動産の共有持分を持つ投資家が、不動産特定共同事業者に賃貸、または運用を委任、事業者が運用し利益を投資家に分配します。不動産の所有権は投資家が共有で持ちます。
クラウドファンディングを不動産特定共同事業法の枠組みの中で活用する場合、ほとんどのケースは「匿名組合型」で組成します。
「任意組合型」は対面でのやり取りが基本となります。「任意組合型」を活用したクラウドファンディングは2021年6月時点では1件と少数です。
不動産特定共同事業法は2017年に改正(緩和)がありました。従来の許認可制から登録・更新制に変わり、事業者の資本金、純資産などの要件も緩和され、多くの事業者が参入できるようになりました。
この改正により、小規模な不動産会社も参加できるようになり、投資対象も従来の大型のものだけではなく、小規模な空き家活用や古民家など特色のある案件も増えてきました。
不動産投資型クラウドファンディングのリターン
不動産投資型クラウドファンディングのリターンの原資は、事業者が取得した不動産を運用・売却することで得られる収益です。これをもとに、投資家が出資した口数などに応じて配当金が支払われます。想定利回りはその商品ごとに異なります。
不動産投資型クラウドファンディングのリスク
不動産投資型クラウドファンディングには、「不動産の運用がうまくいかない」「不動産の価値下落が原因で配当金を得られない」といったリスクがあります。
リスク回避としては、「劣後出資方式」を採用する方法があります。これは損失が発生したときに、投資家ではなく事業者が先に損失を補てんする方式です。仮に、劣後出資の割合が3割であれば、不動産の価値が3割まで下落しても投資家の元本には影響がありません。
ただし、劣後出資方式を採用している場合でも、事業者が補てんするのは損失の全額でなく、あくまでも損失の一部になります。
劣後出資方式によって、どれくらい損失が補てんされるかは商品ごとに違います。日本経済新聞によると、一般的な劣後出資割合は「2~3割のケースが多い」としています。また、ファンドによっては劣後出資割合が5割以上というケースもあるようです。
歴史や市場規模など
不動産業者などが投資家から出資を募り、不動産を取得・運用・売却してリターンを分配する仕組みを「不動産特定共同事業」といいます。もともとは限られた事業者だけが活用できる仕組みでしたが、2017年の法改正で「小規模不動産特定共同事業」が創設されて要件が緩やかになり、新規参入のハードルが下がりました。
日本クラウドファンディング協会の「市場調査報告書(2020年6月)」によると、国内の不動産投資型(不特法型)クラウドファンディングの市場規模は次のように推移しています。
2017年:-
2018年:12億円
2019年:39億円
不動産投資型は、「小規模不動産特定共同事業」の創設によって始まったばかりのため、融資型や購入型のクラウドファンディングと比べると市場規模は小さいです。しかし、2018年と2019年の市場規模を比べると3倍以上に拡大していることから、今後の成長が期待されます。
法的な規制の有無
不動産投資型クラウドファンディングは、「不動産特定共同事業」の形態の1つです。そのため、「不動産特定共同事業法」の規制を受けます。
資産運用の性格
一般的な不動産投資と同様に、比較的、ローリスクな資産運用が可能です。ただし、すべての事業者が信頼できるわけではありません。事業者そのものの信頼性や取得する不動産の立地などを精査する必要があるでしょう。
不動産投資型クラウドファンディングのサービス運営会社紹介
Rimple(リンプル)では東証一部上場のプロパティエージェント株式会社が運営しており、1口当たり1万円から少額から投資できるので、不動産投資初心者の方でも安心して投資ができるのが特徴。東京23区のマンション投資に強いプロパティエージェント株式会社ならではの従来の不動産投資ノウハウを最大限活用したクラウドファンディングサービス。
運営会社 | プロパティエージェント株式会社 |
設立日 | 2004年2月6日 |
資本金 | 6億312万円 |
従業員数 | 119名 |
累計募集金額 | 10億円 |
ユーザー数 | 100,000人 |
サービス開始日 | 2020年2月 |
アイディ株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングサイトで、1口1万円から、不動産案件への投資が可能となっている。
運営会社 | アイディ株式会社 |
設立日 | 1979/06/01 |
資本金 | 100,000,000円 |
従業員数 | ー |
累計募集金額 | 1500万円 |
ユーザー数 | ー |
サービス開始日 | 2020年8月3日 |
1万円から始める不動産投資クラウドファンディング。面倒な手続きはネットで完結。運用はプロにお任せで毎月配当。CREAL(クリアル)は不動産投資の新たなカタチを提供する資産運用サービスです
運営会社 | 株式会社ブリッジ・シー・キャピタル |
設立日 | 2011年5月11日 |
資本金 | 100,000,000円 |
従業員数 | 24名 |
累計募集金額 | 64億円 |
ユーザー数 | ー |
サービス開始日 | 2018年11月13日 |