競売物件で不動産投資のメリット&デメリット 割安は本当か?
(画像=nep0/Shutterstock.com)

最近の不動産市場は、大都市を中心に高騰・高止まりの傾向です。割安な物件がなかなか見つからないため「競売を利用できないか?」と考える投資家もいるでしょう。しかし、競売物件はリスクが高いため、十分注意する必要があります。メリット・デメリットを完全に理解したうえで検討すべきでしょう。

競売情報の収集から権利取得までのステップ

最近では、競売物件検索サイトを使えば、誰でも簡単に全国の競売情報を入手できます。代表的な競売物件検索サイトには、「BIT」や「981.jp」などがあります。これらはスマホでも手軽に閲覧でき、エリアの絞り込みなども比較的スムーズにできます。

では、競売物件を手に入れるまでの流れをざっと整理しておきましょう。

  1. 入札
  2. 開札
  3. 売却許可決定
  4. 代金納付
  5. 所有権移転
  6. 引渡命令・明渡執行の申立

最低入札価格は、あらかじめ決まっています。それ以上の金額で入札を行い、最も高い価格だった人が「最高価買受申出人」となり、所有権移転の権利を得ます。

競売不動産を購入するメリット

市場取引価格がかなり割安(なこともある)

デメリットの部分で詳しく説明しますが、競売物件にはさまざまなリスクがあります。そのため、市場価格と比べて評価額が割安になっているケースが多いです。

ただし、すべての競売物件が割安なわけではありません。たとえば、流動性のほとんどない過疎地域の物件は、競売物件の基準をもとに評価されたものの、誰も入札しないケースもあります。なお、期間入札で落札されなかった競売物件は、先着順で買い受けることができます(開札期日の翌開庁日から5開庁日の間)。

希少価値が高い物件もある

一般の不動産会社では取り扱わないような、希少性が高い物件もあります。たとえば、築数百年の古民家などを競売で購入し、改装してカフェにしたというケーススタディーもあります。

競売不動産を購入するデメリット

元の持ち主が住んでいることもある

競売物件には、一般的な不動産の常識が通用しません。たとえば、所有権を手に入れた段階でも、元の持ち主が住んでいるケースもよくあります。立ち退き交渉や強制執行は、買受人(落札者)が行わなくてはなりません。こういった問題を粘り強く解決に導ける胆力がある人でないと、競売物件は難しいでしょう。

内見や設備確認ができない

入札時に競売物件の内部を見ることはできませんが、入札開始時に提供される「3点セット(※)」と呼ばれる資料で、物件の概要や内部の様子はある程度わかります。しかし、細かい部分は所有権を移転した後、実際に訪問するまでわかりません。そのため、「実物を見てみたらイメージと違う」ということが起こりやすいのです。

※3点セット:物件明細書、現況調査報告書、評価書

法律の知識がないと取り扱えない

競売物件には、一般に流通する不動産とはかけ離れた条件のものもあります。よくあるのが、共有名義の不動産が競売にかけられているケースです。落札して一部の持ち分を入手しても、他の名義人の同意がなければ物件を自由にできません。この場合、調整には相当の手間と時間がかかるケースが多いです。

安い価格には理由がある

競売物件にはさまざまなリスクがあるため、購入は余剰資金で行うべきです。立ち退きに時間や手間がかかるかもしれませんし、投資用物件として再生するには予想以上に費用がかかるケースもあります。

価格が安いということは、安いだけの理由があるのです。「競売物件を利用すれば、少ないコストで運用できる」といった安易な考えは捨てるべきでしょう。

素人が単独で競売に手を出すのはリスクが高いです。この分野に詳しい不動産会社や専門機関、弁護士などのサポートを受けて入札するのが賢明です。