融資型クラウドファンディングは、「ソーシャルレンディング」または「貸付型クラウドファンディング」ともいわれます。
融資型クラウドファンディングの仕組み
融資型クラウドファンディングは、プラットフォームなどを通して投資家から小口の資金を募り、事業者(匿名組合の営業者)が借り手に貸し付ける仕組みです。購入型や寄付型のクラウドファンディングは、プロジェクトへの共感がベースになっていました。一方、融資型クラウドファンディングは完全なビジネスです。
融資型クラウドファンディングの主要プラットフォームとしては、「SBIソーシャルレンディング」「クラウドバンク」「クラウドクレジット」「オーナーズブック」などがあります。
融資型クラウドファンディングに対するよくある疑問としては、数多くの金融機関が中小企業向けに融資をしているのに「なぜ、わざわざクラウドファンディングで資金をまかなうのか」というものです。理由例としては、「スタートアップ直後のため金融機関からの融資が難しい」「資金調達の選択肢を増やしたい」といった内容があります。
融資型クラウドファンディングのリターン
投資家は、資金の借り手から利息を受け取ることができます。お金のリターンに加えて、そのプロジェクトが関わる特典を受け取れることもあります。
ちなみに、投資型クラウドファンディングで大手のSBIソーシャルレンディングの名目利回りは 2.5〜10%と公表されています。一般的に利益の分配金は毎月行われます。
融資型クラウドファンディングのリスク
融資型クラウドファンディングでは、借り手の倒産や事業の頓挫によって融資が貸倒れになるリスクがあります。その場合、借り手と投資家の間に立つ事業者によって回収されたお金や担保が投資家に分配されます。もちろん、元本を大幅に割り込んだり、資金をほとんど回収できなかったりするリスクもあります。
また、事業自体は持続しているものの当初計画していた収益が確保できず、見込んでいた利息を得られないリスクもあります。
なお金融庁では、ソーシャルレンディングへの投資において、高い利回りの裏側には返済遅延やデフォルトなどのリスクがあることを意識するよう投資家に向けて注意喚起を行っています。
資金調達の方法
借り手は、事業者に融資の申込みをします。そして、決算書や事業計画書などを提出して審査を受け、承諾されれば貸付が実行されます。
ここで注意したいのは、貸付をするのはあくまでも借り手と投資家の間に立つ事業者ということです。投資家が借り手にダイレクトに貸付をするわけではありません。
歴史や市場規模など
日本でのソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)の歴史は、この分野のパイオニアである「maneo(マネオ)」がサービスを開始した2008年頃がはじまりといわれます。
現在の融資型の市場は1,000億円超に成長しています。日本クラウドファンディング協会の「市場調査報告書(2020年6月リリース)」によると、国内の融資型クラウドファンディングの市場規模は次のように推移しています。
2017年:1,316億円
2018年:1,764億円
2019年:1,113億円
なお、矢野経済研究所の「2018年版 国内クラウドファンディングの市場動向」によると、国内のクラウドファンディング市場に占める融資型の割合は90.2%程度です(2017年)。
法的な規制の有無
融資型のクラウドファンディングは、金融商品取引法と貸金業法の規制の対象となります。プラットフォーマーは「第二種金融商品取引業」の登録が必須となっています。なお、金融庁では、登録を受けてない業者は詐欺的な商法である可能性が高いと注意喚起を促しています。
資産運用の性格
融資型クラウドファンティングは、事業に対して投資を行い、リターンを得る仕組みです。個人投資家が出資する場合は、資産運用になります。
融資型クラウドファンディングのサービス運営会社紹介
東証一部上場のCREグループが運用する、安定性の高い物流不動産ファンドへの投資が特徴
運営会社 | FUEL株式会社 |
設立日 | 2016年10月 |
資本金 | ー |
従業員数 | 16人 |
累計募集金額 | 2億8,000万円 |
ユーザー数 | ー |
サービス開始日 | 2020年2月20日 |
SBIソーシャルレンディングはインターネット総合金融グループのSBIグループ企業による運営で、1万円から資産運用が始められます。
運営会社 | SBIソーシャルレンディング株式会社 |
設立日 | 2008年1月24日 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | ー |
累計募集金額 | 1,359億円 |
ユーザー数 | 50,000人 |
サービス開始日 | 2011年3月 |