副業ブームの日本!サラリーマン大家になるなら覚えておきたいこと
(画像=beeboys/Shutterstock.com)

政府が進める働き方改革の影響から、副業を始める人が増えています。会社もかつてに比べ、社員の副業を認める方向に傾いているのも要因の1つです。そこで副業として不動産経営をする「サラリーマン大家」が注目を集めています。サラリーマン大家になるとどのようなメリットがあるのでしょうか。また、注意すべき点は?サラリーマン大家になるなら覚えておきたいことをまとめます。

目次

  1. 1.そもそもサラリーマン大家とは?
  2. 2.元々土地を持っている人が有利
  3. 3.サラリーマン大家になるメリット
    1. 3-1.銀行からの融資が通りやすい
    2. 3-2.給与所得と不動産収入との損益通算で節税できる
  4. 4.不動産投資のメリット
    1. 4-1.レバレッジ→融資で投資可能
    2. 4-2.管理会社に依頼すれば手間がかからない
    3. 4-3.本業に支障が出ないので副業が認められやすい
    4. 4-4.インフレ対策になる
    5. 4-5.生命保険、年金の代わりになる
  5. 5.サラリーマン大家になる際に留意すべき点
    1. 5-1.セカンドオピニオンを求める
    2. 5-2.リスクが何かを理解する
    3. 5-3.不動産投資の知識を蓄える
  6. 6.成功したらどうなる?失敗したらどうなる?
  7. 7.老後のことも考えつつトライするか検討を

1.そもそもサラリーマン大家とは?

「サラリーマン大家」とは、その名称の通り、どこかの企業や団体などに勤めながら不動産投資や不動産経営をしている人のことを指します。一般的な不動産投資と同様、「新築物件と中古物件のどちらを購入するか」「一戸建てとマンションのどちらにするか」「マンションであれば1棟買いと区分所有のどちらにするか」などの選択肢があります。

2.元々土地を持っている人が有利

「サラリーマン大家を始めよう」というとき、元々土地を持っている人はとても有利です。なぜなら、マンションやアパートを建てる際に、改めて土地を購入する必要がないからです。親などが保有していた土地を相続したタイミングで、企業勤めをしながらサラリーマン大家になることを考え始める人などがこのケースに該当します。
不動産投資に元々興味があった人であれば、古くなった住宅を取り壊して、そこに新たにアパートやマンション建築を考える人もなかにはいるでしょう。ただ、この場合、相続で受け継いだ土地がアパートやマンション経営に適した立地であるとは限りません。これから土地を購入しようとする人とは違い、すでに土地の場所が決まってしまっていることは、時には不利に働くことになる可能性があるので注意が必要です。その場合は今ある土地を売却して、賃貸需要の高い土地への組み換えも視野に入れましょう。

3.サラリーマン大家になるメリット

不動産経営を行う場合、専業で行うか、サラリーマンを続けながら副業で行うかは置かれた状況によって異なるでしょう。もしサラリーマン大家を選んだ場合は、どのようなメリットがあるのでしょうか。おもに以下の2つが考えられます。

3-1.銀行からの融資が通りやすい

サラリーマン大家は、銀行からの融資が通りやすいといえます。サラリーマンとしての収入があるため、ほかに収入のない専業大家よりも貸し倒れリスクが小さいと考えられるからです。不動産投資は銀行融資を利用して大きな物件を運用できるのがほかの投資にはないメリットですので、サラリーマン大家はその分優位に立っているといえます。

3-2.給与所得と不動産収入との損益通算で節税できる

サラリーマン大家になると、税制面でもメリットがあります。万一、不動産経営が赤字だった場合、給与所得と損益通算ができ、節税することができます。損益通算とは、2つ以上の所得(事業所得または不動産所得)がある人で、事業の赤字分を給与所得と合算して計算できる制度です。不動産所得が赤字になっても給与所得の課税額が小さくなるので、結果的に損にならないというメリットがあります。

4.不動産投資のメリット

不動産投資は他の投資に比べてメリットが多い投資方法です。代表的なメリットとして、以下のような点が挙げられます。

4-1.レバレッジ→融資で投資可能

不動産投資はレバレッジを利用することにより、少ない資金で大きな物件を運用することができます。レバレッジとは「てこ」という意味で、例えば3,000万円の物件を頭金1,000万円で購入すれば、3倍のレバレッジを効かせたことになります。では、融資を受けず自己資金1,000万円のみで物件を購入した場合と3倍のレバレッジを効かせた場合の利益の差を比較してみましょう(諸経費は除外)。

A 自己資金1,000万円で1,000万円のマンションを購入し、利回り10%で運用した場合。

1,000万円×10%-借入利息0=100万円の利益

B 自己資金1,000万円で3,000万円のマンションを融資金利3%で購入し、利回り10%で運用した場合。

3,000万円×10%-借入利息60万円=240万円の利益

Bは借入利息の支払いはあるものの、借入しないAよりも多く利益を得ることができます。これがレバレッジ効果を利用する大きなメリットです。

4-2.管理会社に依頼すれば手間がかからない

忙しいサラリーマン大家が自分で物件を管理することは困難です。自分でトラブルに対応していたら本業にも影響が出てしまいます。その問題は管理会社に依頼することで解決できます。不動産管理手数料の相場は一般的に家賃の5%に設定している会社が多いようです。

管理会社には、「仲介と管理業務を行う会社」「仲介業務だけを行う会社」「管理業務だけを行う会社」の3つの種類があります。「仲介と管理業務を行う会社」はすべての業務を1社で行っているので、大家にとっては手間がなく便利です。

4-3.本業に支障が出ないので副業が認められやすい

本業に支障が出ないので会社から副業として認められやすいのもメリットです。上述したように、管理会社に依頼すれば管理の手間はないので、その旨を会社に説明すれば許可を受けられる可能性は高いと思われます。会社勤めをしながら、副業としてマンションなどを経営するため、「サラリーマン大家」と呼ばれるのです。

4-4.インフレ対策になる

不動産投資はインフレ対策にもなります。物価が上昇してインフレが起こると、現金や預貯金などの金融資産は価値が目減りします。一方で、不動産投資は物価が上昇すれば不動産価格も上がっていくので、価値が目減りすることはありません。

4-5.生命保険、年金の代わりになる

「不動産投資が生命保険や年金の代わりになる」というのはよく聞く話です。不動産投資ローンを利用すると団体信用生命保険(団信)に加入するため、万一契約者が死去した場合は残ったローンの支払いが免除になります。これが生命保険の代わりになるといわれる理由です。

また、不動産投資ローンを完済すれば、毎月の家賃がそのまま収入になり、実質的に個人年金を受け取るのと同じ効果を得ることができます。

5.サラリーマン大家になる際に留意すべき点

サラリーマン大家になる際に留意すべき点を確認しておきましょう。サラリーマン大家の場合は本業があるため、副業である不動産は二次的なものと考える危険があります。確かに基本的な生活費は給与で賄えるため、不動産経営のリスクは小さいかもしれません。しかし、不動産経営が赤字になれば、給与から補填しなければならない場合もあるのです。以下の点に留意しながら、しっかりしたビジョンを持った上で始めるようにしましょう。

5-1.セカンドオピニオンを求める

不動産投資では、自己判断だけでなくセカンドオピニオン(よりよい決定をするために、もう一人の意見を聴くこと)を求めることも大事です。家賃の決定などは代表的な例でしょう。自分ではなるべく高い家賃を設定したいところですが、家賃には適正な水準というものがあります。専門家である不動産会社は周辺の家賃相場に精通しているので、家賃を下げたら入居が決まりやすいとアドバイスを受けた場合は従ったほうがよいでしょう。

5-2.リスクが何かを理解する

不動産に限らず、経営においてリスク管理は極めて重要です。現物不動産投資の最大リスクは「空室」で、アパート、マンション、オフィスビル、テナントビル、駐車場いずれも共通しています。ローンを組んで不動産を購入した場合は、毎月の賃料でローンを返済します。そのため、区分所有の場合は、空室が出れば家賃収入がなくなるので、返済は預貯金を取り崩して行わなければなりません。

一棟所有の場合は10戸のマンションなら、1戸空室が出てもほかの9戸は稼働しているので、収入がなくなることはありません。その意味では一棟所有よりも区分所有のほうがリスクは高いと考えるべきでしょう。

5-3.不動産投資の知識を蓄える

運営を管理会社に委託する場合でも、サラリーマン大家として不動産投資の知識を蓄えることは必要です。不動産投資の以下のような点について学んでおくと役に立つ場合があります。

・金融知識

不動産は全額自己資金で購入するのは稀で、金融機関から融資を受けることがほとんどでしょう。そのため、ローンが確実に返せる資金計画を立てなければなりません。不動産の投資利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあります。

表面利回りは、満室想定年収÷物件価格、
実質利回りは、(想定年間収入-運営経費)÷(物件価格+購入時諸経費)
で計算します。

確実に返済できる資金計画を立てるには、実質利回りで計算しなければなりません。不動産投資では投資利回りと借入金の金利差を「イールドギャップ」といいます。適正なイールドギャップの水準は新築物件で5%程度といわれていいます。そこで、融資金利が3%であれば実質利回りは8%以上あると安全な投資であると計算できます。もし、金融知識が乏しく、単純に表面利回りで計算すると、あとから必要経費を引いたときにそれほど余裕がないという事態になりかねません。その意味で金融知識を蓄えておくことは極めて重要なのです。

・税務知識

顧問税理士に依頼するとしても、大家に基本的な税務の知識があれば、専門家から意見を聴くときも理解しやすいでしょう。サラリーマン大家が、区分所有で1戸だけ賃貸経営している程度なら自分で税務をこなすケースも考えられます。

今まで給与収入だけで、会社に年末調整してもらっていた大家は、そこに不動産収入が加わります。もし不動産経営が赤字なら、給与所得と損益通算できますので、所得税が安くなる場合があります。税務の知識を蓄えておけば、不動産経営をより有利に運営できることもあるのです。

・家賃相場

「この地区ならいくらの家賃がふさわしいか」という相場観を養うことは大事です。インターネットで検索して調べるのもよいですが、地元の不動産会社の店舗を回って、街の探索を兼ねるほうが勉強になるかもしれません。

6.成功したらどうなる?失敗したらどうなる?

サラリーマン大家として不動産投資・不動産経営に成功すると、本業よりも良い収入を得られることもあります。30代、40代ごろから不動産投資を始めて軌道に乗った場合、定年退職するときには老後の資金を十分に確保できているでしょう。そのため、定年後は貯金や年金だけをあてにするので
はなく、不動産経営による定期収入で老後の生活を安定的にすることも可能です。

ただ、サラリーマン大家になったとしても当然失敗する可能性もあります。目立つ失敗例の一つが、本業の忙しさゆえに物件選びの段階で十分に時間をかけず、結果として良い物件を選ぶことができなかったという事例です。もちろん、サラリーマン大家であれ、そうでない場合であれ、不動産投資にはリスクがつきものです。サラリーマン大家の中には、返済金額が家賃収入を上回ってしまい、本業のサラリーマンとしての給料を返済の不足分にあてている人もいます。

7.老後のことも考えつつトライするか検討を

不動産投資は、行う人によって、自己資金や忙しさ、保有している土地の有無などに違いがあります。そのため、あなたがサラリーマン大家になったほうが良いかどうかに正解はありません。失敗のリスクを小さくするためにも、サラリーマン大家になるときの留意点や失敗例などをしっかり確認することを心がけておきましょう。

老後の生活が2,000万円不足するという社会的問題が取り沙汰されていますが、家賃収入でローンを返済できる不動産投資は有効な解決策です。老後のことも考えつつトライしてみるのもよいのではないでしょうか。

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