「投資」という言葉を聞くと、資産を大きく増やすことをイメージするかもしれません。しかし、なかには長期の安定収入(インカムゲイン)が期待できる投資方法もあります。インカムゲインを狙うのであれば、どんな投資方法が適しているかを知っておきましょう。
本記事では、インカムゲインとキャピタルゲインの違いや、インカムゲインが得られる高利回りの投資方法などを解説します。
目次
1.インカムゲインとは
インカムゲインとは、資産の保有中に得られる利益のことです。例えば、株式の配当金や債券の利息、不動産の家賃収入などが該当します。インカムゲインは、資産を保有し続けることで継続的に収入を得られるのが魅力です。
「給与以外の収入源の確保」「老後の年金づくり」「アーリーリタイヤ」といった目的で、インカムゲインが得られる投資に取り組む人もいます。まとまった資産を保有すれば、インカムゲインのみで生活することも可能です。
1-1.インカムゲインとキャピタルゲインの違い
投資で得られる利益は、インカムゲインとキャピタルゲインの2種類があります。キャピタルゲインとは、保有中の資産を売却することで得られる売買差益のことです。
例えば、100万円で購入した株式を200万円で売却した場合、差額100万円(200万円-100万円)がキャピタルゲインとなります(手数料、税金を除く)。
インカムゲインは資産を保有することで得られる利益ですが、キャピタルゲインは資産の売却によって利益を得られる点に違いがあります。資産の種類によっては、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を得ることも可能です。
2.インカムゲインのメリット
インカムゲインのメリットは以下の通りです。
2-1.長期の安定収入が期待できる
インカムゲインは、資産の保有中は継続的に利益を得られるのが最大のメリットです。1回あたりの利益はそれほど大きくありませんが、長期にわたって安定した収入が期待できます。
株式の配当金であれば年2回程度、収益不動産なら入居者がいれば毎月家賃収入が入ってきます。資産を大きく増やすより長期の安定収入に魅力を感じるなら、インカムゲインを目的に投資するのがおすすめです。
2-2.時間や手間がかからない
インカムゲインは、利益を得るのに時間や手間がかからないのもメリットの一つです。キャピタルゲインで大きな利益を狙う場合は、値動きを定期的にチェックして利益が出るタイミングで売却する必要があります。
それに対して、インカムゲインは資産の保有中は継続的に収益を得られるため、何度も値動きを確認したり、売却するタイミングを判断したりする必要はありません。インカムゲインが目的なら、忙しくて時間がない人でも投資に取り組みやすいでしょう。
3.インカムゲインのデメリット
インカムゲインには、以下のようなデメリットもあります。
3-1.キャピタルゲインに比べて期待できる利益が小さい
インカムゲインは、キャピタルゲインほど大きな利益は期待できません。例えば、株式は株価が数倍になることもあるので、短期間で大きな売却益を得ることも可能です。
しかし、株式を保有して配当金を受け取る場合、その金額は投資金額の数%にとどまります。インカムゲインは1回に受け取る金額は小さいので、資産を大きく増やすには時間がかかります。
3-2.実質的な収益はマイナスになることもある
インカムゲインが目的の投資は、実質的な収益はマイナスというケースもあります。資産を購入価格より安い価格で売却すると、売却損がインカムゲインの合計額を上回る可能性があるからです。インカムゲインは実質的な収益が見えにくいので、売却も考慮して収支管理を行うことが大切です。
4.インカムゲインを狙う上で注意すべきポイント
インカムゲインを狙った投資は、以下のようなポイントに注意して行う必要があります。
4-1.長期投資の目線で考える
インカムゲインを効果的に得るには、長期投資が必要となります。なぜなら業績が好調な企業は、増配する可能性が高いからです。実際10年以上連続増配している企業も多くあります。連続増配株と呼ばれる銘柄は、一度購入して長期間保有しているだけで毎年配当利回りが向上するため、短期投資では効果が少ないのがデメリットです。
4-2.配当原資が適切か分析する
配当利回りが高いのは魅力ですが、なかには業績が悪化しているのに無理して配当金を出している企業もあります。企業には、内部留保(利益剰余金)があるため、赤字でも配当金を出すことは可能です。しかし赤字で配当を続けていると純資産を食いつぶしていくことになり、あまりよいとはいえません。
企業の配当金支払いに余裕があるかどうかは、配当性向で判断できます。配当性向とは、純利益の何割を配当金に回しているかを見る指標です。「1株あたりの配当金÷1株あたりの当期純利益」で算出できます。例えば1株あたりの当期純利益が200円の企業で1株あたり50円の配当金の場合は、50円÷200円=25%です。
半分以下の比率となるため、余裕を持った配当性向で増配余力も十分にあるといえるでしょう。逆に配当性向が90%であれば余力がないため、いずれ減配される可能性があり注意が必要です。
5.インカムゲインが得られる高利回りの投資方法7選
インカムゲインを得るには、具体的にどのような資産に投資すればよいのでしょうか。ここでは、インカムゲインが得られる高利回りの投資方法を7つ紹介します。
5-1.不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートなどの収益不動産を購入し、入居希望者に貸し出して家賃収入を得る投資方法です。入居者がいれば、長期にわたって毎月家賃収入を得られます。
不動産を購入するにはまとまった金額が必要ですが、金融機関の融資を利用して購入し、家賃収入で借入金を返済することも可能です。また、入居者募集や賃貸借契約、修繕といった物件管理は管理会社に任せることができます。
ただし、不動産投資は空室になると家賃は入ってきません。また、築年数が経過するほど、家賃や物件価値が下落するリスクも高くなります。不動産投資で成功するには、空室リスクが低く、価値が下がりくい物件を選ぶことが大切です。
5-2.高配当株
利回りが高い株式を長期保有すれば、年1~2回高額の配当金を受け取れます。東証一部上場企業の株式平均利回りは2%程度で、一般的には配当利回り3%以上の銘柄を「高配当株」といいます。なかには利回りが5%を超えるような銘柄もあります。
ただし、高配当株は業績が悪化すると配当が出なくなる可能性もあります。長期保有できる銘柄を選ぶには、業績や財務内容をよく確認する必要があります。
5-3.J-REIT(上場不動産投資信託)
J-REITとは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。証券取引所に上場しているため、株式と同じように売買できます。
J-REITは、収益の90%超を分配するなど一定の条件を満たすと、実質的に法人税がかからないため、利回りが高く設定されています。2017年以降、J-REITの平均利回りは4%前後で推移しています。比較的少額から投資できるので、少額から不動産に投資したい場合はJ-REITを検討しましょう。
5-4.ETF(上場投資信託)
ETFとは、証券取引所に上場し、特定の指数に連動する投資成果を目指して運用される投資信託です。年1~2回程度分配金が支払われ、なかには高利回りの銘柄もあります。キャピタルゲインも狙えますが、分配金を目的に長期保有することも可能です。
ETFの投資対象資産は、株式、債券、商品などさまざまです。少額から分散投資ができるので、リスク軽減効果が期待できます。投資先を分散しながらインカムゲインを得たい場合は、ETFを検討するとよいでしょう。
5-5.インフラファンド
インフラファンドとは、REITに似た仕組みを持つ金融商品です。投資家から集めたお金で主に太陽光発電設備などを購入し、その売電収入を投資家に分配する仕組みになっています。
2020年10月現在、インフラファンドは東京証券取引所に7銘柄が上場しており、分配金利回りは6%前後と高めです。再生可能エネルギー発電には固定価格買取制度(FIT)があるため、長期にわたって安定した分配金が期待できます。
投資対象が環境にやさしい再生可能エネルギーであることから、投資を通じて社会貢献できるのも魅力です。ただし、インフラファンドの運営は国の方針に左右される部分もあるため、動向を注視しておく必要があります。
5-6.投資型クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの人から資金を集める仕組みです。クラウドファンディングには「寄付型」「購入型」「投資型」などがあり、投資型では金銭的なリターンが設定されています。
主な投資対象は非上場株式や不動産で、投資金額に応じて定期的に分配金が支払われ、運用が終了すると一括で元金が返金されます。投資対象によって利回りは異なり、なかには高利回りのサービスもあります。
投資型クラウドファンディングには価格変動リスクがないので、価格変動を気にせずに長期保有できます。ただし、基本的には中途解約できず、元本が返済されないリスクもあるので注意が必要です。
5-7.太陽光発電投資
太陽光発電投資は、太陽光発電設備を購入して売電収入を得る投資方法です。太陽光発電は固定価格買取制度の対象で、発電した電気を20年間固定価格で買い取ってくれるため、長期の安定収入が期待できます。物件によっては、表面利回りが10%を超えることもあります。
投資するにはまとまったお金が必要ですが、金融機関の融資を利用できるので、少ない元手で投資を始めることも可能です。
ただし、太陽光発電投資は初期費用や維持費がかかり、実物資産であるため災害リスクもあります。また、「固定価格買取制度終了後の運営をどうするか」といった課題もあるので、仕組みを理解したうえで投資を始めることが大切です。
6.高配当株とはどのような銘柄を指すのか
一般的に高配当株という場合、1株あたりの配当金の絶対額ではなく配当利回りが高い銘柄を指します。なぜならいくら1株の配当金額が高くても株価が高く配当利回りが低ければ資金効率が悪くなるからです。
例えば1株あたり200円の配当で1株あたりの株価が2万円のA株の場合、200万円の投資に対して100株で得られる配当金は2万円(配当利回り1.0%)です。
一方、1株あたり60円の配当で1株あたりの株価が2,000円のB株は、同じ投資金額なら1,000株買えるため、得られる配当金は6万円(配当利回り3.0%)となります。
1株あたりの配当金の絶対額はA株のほうが多いですが受取配当金額はB株のほうが多くなるのです。そのため2銘柄を比較した場合は、B株のほうが高配当株と呼ばれることになります。
7.日本の安定高配当株5選
2022年5月10日時点における東証プライム全銘柄の予想平均配当利回り(加重平均)は、2.40%です。ここでは、平均配当利回り以上で倒産の可能性が低く安定した配当が見込める日本株5銘柄を紹介します。(株価は2022年5月6日東京市場終値)
※決算期の関係で期が変わると予想配当利回りが増減する場合があるため、参考程度にご覧ください。(米国株も同様)
7-1.淺沼組<1852>
関西系の中堅ゼネコン会社で学校や官公庁などの公共建築に強みを持っているのが特徴です。2023年3月期は受注高1,400億円超を目指すなど業績見通しも安定しています。連続増配志向のため、業績の動向によっては増配が期待できるでしょう。
民間建築工事の受注は、低迷していますが公共建築工事が安定しているため、業績不安の少ない建設株といえます。
【配当金】1株あたりの配当金363円(2022年3月期予想)、株価5,120円、配当利回り約7.09%
7-2.三井住友フィナンシャルグループ<8316>
3大メガバンクの一角で傘下に三井住友銀行、SMBC日興証券、プロミスを擁する金融グループです。資金効率が良く高収益を上げており、業績の動向を見ながら少しずつ配当を増やす安定増配を基本にしています。2022年3月期の予想配当は210円です。
メガバンクは、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループも高配当なのでどの銘柄を買ってもよいでしょう。
【配当金】1株あたりの配当金210円(2022年3月期予想) 株価3,972円 配当利回り約5.29%
7-3.住友商事<8053>
総合商社大手。鋼管に強く、非鉄などの資源やCATVなどのメディア、不動産にも展開しています。資源高は追い風になります。国内洋上風力にも進出し、エネルギー事業でも注目されています。業績によって配当金が増減する配当性向重視型です。
2022年3月期は70円→110円に増配予想ですが、2023年3月期は90円に減配となります。しかし、2022年の資源高で業績の上振れが期待できるでしょう。
【配当金】1株あたりの配当金110円(2023年3月期)、株価2,104円、配当利回り約5.23%
7-4.三菱HCキャピタル<8593>
リースでトップクラスの会社で旧三菱UFJリースと旧日立キャピタルが2021年に経営統合されました。M&Aの手法で海外展開も加速。連続増配志向のため、多少業績が悪化した年も増配を実施しています。
ただし2022年3月期の予想配当26円でも配当性向は約39.3%と余裕があるため、長期投資の資産株として保有するのに向いている銘柄といえます。
【配当金】1株あたりの配当金26円(2022年3月期予想)、株価590円、配当利回り約4.41%
7-5. 京セラ<6971>
コンデンサーなどの電子部品大手。主力のセラミック部品が半導体装置を中心に需要が拡大しており、業績は好調です。2023年3月期は180円→200円に増配。ここに紹介した5銘柄の中では唯一株主優待を実施しています。
また特筆すべきは、1株の保有でも優待を受けられるところです。単元未満株投資に向いている銘柄といえるでしょう。
【配当金】1株あたりの配当金180円(2022年3月期)、株価6,908円、配当利回り約2.61%
※株価・配当金データ出典:SBI証券
8.高配当日本株投資におすすめの証券会社3選
日本株は、外国株専門の証券会社以外ならどの証券会社でも購入することが可能です。ここでは、高配当日本株投資におすすめの証券会社を3社紹介します。
8-1.SBI証券
ネット証券大手で投資のデパートといえるほど、さまざまなタイプの投資商品をそろえています。トレーディングツール「Hyper SBI2」がバージョンアップしてより機能が充実したのがメリットです。「S株」という単元未満株取引やS株をテーマごとに組み合わせた「テーマキラー!」というパッケージ商品も扱っています。
いろいろな金融商品に分散投資したい人に適した証券会社といえます。手数料は、現物取引アクティブコースの場合100万円まで無料です。
8-2.LINE証券
スマホで手軽に株取引ができることで人気の証券会社です。1株単位で少額から売買できる「いちかぶ」という商品があります。いちかぶの取引手数料は無料です。しかし銘柄をA~Dまで4つのグループに分け「A:0.2%、B:0.3%、C:0.4%、D:0.5%」と銘柄によってスプレッドがかかる独特のコスト体系となっています。
LINE証券が顧客に提示する基準価格にスプレッドが上乗せされて提示される仕組みです。それでも取引コストとしては、割安な水準といえるでしょう。
8-3.楽天証券
楽天グループのネット証券会社で2021年12月時点の証券口座開設数は700万を突破。大手証券会社を含めてもダントツの口座開設数です。サービスも多様で楽天カードによる買い物で貯まった楽天ポイントを使って個別株を購入することができます。投資初心者でいきなり現金を投じるのが不安な人は、まずポイント投資から入ってみるのもよいでしょう。
投信積立で楽天カードクレジット決済に設定すると決済額100円につき楽天ポイントが1ポイント付与されます。楽天のヘビーユーザーなら利用するメリットが大きい証券会社でしょう。個別株取引の手数料は「いちにち定額コース」を利用すれば100万円まで無料な点も魅力です。
9.米国の安定高配当株5選
米国株には、単元株という概念はなく原則1株単位で投資できるのが特徴です。ここでは、増配が期待でき誰もが知っている有名な米国の高配当株5銘柄を紹介します。(株価は2022年5月5日ニューヨーク市場終値)
9-1.スリーエム<MMM>
老舗の化学・電気素材メーカーです。米国では、50年以上連続増配を続ける企業を配当王と呼んでいます。スリーエムは63期連続増配の配当王銘柄で2022年度もなお4%近い利回りを維持している超優良銘柄です。
産業部門のほかオフィス・家庭向け製品にも強く粘着テープの「スコッチ」や粘着ふせん「ポスト・フィット」などが知られています。代表的な長期保有向け資産株です。
【配当金】1株あたりの配当金5.96米ドル(2022年12月期予想)、株価149.46米ドル、配当利回り約3.99%
9-2.シティグループ<C>
米国を代表する金融持ち株会社です。銀行業務だけでなく投資銀行や証券仲介、機関投資家向けプライベートバンキングなどを手掛けています。4%近い高利回りが魅力です。
長引く低金利下で銀行株にとって逆風が吹いていましたがFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ政策への転換により、これから業績と株価の伸張が期待できそうな銘柄です。
【配当金】1株あたりの配当金2.04米ドル(2022年12月期予想)、株価51.31米ドル、配当利回り約3.98%
9-3.ファイザー<PFE>
新型コロナウィルスワクチンの製造・供給で脚光を浴びた大手製薬会社です。セレブレックス、バイアグラなどの製品で知られています。
感染症の薬剤開発・製造・販売に強みを持っているため、パンデミック下ではディフェンシブ的な銘柄としてポートフォリオに入れておくのもよいでしょう。製薬会社のため、景気に左右されにくい点もメリットです。
【配当金】1株あたりの配当金1.6米ドル(2022年12月期予想)、株価48.45米ドル、配当利回り約3.3%
9-4.コカ・コーラ<KO>
ノン・アルコール系の世界的飲料メーカー。圧倒的ブランド力でコカ・コーラを知らない人はまずいないでしょう。商品の種類は、500種類以上に及びます。世界的投資家ウォーレン・バフェット氏が大量に保有していることでも有名な銘柄です。
59期連続増配を継続中の配当王銘柄で、全世界でコロナからの社会活動が再開され、飲食店の需要回復も期待できます。
【配当金】1株あたりの配当金1.76米ドル(2022年12月期予想)、株価64.51米ドル、配当利回り約2.73%
9-5.P&G<PG>
一般消費財大手で正式社名はプロクター・アンド・ギャンブル。家庭用品やパーソナルケア用品、工業用製品の製造・販売が売上の三本柱になっています。史上3位にあたる65期連続増配を継続中の配当王銘柄です。
P&G製品は、日本でもなじみが深く景気にあまり左右されない家庭用品が中心のため、安定資産株という位置づけで保有できる銘柄といえます。
【配当金】1株あたりの配当金3.65米ドル(2022年6月期予想)、株価154.46米ドル、配当利回り約2.36%
※株価・配当金データ出典:SBI証券
10.高配当米国株投資におすすめの証券会社5選
米国株は、外国株の中で最もメジャーなため、外国株を扱う多くの証券会社で購入することが可能です。ここでは、高配当米国株投資におすすめの証券会社を5社紹介します。
10-1.DMM.com証券
DMM.comグループの証券会社で、シンプルな商品構成が特徴です。注目すべきは、米国株の取引手数料が無料となる点。米国株を中心に取引したい人には、最も有利な証券会社といってよいでしょう。ただし為替手数料がかかり配当金にはスプレッドがかかるデメリットがあります。
10-2.IG証券
英国のロンドン証券取引所に上場しているIGグループの日本拠点でCFD(差金決済)取引で株式等を売買する証券会社です。CFD取引は、株価や株価指数の反対売買で生じる差額によって決済されるため、実際に株式等を保有することはありません。
米国株や欧州株、日本株など約1万2,000銘柄の取引が可能です。少ない証拠金で多くの金額を取引できるレバレッジ投資を利用できます。
10-3.楽天証券
楽天証券では、楽天ポイントを使って米国株(円貨決済)を購入したりトレーディングツール「iSPEED」を使って米国株を売買したりすることも可能です。2.22米ドル以下の取引手数料が無料というメリットがあります。
一般的な2.22米ドル超~4,444.45米ドル未満の手数料も約定代金の0.495%(税込み)と割安水準です。超割コース利用の場合は、1%のポイントバックを受けることができます。
10-4.マネックス証券
マネックス証券は、ネット証券の中でも早くから米国株に力を入れており2022年5月10日時点の銘柄は約4,913(個別銘柄4,562、ETF銘柄351)です。手数料は、楽天証券と同じく2.22米ドル以下は無料、2.22米ドル超~4,444.45米ドル未満は約定代金の0.495%(税込)となっています。
「みんかぶ」の2022年4月版「米国株におすすめのネット証券ランキング」で1位に選ばれるなど幅広い人気があることも魅力の一つです。「米国株デビュー応援プログラム」を利用すると手数料が最大3万円までキャッシュバックを受けることができます。
10-5.SBI証券
SBI証券は、外国株の取扱銘柄も充実しています。米国株の取扱銘柄数は5,194銘柄(2022年4月6日現在)です。手数料は楽天証券、マネックス証券と同じで上位3社は横並びの傾向があります。
キャンペーンとしては、総合口座を開設した月と翌月の最大2ヵ月手数料がキャッシュバックされる「Wow!株主デビュー!米国株手数料Freeプログラム」を実施。米国株から始めたい人には、お得なキャンペーンといえます。
11.インカムゲインで利益を得るシミュレーション
インカムゲインで利益を得るには、いくつかの方法があります。ここでは、代表的な2つの方法についてシミュレーションしてみましょう。
11-1.毎月配当金を得る投資方法
銘柄の購入方法によっては、毎月配当金を受け取ることができます。例えば中間配当を実施する銘柄を購入すれば半年ごとに年2回配当金を受け取ることが可能です。
1~6月まで毎月ずらして異なる銘柄の配当権利を得れば年12回、毎月配当金が入金されます。公的年金だけでは生活費が心配という人なら毎月配当金を得ることで不足分を多少補うことが期待できるでしょう。
では、月ごとに高利回りでかつ大幅増配など特別な変動がない銘柄で構成したシミュレーションを見てみましょう。
【毎月配当金を得るシミュレーション】年2回配当を実施する企業の2021年の配当金
権利月 | 銘柄 | 100株配当金 | 権利月 | 銘柄 | 100株配当金 |
---|---|---|---|---|---|
1月 | 積水ハウス | 3,900円 | 7月 | 積水ハウス | 4,300円 |
2月 | チヨダ | 1,900円 | 8月 | チヨダ | 1,500円 |
3月 | コナカ | 1,000円 | 9月 | コナカ | 1,000円 |
4月 | ファースト住建 | 2,100円 | 10月 | ファースト住建 | 2,200円 |
5月 | 日本毛織 | 1,200円 | 11月 | 日本毛織 | 1,600円 |
6月 | 東洋インキSCHD | 4,500円 | 12月 | 東洋インキSCHD | 4,500円 |
年間総配当額 | 2万9,700円 |
銘柄名 | 証券コード | 株価 | 投資額(100株購入した場合) |
---|---|---|---|
積水ハウス | 1928 | 2,240円 | 22万4,000円 |
チヨダ | 8185 | 712円 | 7万1,200円 |
コナカ | 7494 | 334円 | 3万3,400円 |
ファースト住建 | 8917 | 1,115円 | 11万1,500円 |
日本毛織 | 3201 | 976円 | 9万7,600円 |
東洋インキSCHD | 4634 | 1,983円 | 19万8,300円 |
合計投資額は、600株で73万6,000円、年間総配当額が2万9,700円のため、配当利回りは約4.04%です。このシミュレーションならNISA(少額投資非課税制度)の限度額(年間120万円)以内に収まり、利回りも4%を超えます。
11-2.配当金と株主優待でダブルインカムを得る投資方法
株式投資では、配当金のほかに株主優待でもインカムゲインを得ることが可能です。配当金と株主優待のダブルインカムによって得る利回りを「総合利回り」と呼んでいます。例えば携帯電話大手KDDI<9433>は、1株あたり125円(2022年3月期予想)の配当金だけでなく100株以上保有の株主なら3,000円相当のカタログギフトがもらえるのです。
2022年5月6日終値株価4,306円で算出した総合利回りは、約3.6%(配当利回り約2.9%、優待利回り約0.7%)となります。さらに長期保有優遇制度があるため、5年以上保有した場合はカタログギフトの内容が5,000円にグレードアップしてさらに利回りが上がります。携帯電話事業は、為替や原油相場の影響がそれほど大きくないため、業績悪化リスクが低い点がメリットです。
そのためKDDIは、比較的安心して保有を続けられる銘柄といえます。同社と同じようにダブルインカムを得られる銘柄は他にもたくさんあるため、株主優待を楽しみながら配当金を得るのもよいでしょう。
【KDDI株でダブルインカムを得るシミュレーション】
以下は100株保有の場合。1,000株以上の優待内容は5,000円相当(5年未満保有)と1万円相当(5年以上保有)になりますが、総合利回りは低下します。
保有株数 | 投資額 | 保有期間 | 配当金予想 | 株主優待 | 総合利回り |
---|---|---|---|---|---|
100株 | 43万600円 | 5年未満 | 1万2,500円 | 3,000円相当 | 約3.6% (配当利回り約2.9%+優待利回り約0.7%) |
5年以上 | 1万2,500円 | 5,000円相当 | 約4.06% (配当利回り約2.9%+優待利回り約1.16%) |
13.インカムゲインに関するよくある質問
Q.インカムゲインのメリットは?
長期にわたって安定した収入が期待できることです。
Q.インカムゲインが得られる投資方法とは?
不動産投資、高配当株、J-REIT(上場不動産投資信託)など
Q.キャピタルゲインとの違いは?
インカムゲインは、配当金や家賃収入など資産を保有することで得られる利益です。一方でキャピタルゲインは、資産の売却によって利益を得られる点に違いがあります。
※本記事は2022年5月6日現在の情報を基に構成しています。紹介した銘柄は一例であり、当該銘柄への投資を推奨するものではありません。また手数料やキャンペーンの内容などは変更になる場合があります。投資する際は証券会社のホームページ等で最新の情報をご確認ください。
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