大家の仕事内容とは?委託可能な業務や費用感、注力すべき領域について解説
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大西 勝士
大西 勝士
フリーランスの金融ライター(AFP、2級FP技能士)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。

マンションやアパートといった収益物件を購入すると毎月家賃を得られる一方で大家としての仕事も発生します。不動産投資の経験がない場合は、大家の仕事といっても内容がよくわからないのではないでしょうか。大家には、さまざまな仕事がありますがその多くは委託できるため、副業として取り組むことも可能です。

今回は、大家の仕事内容や委託可能な業務、注力すべき領域について詳しく解説します。

目次

  1. 大家の仕事内容とは
    1. 投資物件の選定・購入、売却
    2. 入居者募集・賃貸借契約
    3. 入居者対応
    4. 建物管理
    5. 退去手続き
    6. 収支管理・税務申告
  2. 大家(不動産所得者)の収入・所得はどれくらい?
  3. 大家の仕事で業務委託が可能なもの
    1. 業務委託の費用感
  4. 大家が他人任せにせずに注力すべき領域
    1. 不動産会社と賃貸管理会社の選定
    2. 物件選びと売却の判断
    3. 確定申告
  5. まとめ
  6. 大家の仕事内容に関するよくある質問
    1. Q.専業大家を目指すにはいくらあればいい?
    2. Q. 大家自身がやるべきことは?

大家の仕事内容とは

大家の仕事には、主に以下のような業務があります。

投資物件の選定・購入、売却

投資物件の選定・購入は、正確には大家になるための仕事といえるかもしれません。物件選びは、不動産投資の成功を左右する重要な要素といえます。優良物件の数は、多くないため、自分に合った物件を見極めることが大切です。事業規模の拡大や経営の安定化のために物件の追加取得や売却が必要な場面も出てきます。借り入れを利用して物件を取得する場合は、金融機関との融資交渉も必要です。

入居者募集・賃貸借契約

不動産投資は、収益物件を取得しても入居者がいなければ家賃が入ってきません。退去が発生すれば空室を埋めるために次の入居者を探すことが必要です。家賃や敷金・礼金などの諸条件を決めて不動産仲介会社に入居者募集を依頼する際は「どのように広告を出すかを決める」「入居希望者の内覧に対応する」といった業務が発生することもあります。

入居者を選定する場合は、家賃滞納の恐れがないかなど属性を審査したうえで賃貸借契約の締結が必要です。

入居者対応

入居者がいる間は、毎月家賃を回収しなくてはなりません。入金が確認できない場合は、なるべく早く入居者に連絡し家賃滞納を防止することが大切です。また入居者から室内設備の故障・交換や近隣住民の騒音などに関する相談があれば都度迅速に対応する必要があります。

建物管理

マンションやアパートなどの集合住宅の場合、建物を良好な状態に保つために共用部分の清掃や設備の維持管理が必要です。また10年ごとなど、定期的に建物の大規模修繕工事を実施します。大規模修繕には、まとまったお金がかかるため、実施時期・工事内容について計画を立て資金を準備することが大切です。

退去手続き

入居者から退去の申し出を受けたら退去日の調整や日割り家賃の精算、敷金の返還などの手続きを行います。また次の入居者を募集するために室内の修繕やクリーニング、設備の交換なども必要です。空室期間中は、家賃が入ってこないため、なるべく早く募集を開始できるように短期間で室内の原状回復を完了させましょう。

収支管理・税務申告

不動産投資の収支管理や税務申告も大家の重要な仕事の一つです。家賃や更新料などの入金管理や各種経費・税金の支払いを行い、会計ソフトなどを使って帳簿を付けます。また1年間の収支をまとめて不動産所得と所得税額を計算し確定申告を行うことも必要です。

大家(不動産所得者)の収入・所得はどれくらい?

金融庁が公表している「令和元年分申告所得税標本調査」によると2019年における不動産所得者の平均所得金額は、521万円でした。大規模な一棟マンションを所有して莫大な収入・所得を得ている人もいれば区分マンションを所有して副収入を得ている人などさまざまです。不動産投資だけで生活する専業大家を目指すならまずは年間の不動産所得500万円を目標にするといいでしょう。

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大家の仕事で業務委託が可能なもの

所有物件の賃貸管理方法は「自主管理」「業務委託」の2つがあります。

・自主管理
先程確認した大家の仕事をすべて自分で行う方法です。自主管理なら費用はかかりませんが、専門知識が必要で手間や時間もかかります。

・業務委託
賃貸管理を管理会社に委託する方法です。大家の仕事のほとんどは委託できます。オーナーは、退去や家賃滞納、設備の故障などの報告を受けた際に賃貸管理会社からの提案を実行するか判断するだけで済むため、不動産投資に取り組むことも可能です。なお帳簿作成や税務申告については、税理士に委託できます。

業務委託の費用感

賃貸管理の委託費用は「家賃×5%」が目安といえるでしょう。料金体系やサービスの内容は、賃貸管理会社によって異なるため、複数の会社を比較することが大切です。税務申告は、5万円程度から税理士に委託できます。料金は「帳簿作成から確定申告まですべて任せるか」「確定申告のみか」「売上規模・所有物件数」などよって大きく変動する傾向です。

税理士によって得意分野が異なるため、委託するなら不動産投資に精通した税理士を探しましょう。

大家が他人任せにせずに注力すべき領域

初心者の場合は、不動産会社や賃貸管理会社の力を借りたほうが不動産投資で成功しやすいでしょう。ただし他人任せにしてはいけない仕事もあります。ここでは、大家が自ら注力すべき領域について説明します。

不動産会社と賃貸管理会社の選定

不動産会社と賃貸管理会社は、自分で選ぶことが大切です。不動産投資で成功できるかは、物件選びと賃貸管理にかかっています。初心者が自分で優良物件を見つけるのは難しいため、不動産会社に物件を紹介してもらうのが確実です。ただし不動産会社から紹介される物件がすべて優良物件とは限りません。

一般的には、優良物件といえる物件でも「予算が合わない」「投資したいと思えない」といったケースもあるでしょう。また会社や担当者と相性が合わないこともあります。投資物件を探すときは、複数の不動産会社にアプローチして自分に合った提案をしてもらえる会社・担当者を見つけることが大切です。賃貸管理会社も、会社ごとに実績や料金、サービス内容が異なります。

単に料金が安いだけで選んでしまうと、「なかなか空室が埋まらない」「入居者のクレームに対処してもらえない」といったことになりかねません。賃貸管理に問題があると入居者の満足度が下がり、空室率の上昇につながる恐れもあります。料金の安さも重要ですが入居率や管理戸数などの実績、サービス内容、評判なども考慮して信頼できる賃貸管理会社を探しましょう。

物件選びと売却の判断

初心者の場合は、不動産会社から紹介してもらうほうが優良物件に出会える確率が高いでしょう。また不動産会社の提携ローンを利用すれば初めての物件購入でも融資交渉をスムーズに進められます。ただし投資判断(物件購入、売却)は、不動産会社任せにせず自分で行うことが大切です。不動産会社は、将来の利益までは保証してくれません。

投資成果については、オーナーがすべての責任を負うことになります。不動産投資の損益は、物件選びや売却判断に大きく左右されるため、他人任せにせずに自分で決断しましょう。

確定申告

確定申告を自分で行うと不動産投資の仕組みや税務に対する理解が深まり税理士報酬の節約にもなります。所有物件が少ないうちは、税理士報酬を払うと利益がほとんど残らないこともあるため、なるべく自分で確定申告をするのが理想的です。どうしても自分で確定申告をするのが難しい場合は「帳簿だけは自分で作成する」など税理士報酬を下げる工夫をしましょう。

まとめ

大家の仕事は、入居者募集や賃貸借契約、家賃の回収、退去手続きなど多岐にわたります。専門知識が必要で手間や時間もかかるため、初心者が自主管理を行うのは現実的ではありません。不動産投資で成功するためにも業務委託で負担軽減を図りながら投資判断などの重要な仕事に注力しましょう。

大家の仕事内容に関するよくある質問

Q.専業大家を目指すにはいくらあればいい?

年間の不動産所得が500万円以上必要だと言われています。

Q. 大家自身がやるべきことは?

物件を紹介する不動産会社と賃貸管理を担う賃貸管理会社を選ぶことや、物件選びと売却のタイミングを判断すること、確定申告を行うことです。