不動産投資
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丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

インデックス投資と不動産投資はどちらもサラリーマンに向いている投資といえますが、投資対象や特徴が異なるので、どちらが自分に合っているかを見極めることが大切です。

加えて最近は、少額で不動産に投資できる不動産クラウドファンディングの人気も高まっています。それぞれの特徴やサラリーマンに向いている理由について見ていきます。

目次

  1. インデックス投資の特徴
  2. 不動産投資の特徴
  3. 不動産クラウドファンディングの特徴
  4. 「不動産投資」「インデックス投資」「不動産クラウドファンディング」を比較
  5. 3つの投資でどれが一番向いているかを見極めよう
  6. 不動産投資・インデックス投資・不動産クラウドファンディングに関するよくある質問

インデックス投資の特徴

インデックス投資とは、特定の指数(インデックス)に連動する投資成果を目指して運用する投資方法で、インデックスファンド(投資信託)を購入して長期保有するのが一般的です。投資対象となるインデックスにはさまざまな種類があります。代表的なインデックスは以下の通りです。

・日経平均株価
・TOPIX(東証株価指数)
・S&P500
・MSCIコクサイ・インデックス
・MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス

たとえば、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」のインデックスファンドを購入すれば、世界中の株式に少額から分散投資ができます。インデックスファンドは積立投資に対応しており、積立設定をすれば証券会社が自動的に購入してくれるので、忙しいサラリーマンでも続けやすいでしょう。

インデックス投資のメリット

インデックス投資のメリットは以下の通りです。

・市場平均のリターンを得られる
・運用コストが低い
・時間や手間がかからない
・非課税制度が利用できる

インデックスファンドは目標とする指数に投資成果が連動するように機械的に運用されるため、運用コストが低く、市場平均のリターンを得られます。積立設定をすると証券会社が自動的に購入してくれるので、時間や手間がかかりません。

また、「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった非課税制度を利用すれば、利益に税金がかからないので、効率的に資産を増やせます。

インデックス投資のデメリット

一方で、インデックス投資には以下のようなデメリットもあります。

・短期間で資産を増やすのは難しい
・株価の暴落局面で積み立てを続けるのが難しい

インデックス投資はインデックスファンドを長期保有し、時間をかけて資産を増やしていく投資方法です。市場平均を超えるリターンは期待できないため、短期間で資産を増やすのは難しいでしょう。

また、インデックス投資は株価の暴落局面で積み立てを続けることで平均取得単価が下がり、株価の回復局面で利益を得られますが、暴落時に積み立てを続けるのは精神的に難しい面もあります。インデックス投資で資産を増やすには、株価が暴落して一時的に含み損が膨らんでも、冷静に積み立てを続けることが大切です。

インデックス投資のやり方

インデックス投資を始めるにはまず、証券会社のWebサイトなどから証券総合口座開設の申し込みを行います。口座が開設されたら証券会社の公式サイトにログインし、投資信託のカテゴリーを選択してから「インデックスファンド」で検索します。扱っているファンドが一覧で表示されるので、比較して投資したいファンドを決めます。

ファンドの取引画面に遷移したら「金額買付」「口数買付」「積立買付」「つみたてNISA」から買付方法を選択します。取引画面に買付口数または金額を設定し、取引パスワードを入力して注文発注すれば買付できます(SBI証券の例)。

インデックス投資がサラリーマンに向いている理由

インデックス投資は、インデックスファンドを購入して長期保有するだけなので、忙しいサラリーマンでも続けやすい投資方法です。投資に時間や手間をかける必要がなく、仕事と投資を両立できます。

また、毎月の給与から一定額を積み立てられるので、まとまったお金を用意しなくても、収入の範囲ですぐに始められます。

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不動産投資の特徴

不動産投資とは、所有しているマンションやアパートの部屋を入居希望者に貸し出し、家賃収入を得る投資方法です。入居者がいれば毎月家賃が入ってくるので、安定した収益が期待できます。マンションなどの住宅や店舗・事務所、駐車場など、投資物件にはさまざまな種類がありますが、住宅は比較的景気に左右されにくい面があります。

投資物件を購入するにはまとまった資金が必要になるため、金融機関の融資を利用するのが一般的です。入居者募集や家賃の回収、修繕といった物件管理は管理会社に任せられるので、仕事が忙しいサラリーマンの方でも取り組みやすいでしょう。

不動産投資のメリット

不動産投資には、以下のようなメリットがあります。

・投資物件から毎月家賃収入を得られる
・給与以外の収入源を確保できる
・生命保険の代わりになる
・老後の年金代わりになる

不動産投資は、毎月家賃収入を得られるのが魅力です。基本的にサラリーマンの収入源は給与だけですが、不動産投資を始めれば、働けなくなって給与がなくなっても一定の収入を確保できます。

物件購入で金融機関の融資を利用する際に団体信用生命保険に加入すると、ローン返済中に債務者が死亡してもローン残債は保険金で返済されるので安心です。また、退職後の家賃収入は、老後の年金代わりにもなります。

不動産投資のデメリット

一方で、不動産投資には以下のようなデメリットがあります。

・空室リスクが発生する可能性がある
・築年数の経過により建物の老朽化が進む
・流動性が低い

不動産投資には空室リスクがあり、入居者がいなければ家賃収入は得られません。退去は定期的に発生し、入居者を募集してもすぐに次の入居者が決まるとは限らないため、家賃収入でローンを返済する場合は注意が必要です。

不動産は、築年数の経過により建物の老朽化が進むと物件の市場価値が低下し、修繕やメンテナンス費用が増えていきます。また、不動産は流動性が低く、売却する際は買主を見つける必要があるため、すぐに現金化するのが難しいのもデメリットです

不動産投資のやり方

不動産投資は、まず購入する物件タイプを決めることから始まります。手元の資金によって選べる物件タイプが決まるからです。マンションにするかアパートにするか、新築物件か中古物件か、一棟投資か区分投資かなどいくつかの検討項目があります。

物件タイプが決まったら、次にWebサイトや不動産情報誌、店頭広告などから購入したい物件を探します。気になる物件があれば、扱っている不動産会社に出向いて購入の交渉をします。

物件と不動産会社が決まれば購入前や購入後に必要な手続きは案内してくれるので、相談しながら進めていきます。晴れて物件が自分の名義になったら、入居者を募集して運用がスタートします。

不動産投資がサラリーマンに向いている理由

不動産投資がサラリーマンに向いている理由は、金融機関の融資を利用しやすいからです。給与という安定収入があるサラリーマンは金融機関からの評価が高く、勤務先や勤続年数、年収によっては購入資金の多くを融資で賄うことができます。

不動産投資は借入金で投資物件を購入し、家賃収入でローン返済することで、それほど自己資金を投入しなくても資産を増やしていけるのが特徴です。金融機関の融資を利用しやすいサラリーマンは、不動産投資に取り組むには非常に有利な立場にあります。

関連記事:不動産投資のメリットとデメリット 不動産投資が向いている人とは?

不動産クラウドファンディングの特徴

不動産クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の投資家から資金を集めてファンドを運用するクラウドファンディングの一種です。マンション、アパート、オフィス、商業施設などの不動産を投資対象とします。運用成績が極めて安定していることから、他のクラウドファンディングよりも満口になる確率が高くなります。

不動産クラウドファンディングの収益には、売却収入から分配される「キャピタル型」と、家賃収入から分配される「インカム型」の2種類があります。

不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングのメリットは以下の通りです。

・1口1万円の少額から投資できる
・市場価格に左右されない
・リスク軽減策があるので安心して投資できる

現物不動産に投資するには最低でも数百万円程度はかかりますが、不動産クラウドファンディングは、ファンドによっては1万円の少額から投資できます。とくに初心者には取り組みやすい投資先といえます。

また、不動産クラウドファンディングは株式のような売買市場がないので、ファンドの価格自体が下がるという心配もありません。さらに、不動産クラウドファンディングはリスク軽減策がとられているので、安心して投資できるのもメリットです。

優先劣後方式のイメージ

キャピタル型の場合は売却損に備える「優先劣後方式」(上図)が挙げられます。万が一、売却損が出た場合でも、事業者が先に損失を負担するため、あらかじめ決められた比率以内の損失であれば投資家の出資元本が毀損することはありません。多くのファンドでこの方式が採用されています。

マスターリース契約のイメージ

インカム型の場合は、資産管理会社とクラウドファンディング事業者が結ぶマスターリース契約(上図)があります。資産管理会社がクラウドファンディング事業者から物件を一括して借り上げるので、空室の有無にかかわらず一定の家賃収入が保証されます。

この2つのリスク軽減策があるため、キャピタル型でもインカム型でも安心して投資できるのです。

不動産クラウドファンディングのデメリット

一方で、不動産クラウドファンディングには以下のようなデメリットもあります。

・手軽に現金化できない
・節税対策には利用できない

不動産クラウドファンディングのデメリットは、市場で売買できるJ-REIT(上場不動産投資信託)のように手軽に現金化できないことです。それに加えて、人気ファンドは先着順の案件の場合、すぐに満口になってしまいます。抽選式であっても人気ファンドは当選倍率が高くなるので、資金を複数のファンドに振り分けて応募するなどの対策が必要です。

また、不動産クラウドファンディングは損失が出ても現物不動産投資のように損益通算ができないので、節税対策には向いていません

不動産クラウドファンディングのやり方

不動産クラウドファンディングに投資する場合は、不動産クラウドファンディングの比較サイトを活用するのが便利です。募集中のファンドが多数掲載されているので、気になるファンドがあったら運営事業者の公式サイトに遷移して、ファンドの物件詳細や募集要項を確認します。

応募したいファンドが決まったら、当該ファンドの運営事業者への会員登録をして申し込みます。募集方式は抽選式と先着式があります。抽選式のファンドは当選した場合にのみ購入することが可能です。

不動産クラウドファンディングがサラリーマンに向いている理由

不動産クラウドファンディングがサラリーマンに向いている理由は、管理の手間がかからず不動産に投資できるからです。現物不動産でも管理会社に委託することはできますが、家賃の5%程度の委託管理料がかかります。不動産クラウドファンディングならその費用もかかりません。

また、毎月の給与から1口1万円のファンドを、ボーナス月には1口10万円のファンドを購入するなどという投資スタイルが可能な点でもサラリーマンに向いています。

「不動産投資」「インデックス投資」「不動産クラウドファンディング」を比較

「不動産投資」「インデックス投資」「不動産クラウドファンディング」の違いを以下の表にまとめました。それぞれ一長一短があるので、各項目を比較して自分の投資方針に一番合っている投資先を選ぶことが大事です。

不動産投資インデックス投資不動産クラウドファンディング
投資対象マンション、アパート(区分含む)インデックスファンド(投資信託)マンション、ホテル、商業施設など不動産を運用するファンド
投資金額大きい(数百万円~)小さい(1,000円程度~)小さい(1万円~)
資産の増え方定期収入(家賃収入)値上がり益
複利効果による資産の増加
分配金収入(毎月、半年ごと、満期時一括など)
始め方不動産会社で投資物件を購入
物件管理は管理会社に依頼できる
証券会社でインデックスファンドを購入不動産クラウドファンディング運営事業者のサイトから購入
メリット毎月家賃収入を得られる
生命保険・年金代わりになる
金融機関の融資を利用できる
市場平均のリターンを得られる
運用コストが低く、時間や手間がかからない
非課税制度が利用できる
少額から投資できる
市場価格に左右されない
リスク軽減策がとられている
デメリット空室リスクがある
建物の老朽化リスクがある
流動性が低い
短期間で資産を増やすのは難しい
株価の暴落局面で投資を続けるのが難しい
手軽に現金化できない
人気ファンドは買えない可能性がある
損益通算できない

インデックス投資が向いている人

インデックス投資は、インデックスファンドを積み立てるだけで済むので、なるべく投資に時間や手間をかけたくない人に向いています。少額から投資を始めたい人や借金に抵抗がある人も、インデックス投資が向いているでしょう。ただし、インデックス投資は短期間で資産を増やすのは難しく、株価の暴落局面でも積み立てを続けられる我慢強さが求められます。

不動産投資が向いている人

金融機関の融資を利用しやすいのが、サラリーマンが不動産投資に取り組む最大のメリットです。借入金を利用して投資物件を購入し、家賃収入からローン返済すれば、効率的に資産を増やせます。借金をして投資を始めることに抵抗がなく、給与以外に毎月一定額の収入を確保したい人は不動産投資が向いているでしょう。

不動産クラウドファンディングが向いている人

不動産クラウドファンディングは投資元本を毀損したくない人に向いています。先に紹介した「優先劣後方式」と「マスターリース契約」でリスクの低い投資が可能です。ただし、インデックス投資のように株式市場の上昇相場に乗って大きな利益を上げることはできないので、ローリスク・ミドルリターンで満足できる人に向いている投資先です

また、インデックス投資と同様に少額で投資できるので、将来は現物不動産投資を行いたいと考える人が投資しながら不動産について学ぶのにも適しています。

3つの投資でどれが一番向いているかを見極めよう

不動産投資とインデックス投資の最大の違いは、金融機関の融資を利用できるかどうかにあります。不動産投資は物件価格が高額ですが、借入金を利用すれば少ない自己資金で投資を始められ、効率的に資産を増やせます。インデックス投資は少額から始められ、時間や手間もかかりませんが、株価の暴落局面でも積み立てを続けられるかどうかがポイントになります。

不動産投資クラウドファンディングは、不動産投資とインデックス投資の欠点を補う投資先といえます。現物不動産のように高額な資金は必要なく、インデックス投資のように相場の動向に左右されることもありません。

この記事で紹介した内容を参考に、「不動産投資」「インデックス投資」「不動産投資クラウドファンディング」のどれが一番自分に向いているかを見極めて投資しましょう。

不動産投資・インデックス投資・不動産クラウドファンディングに関するよくある質問

Q. 「不動産投資」「インデックス投資」「不動産クラウドファンディング」の違いは?

3つの投資方法の最大の違いは、金融機関の融資を利用できるかどうかです。不動産投資は融資を受けられるので高額な物件の購入が可能です。インデックス投資や不動産クラウドファンディングは、融資は受けられないものの、投資額が少ないため誰でも手軽に始めることができます。どれを選ぶかは用意できる自己資金によって判断するとよいでしょう。

Q.不動産投資がサラリーマンに向いている理由は?

安定収入を持っているサラリーマンは金融機関からの評価が高く、勤務先や年収によっては購入資金のかなりの部分を融資で賄うことができる点が理由です。

Q. インデックス投資がサラリーマンに向いている理由は?

投資に時間や手間をかける必要がなく、忙しいサラリーマンでも仕事と投資の両立が可能となります。また、毎月の給与から一定額を積み立てられるため、収入の範囲ですぐに始めることができます。

Q. 不動産クラウドファンディングがサラリーマンに向いている理由は?

不動産クラウドファンディングは現物不動産のように物件を管理する手間がないので、本業を持つサラリーマンが投資するのに向いています。また、募集単位が1口1万円または10万円が多いので、月給やボーナスで投資しやすいのも定期収入があるサラリーマンに向いているといえるでしょう。

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