大家の仕事内容とは?委託可能な業務や費用感、注力すべき領域について解説
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丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

マンションやアパートといった収益物件を購入すると、毎月家賃収入を得られる一方で大家としての仕事も発生します。不動産投資の経験がない場合は、大家の仕事といっても内容がよくわからないのではないでしょうか。大家には、さまざまな仕事がありますがその多くは委託できるため、副業として取り組むことも可能です。

本記事では、大家の仕事内容や収入・支出の目安、委託可能な業務、注力すべき領域などについて詳しく解説します。

目次

  1. 大家の仕事内容とは
  2. 大家(不動産所得者)の収入・所得はどれくらい?
  3. 大家(不動産所得者)が押さえておきたいアパート経営の収入と支出
  4. 大家の仕事で業務委託が可能なもの
  5. 大家が他人任せにせずに注力すべき領域
  6. まとめ
  7. 大家の仕事内容に関するよくある質問

大家の仕事内容とは

大家の仕事には、主に以下のような業務があります。

業務の区分業務の項目業務内容
物件に関する業務物件の選定・購入投資用物件を選定し、購入する
物件の売却出口戦略として物件を売却する
入居者に関する業務入居者の募集広告などで入居者の募集を行う
賃貸借契約入居希望者と賃貸借契約を結ぶ
家賃の集金銀行振り込みされているかを確認し、滞納者には督促する
修繕依頼への対応入居者の居室または共用部の修繕を実施する
クレームへの対応修繕以外のクレームに対応し解決する
入居者の退去手続き立ち会い、敷金精算、原状回復、クリーニングなど
建物に関する業務日常の管理共用部分や外回りの清掃、メンテナンスを行う
大規模修繕計画10年ごとなど定期的に大規模修繕を実施する
空室対策空室が続けばリフォームや設備の入れ替えを検討する
税務に関する業務日常の収支管理日々の収支を帳簿に記載し、年末にまとめる
確定申告1年間の収支をまとめ、確定申告する

多くの大家は、賃貸管理会社へ管理を委託していることが多い傾向ですが、自主管理の場合はすべての業務を大家が行わなければなりません。業務内容を確認しておきましょう。

投資物件の選定・購入、売却

投資物件の選定・購入は、正確には大家になるための仕事といえるかもしれません。物件選びは、不動産投資の成功を左右する重要な要素の一つです。閑静な住環境を好むファミリー層をターゲットにする場合と、駅に近く交通利便性の高い住環境を好む単身者をターゲットにする場合とでは、選ぶ物件は大きく異なります。まずは、ターゲットを明確にしてから物件を選ぶようにしましょう

また、優良物件の数は多くないため、自分に合った物件を見極めることが大切です。事業規模の拡大や経営の安定化のために物件の追加取得や売却が必要な場面も出てきます。借り入れをして物件を取得する場合は、金融機関との融資交渉も必要です。将来、複数の物件を所有して事業規模まで発展させる計画があるなら、日ごろから金融機関との信頼関係を築いておくことも大切な仕事の一つといえます。

さらに、購入と同じくらい大切なのが出口戦略としての売却です。投資金額よりも高く売れるタイミングがあれば、売却してキャピタルゲインを得ることができるのも不動産投資の醍醐味といえるでしょう。

不動産は、築25年程度まで価格の下落幅が大きい傾向ですが、以降は下落幅がゆるやかになり価格も安定していきます。そのため、ある程度の期間は家賃収入を得て、ローン残債や減価償却の残期間などを考慮しながら納得できる売却益を得られる場合は売却を実行するのもよいでしょう。

入居者募集・賃貸借契約

物件購入後、大家が最初に行う業務が入居者の募集です。不動産投資は、収益物件を取得しても入居者がいなければ家賃が入ってきません。大家は、不動産仲介会社の担当者とよく相談しながら入居者を少しでも早く見つけるための戦略を立てます。入居者が見つかって賃貸経営がスタートしても、退去が発生すれば空室を埋めるために次の入居者を探すことが必要です。

家賃や敷金・礼金などの諸条件を決めて不動産仲介会社に入居者募集を依頼する際は「どのように広告を出すかを決める」「入居希望者の内覧に対応する」といった業務が発生することもあります。不動産仲介会社との契約が一般媒介または専任媒介の場合は、大家が入居希望者と直接契約することも可能です。一方で専属専任媒介の場合は、大家が入居者と直接契約することは禁止されています。

大家が入居者を選定する場合は、家賃滞納の恐れがないかなど属性を審査したうえで賃貸借契約を締結することが必要です。家賃滞納だけでなくトラブルを起こす可能性がないかのチェックも求められます。

入居者対応

入居者への対応は、主に「修繕依頼への対応」「その他のクレーム処理」の2つです。一棟物件の大家は、入居者の居室内の修繕だけでなく廊下の電灯が故障した場合など共用部分の修繕も行わなければなりません。一方でクレームの処理は、大家にとって気が重い問題です。

2020年に行われた株式会社ジャストイットのアンケート調査によるとマンショントラブルの主な理由は、以下のようになっています。

・騒音トラブル
・駐車場または駐輪場トラブル
・隣人トラブル
・ゴミ出しのトラブル
・外国人住民とのトラブル

さらに、物件内部だけでなく近隣住民の騒音などに関する相談があれば都度迅速に対応することも必要です。クレームの多くは、相手があることですから大家の業務のなかでも難しい問題といえます。

なお、家賃は銀行振り込みや口座引き落としで入金されるのが一般的です。そのため現在では、集金の手間はなくなっています。しかし、口座を確認して滞納している入居者がいれば督促することが必要です。滞納された家賃は放置すると余計回収しにくくなるため、入金が確認できない場合はなるべく早く入居者に連絡し、早期解決することが求められます。

建物管理

建物の管理は、大別すると「日常的なメンテナンス」「長期的な修繕計画」の2つです。マンションやアパートなどの集合住宅の場合、建物を良好な状態に保つために共用部分の清掃や設備の維持管理を日常的に行う必要があります。

委託管理にした場合は、賃貸管理会社から派遣された管理人や清掃員が日曜・祝日を除く月~土曜日に清掃を行うのが一般的です。そのため、自主管理でも同じようなペースで行う必要があるでしょう。

また、10年ごとなど定期的に建物の大規模修繕工事を実施します。大規模修繕には、まとまったお金がかかるため、実施時期・工事内容について計画を立て資金を準備することが大切です。分譲マンションの場合は、管理組合が長期修繕積立金を毎月徴収するので大家が準備する必要はありませんが、一棟マンションの場合は、大家が自分で準備しなければならないため注意が必要です。

空室が長引いた場合は、空室対策も必要になります。室内の老朽化や設備の陳腐化がある場合は、リフォームや設備交換などを行い、魅力的な物件になるように工夫することが大切です。経費はかかりますが、部屋を一新することでリフォーム前より高い家賃に設定できる場合もあります。

退去手続き

入居者から退去の申し出を受けたら退去日の調整や日割り家賃の精算、敷金の返還などの手続きを行います。また次の入居者を募集するために室内の修繕やクリーニング、設備の交換なども必要です。空室期間中は、家賃が入ってこないため、なるべく早く募集を開始できるように短期間で室内の原状回復を完了させましょう。

室内の原状回復は、大家と入居者のどちらが費用を負担するかでしばしばトラブルになることがあります。トラブルを避けるためには、入居前の部屋の状態を写真に撮っておき退去時の立ち会いで状態を比較して入居者に納得してもらう方法が有効です。不動産仲介会社の担当者にも同時に確認してもらえば、より入居者の納得を得られやすくなります。

どちらの負担か判断に迷う部分は、国土交通省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に判断するとよいでしょう。国が策定した基準を採用することで、入居者の納得を得られる確率も高くなります。なお、原状回復費用については敷金から差し引く形で支払ってもらうのが一般的です。

収支管理・税務申告

不動産投資の収支管理や税務申告も大家の重要な仕事の一つです。1年間の事業が終了すると確定申告という大きな業務が待っています。確定申告を行うには、毎月の帳簿に記帳した収支をまとめることが必要です。家賃や更新料などの入金管理や各種経費・税金の支払いを行い、会計ソフトなどを使って帳簿を付けます。収支がまとまったら確定申告書の作成に進みましょう。

確定申告書は、国税庁のホームページに用意されている「確定申告書等作成コーナー」を利用すると自動計算で作成することができます。入力を間違えない限り計算ミスはないため、大変便利です。できあがった申告書は、以下の3つの方法から選んで提出します。

・合同申告会場や税務署へ持参
・税務署へ郵送
・e-Taxで電子申告

なお青色申告特別控除65万円を受けたい場合は、e-Taxで電子申告することが条件の一つとなるため、導入を検討することが必要です。詳細は、国税庁ホームページ「№2072 青色申告特別控除」に記載されています。

大家(不動産所得者)の収入・所得はどれくらい?

国税庁が行った「令和2年分申告所得税標本調査」によると2020年における不動産所得者の平均所得金額は、540万円でした。前年の520万8,000円に比べると約3.7%増加しています。

大規模な一棟マンションを所有して莫大な収入・所得を得ている人もいれば、区分マンションを所有して副収入を得ている人などさまざまです。不動産投資だけで生活する専業大家を目指すなら、まずは年間の不動産所得500万円を目標にするとよいでしょう。

なお、不動産所得者の所得金額区分の構成割合は、下表のようになっています。

所得区分構成比
100万円以下0.8%
100万円超200万円以下5.3%
200万円超300万円以下7.9%
300万円超500万円以下17.4%
500万円超1,000万円以下29.5%
1,000万円超2,000万円以下21.4%
2,000万円超5,000万円以下12.7%
5,000万円超1億円以下3.3%
1億円超1.8%

専業大家として生活するには年間500万円以上の不動産所得が必要ですが、調査結果を見ると500万円以上の所得がある人は、全体の68.7%を占めています。不動産事業で高収入を得ることは、十分可能なことが調査結果からうかがえるでしょう。

また、年間の不動産所得が500万円以下であっても給与所得者や年金生活者が副収入を得るために賃貸経営を行っている場合は問題ありません。特に年金生活者は、多くの場合ローンを完済しているため、家賃収入から諸経費を引いたほとんどが収入となります。

そのため、年間200万円程度であっても年金の足しにするには十分な所得といえるでしょう。つまり不動産事業は、専業・副業のどちらでも各立場に応じた所得を得ることができる夢と堅実性を兼ね備えた投資方法といえます。

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大家(不動産所得者)が押さえておきたいアパート経営の収入と支出

大家は、アパート経営で発生する収入と支出を把握して資金計画を立てる必要があります。一般的に発生すると思われる収入と支出は、以下の通りです。

アパート経営で得られる収入

収入の項目収入のサイクル収入を得る相手先
家賃毎月入居者
礼金入居時の1回入居者
共益費毎月入居者
更新料一般的に2年に1回入居者
駐車場料金毎月入居者
太陽光発電による売電収入毎月電力会社
自動販売機の売上契約方法による不特定多数

アパート経営における収入の中心は、家賃です。しかし関連する収入として礼金や共益費、更新料、駐車場料金などもあります。敷金は、退去時に精算して返還する必要があるため、収入にはなりません。共益費は、廊下など共用部分の維持にかかる費用を入居者に負担してもらうために徴収します。いったん収入となりますが共用部の水道光熱費などで支出することになります。

礼金と更新料の相場は、家賃1~2ヵ月分が一般的です。ただ近年は、礼金と更新料について受け取らないオーナーもいます。周辺の競合物件が礼金・更新料なしの条件で入居者を募集している場合は、競争力を高めるために合わせるのも選択肢の一つです。家賃関連収入以外では、太陽光発電システムの売電収入や自動販売機の売上などがあります。

太陽光発電システムの売電収入は、検針した月の末日で締めて翌月15日に大家の銀行口座に振り込まれるのが一般的なサイクルです。自動販売機については、場所だけ貸して業務はすべてメーカーに任せるタイプであれば大家の手間はかかりません。電気代の負担のみで売上から何%かのマージンを受け取ることができます。

ただし清涼飲料水やホットドリンクは、季節によって売れ行きの差が大きいため、月によっては赤字になる場合がある点に注意が必要です。

アパート経営で発生する支出

支出の項目支出のサイクル支払い先
ローン返済金毎月金融機関
管理委託料毎月(自主管理の場合は不要)賃貸管理会社
保険料毎月、年払い、一括払いなど保険会社
水道光熱費毎月水道局、電力会社、ガス会社
通信費毎月電話会社、通信会社
不動産仲介手数料入居者が決まるごとに発生不動産仲介会社
広告料特別な広告を出す場合不動産仲介会社
立ち退き料建て替え時のみ入居者
解体費用建て替え時のみ建設会社

アパート経営で定期的に発生する支出は、ローン返済金や賃貸管理会社に支払う管理委託料(委託管理の場合)、保険料などです。アパートは一棟物件のため、共用部の水道光熱費の支出もあります。ローン返済金は、利息のみ必要経費となりますが、キャッシュフローを計算する際は元金を含めて全額を家賃収入から差し引くことが必要です。

管理委託料の相場は、家賃の5%程度が一般的といわれています。管理委託料は、空室の場合でも支払いが必要なため、注意しましょう。大家が加入すべき保険は、火災保険や地震保険のほかに敷地内で人にケガをさせたり物を破損させたりした場合に補償を受けられる施設賠償責任保険があります。火災保険は、火災だけでなく水害、落雷、風災害などでも補償されるのが特徴です。

共用部分の水道光熱費は、入居者から徴収した共益費のなかから支払いを行うため、大家の直接的な支出はありません。

通信費は「インターネット無料」の物件の場合、大家が通信料を負担するケースが多い傾向です。インターネット無料は「入居者に人気の設備ランキング」で毎年1位に選ばれる人気設備となっています。通信料の負担はありますが、その分家賃を高くしても入居者がつきやすいため、大家にとって損のない設備投資といえるでしょう。

また不定期の支出として、入居者を仲介してもらった場合の不動産仲介手数料や広告料などがあります。アパートを建て替えるときは、立ち退き料や解体費用も発生するため、押さえておきましょう。

なお不動産仲介手数料は、最大で家賃の1ヵ月分(税抜き)以内と定められています。広告料は、大家から不動産仲介会社に特別に依頼した場合に発生します。

大家の仕事で業務委託が可能なもの

大家の業務は多岐にわたるため、すべてを一人でこなそうとすると膨大な労力が必要です。そのため、第三者に委託できる部分は委託して、長期安定的な経営を目指すほうが建設的といえます。その代表的な方法が管理の業務委託と税務申告の委託です。委託の概要と費用感を確認しておきましょう。

大家が選べる賃貸管理方法は2つ

物件の管理方法には、自主管理と業務委託の2つがあります。コストを重視するなら自主管理が適していますが、手間や時間の削減を重視して業務委託を選ぶオーナーが多い傾向です

・自主管理
先程確認した大家の仕事をすべて自分で行う方法です。自主管理なら費用はかかりませんが、専門知識が必要で手間や時間もかかります。特に会社員が賃貸経営を副業で行う場合は、入居者からのクレーム対応に応じるために欠勤が必要になるなど、本業の業務に支障をきたす可能性も否めません。

・業務委託
物件や入居者の管理を賃貸管理会社に委託する方法です。大家の仕事のほとんどは委託できます。大家は、退去や家賃滞納、設備の故障などの報告を受けた際に賃貸管理会社からの提案を実行するか判断するだけで済むため、集中して不動産投資に取り組むことができます。

もう一つ大家にとって負担が大きいのが税務関係の業務です。しかし、この業務も税理士に委託できます。税理士に委託すると手間がかからないだけでなく、税務署から指摘されることが少なくなるメリットもあります。なぜなら、専門家が税務申告を行うことで税務署からの信用が高まるからです。

業務委託の費用感

先に紹介したように賃貸管理の委託費用は「家賃×5%」が目安となります。料金体系やサービスの内容は、賃貸管理会社によって異なるため、複数の会社を比較することが大切です。税務申告は、5万円程度から税理士に委託できます。料金は「帳簿作成から確定申告まですべて任せるか」「確定申告のみか」「売上規模・所有物件数」などによって大きく変動する傾向です。

税理士によって得意分野が異なるため、委託するなら不動産投資に精通した税理士を探しましょう。

業務委託先を選ぶときのポイント

賃貸管理会社を選ぶときのポイントは「客付け力が高い」「管理委託費が相場より高くない」「業務内容が幅広い」などです。客付け力が高い会社は、空室が出た場合に早めに次の入居者を見つけてくれるため、頼りになります。ただし管理委託費が相場よりかなり高い場合は、費用対効果をよく見極めたほうがよいでしょう。

なお、税理士を選ぶ際は以下のような点を確認することが大切です。

・不動産投資に精通している
・相性(話しやすさ)
・節税や決算対策の知識が豊富
・サポート体制がしっかりしている
・顧問料が相場より高くない
・違法性のある提案をしない など

不動産会社の担当者と同様に税理士も話しやすい相手であることは重要です。聞きにくい雰囲気があると大切なことを確認漏れする可能性があります。もちろん、税務に関する知識の豊富さやサポート体制、違法性のある提案をしない法令遵守の姿勢なども見るべきポイントです。顧問料が相場よりかけ離れて高い場合は、他の税理士を選んだほうがよいでしょう。

大家が他人任せにせずに注力すべき領域

初心者の場合は、不動産会社や賃貸管理会社の力を借りたほうが不動産投資で成功しやすいでしょう。ただし他人任せにしてはいけない仕事もあります。ここでは、大家が自ら注力すべき領域について解説します。

不動産会社と賃貸管理会社の選定

不動産会社と賃貸管理会社は、自分で選ぶことが大切です。不動産投資で成功できるかは、物件選びと賃貸管理にかかっています。初心者が自分で優良物件を見つけるのは難しいため、不動産会社に物件を紹介してもらうのが確実です。ただし不動産会社から紹介される物件がすべて優良物件とは限りません。

一般的には優良物件といえる物件でも「予算が合わない」「投資したいと思えない」といったケースもあるでしょう。また、会社や担当者と相性が合わないこともあります。投資物件を探すときは、複数の不動産会社にアプローチして自分に合った提案をしてくれる会社・担当者を見つけることが大切です。

賃貸管理会社も、会社ごとに実績や料金、サービス内容が異なります。単に料金が安いだけで選んでしまうと、「なかなか空室が埋まらない」「入居者のクレームに対処してもらえない」といったことになりかねません。賃貸管理に問題があると入居者の満足度が下がり、空室率の上昇につながる恐れもあります。

料金の安さも重要ですが入居率や管理戸数などの実績、サービス内容、評判なども考慮して信頼できる賃貸管理会社を探しましょう。

物件選びと売却の判断

初心者の場合は、不動産会社から紹介してもらうほうが優良物件に出会える確率が高いでしょう。また不動産会社の提携ローンを利用すれば初めての物件購入でも融資交渉をスムーズに進められます。ただし投資判断(物件購入、売却)は、不動産会社任せにせず自分で行うことが大切です。不動産会社は、将来の利益までは保証してくれません。

投資成果については、オーナーがすべての責任を負うことになります。不動産投資の損益は、物件選びや売却判断に大きく左右されるため、他人任せにせずに自分で決断しましょう。

まとめ

大家の仕事は、入居者募集や賃貸借契約、家賃の回収、退去手続きなど多岐にわたります。専門知識が必要で手間や時間もかかるため、初心者が自主管理を行うのは現実的ではありません。大家の業務のなかでも特に負担が大きい物件の管理と税務申告を業務委託することで、初心者でも安心して賃貸経営に取り組むことが可能です。

一方で不動産会社・賃貸管理会社の選定や物件の購入・売却など大家が他人任せにせず注力すべき業務もあります。そのため、大家の業務負担を軽くして不動産投資に集中できる環境を整えることが大切です。不動産投資で成功するためにも業務委託で負担軽減を図りながら投資判断など大家がやるべき重要な仕事に注力しましょう。

大家の仕事内容に関するよくある質問

Q.専業大家を目指すにはいくらあればいい?

年間の不動産所得が500万円以上必要だといわれています。

Q. 大家自身がやるべきことは?

物件を紹介する不動産会社や賃貸管理を担う賃貸管理会社を選ぶこと、物件選びと売却のタイミングを判断することなどです。

Q. 大家の収入はどれくらい?

国税庁が行った「令和2年分申告所得税標本調査」によると大家(不動産所得者)の2020年における不動産所得金額は平均で540万円(前年より19万2,000円増加)でした。専業大家として生活できる500万円以上の所得がある人が全体の68.7%を占めています。

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