不動産クラウドファンディング,選び方
(画像=onephoto/stock.adobe.com)

不動産投資型クラウドファンディング(以下、不動産クラウドファンティング)は、オンラインだけで不動産投資ができる新しい仕組みです。投資案件数・事業者数ともに急増している注目の投資ジャンルですが、新しい手法だけにセオリーが確立していない部分もあります。ここでは、不動産クラウドファンディング(不特法に基づく事業)の失敗しない選び方について解説します。

日本国内の不動産投資型クラウドファンディング事業者は増加

募集金額3億6,000万円の投資案件(ファンド)の申込みが数分で締め切りになるなど、「不動産クラウドファンディング(不特法に基づく事業)」が個人投資家に人気です。

不動産クラウドファンディングが国内で広まったのは、不特法改正後の2018年頃からですが、その後数年で次々にプラットフォームが立ち上げられています。日経新聞(2020年3月9日付)によると、不動産クラウドファンディングを提供する日本国内の事業者は約40にまで増加しています。同記事では、不動産クラウドファンディングの利回りを「5〜10%」と紹介しています。

従来の不動産投資とクラウドファンティングの3つの違い

不動産クラウドファンディングは、なぜ個人投資家に人気なのでしょうか。従来の不動産投資との違いは、「少額投資ができる」「短期・中期で投資ができる」「ネット完結で投資ができる」の3点です。

・従来との違い1:少額投資ができる
従来の不動産投資は、数百万円~数億円の初期コスト(物件購入費や諸費用)が必要ですが、不動産クラウドファンディングは1口1万円といった少額で不動産投資ができます。

・従来との違い2:短期・中期で投資ができる
従来の不動産投資は初期コストが高いため長期投資が前提ですが、不動産クラウドファンディングでは数ヵ月から数年でプラスのリターンを得ることができます。

・従来との違い3:ネット完結で投資ができる
従来の不動産投資は物件探し・売買契約・ローン契約などに手間がかかりますが、不動産クラウドファンディングではオンライン上ですべてが完結するため、気軽に不動産投資ができます。

不動産クラウドファンティングが広まった背景には「不特法」が関わる

不動産クラウドファンディングの普及には、「不動産特定共同事業法(不特法)」という法律が大きく関わっています。

不特法とは、不動産を小口化して(少額で投資できるよう小分けにして)投資家から出資を受けて運用し、そこで得たリターンを投資家に分配する「不動産特定共同事業」のルールとなる法律です。

不特法は1995年に施行されましたが、2017年に不特法の延長線上に「小規模不動産特定共同事業」が創設され、資本金などの要件が緩和されたことで、不動産会社などの事業者が不動産クラウドファンディングを立ち上げやすくなったのです。

予定分配率は予定でしかない。元本の返却に支障が出ることも

不動産クラウドファンディングを選ぶ際にやってはいけないことは、「利回りの高さ」だけを見て投資案件(ファンド)を選ぶことです。

例えば「予定分配率(または予定利回り)5%」と表記されていても、それはあくまでも「予定」でしかありません。予定どおり運用できたらこのリターンを得られますが、運用に失敗すれば予定していたリターンを得られないどころか、出資金の返却に支障をきたすこともあります。

特に高い分配率が設定されている場合は注意が必要です。高利回りの投資案件がすべて怪しいわけではありませんが、高利回りの裏にリスクが隠れている可能性もあります。高利回りに飛びつくのではなく、次項で紹介するチェックポイントをもとに、慎重に判断することが大切です。

不動産クラウドファンディング選びで失敗しないためのチェックポイント

チェックポイント1:プラットフォームの運営会社

不動産クラウドファンディングには、数多くのプラットフォームがあります。例えば、「Renosy(リノシー)クラウドファンディング」「OwnersBook(オーナーズブック)」「CREAL(クリアル)」などです。投資案件の内容をチェックする前に、まずはプラットフォームを運営している企業の信頼性を確認してください。

プラットフォームには、必ず運営会社や会社概要などが記載されています。それをもとに、その会社の公式サイトや口コミ情報などを調べてみましょう。その結果、信頼性がないと判断した場合は、そのプラットフォームを利用すべきではありません。

安心感があるのは、上場企業が運営しているプラットフォームです。上場企業が運営していてもトラブルが発生することはありますが、未上場の中堅企業に比べて経営の透明性があり、倒産リスクも限定的といえます。

チェックポイント2:ファンドのリスクの内容

不動産クラウドファンディングの各投資案件の概要には、必ずリスクに関する説明があります。小さな文字で書かれていることが多いため、読み飛ばしたくなる気持ちもわかりますが、重要な文書なので必ず目を通してください。

例えばある投資案件では、以下のリスクがあることを説明しています。

  • 元本は保証されない
  • 利回りはあくまでも予定である
  • ファンドの収益が悪化した場合は、分配金に支障をきたすリスクがある
  • 同じく、出資金の返還に影響をきたすリスクがある
  • 出資金は分別管理をしているものの、投資先が破産した場合、出資金も返還されないリスクがある
    ※上記のリスクは一例です。投資案件ごとに異なります。

リスクの説明に目を通すと、具体的なリスクを把握できます。内容に納得できない場合は、出資を控えるべきです。

チェックポイント3:投資対象物件

一口に不動産クラウドファンディングといっても、投資する物件のタイプはさまざまです。物件タイプによって空室リスクが変わるため、ファンドの投資先を概要で確認しましょう。

一般的に空室リスクが低いのは、東京や首都圏(あるいは入居者ニーズの高い大都市)の賃貸物件といわれます。また、商業施設・学校・ホテルなどは立地条件で空室リスクが大きく変わります。

チェックポイント4:投資対象物件の立地

物件タイプが同じでも、エリアによってリスクが変わります。そのため、不動産クラウドファンディングを選ぶ際は、投資対象物件の立地も確認するべきです。

一般的に、都心の一等地など希少性の高い立地の賃貸物件のほうが空室リスクは低いと考えられます。より大きな視点で考えると、地震や洪水、噴火などの災害リスクもあります。首都直下地震や南海トラフ地震などのリスクが高まっているため、災害リスクを意識していくつかのエリアに分散投資をすることも検討すべきでしょう。

チェックポイント5:募集方式や運用期間

また、募集方式の確認も必要です。募集方式には、「先着方式」「抽選方式」があります。先着方式は、いわば「早い者勝ち」です。ファンドの募集開始後、早く申し込んだ人が優先されます。一方、抽選方式は一定期間後に抽選が行われます。

先着方式のデメリットは、早く申し込まないと受付が締め切られる可能性があることです。そのため、多忙な人には向きません。抽選方式のデメリットは、当選するまで投資を始められないことです。

また、運用期間も重要なチェックポイントといえます。同じ利回り(分配率)でも、運用期間によって総利益額が変わるからです。

今後は事業者の信頼性評価がますます重要になる

今後の不動産クラウドファンディング市場では、新規参入事業者のさらなる増加が予想されます。事業者の数が増えると選択肢が増えるため、個人投資家は有利になるといえるでしょう。

ただし、事業者が増えると玉石混交となる可能性もあるため、プラットフォームや投資案件の信頼性を見抜く力がますます重要になります。今回ご紹介した5つのチェックポイントを参考に、資産形成に役立つファンドを選んでください。

>>【無料小冊子】不動産投資ローンマニュアル - 仕組みから審査攻略法までを解説

>>【無料小冊子】40の金融機関と接する融資のプロがコロナ禍でも融資を引き出せる方法を解説

【あなたにオススメ】
未来の賃貸経営は「MaaS」に左右されるって本当?
ミレニアル世代を中心に人気を集めるコリビングとは?
人気インフルエンサーたちが住んでいるのはどんな家?
浸透しつつあるIT重説の今
次世代のスタンダードになるか?サブスクリプション型賃貸住宅とは