外商顧客
(画像=Kiselev Andrey Valerevich/Shutterstock.com)

特別な顧客だけに訪問・掛け売り販売を行う、百貨店の外商顧客制度をご存知でしょうか。一部のエグゼクティブにだけ許された、贅沢な「外商顧客のお買い物」の実態に迫ります。

外商顧客は古くからある制度

「外商顧客」の歴史は古く、全国を掛け売りで行商した高野山の僧「高野聖」を起源に、江戸時代の呉服屋の大店が行った掛け売りが始まりといわれています。その後、三越呉服店による現金掛け値なしの「百貨店宣言」が行われましたが、帳簿を元に上顧客にのみ掛け売りをする形態が残り、それが今日の外商顧客につながっているといいます。

現金と商品をその場で交換するのではなく、しばらく後に回収する掛け売りは、大店であっても信用できる顧客にしかできませんでした。今日の百貨店でも、外商顧客は各百貨店の基準をクリアした富裕層のみとされています。

外商顧客になると特別なことがたくさんある!

顧客先を訪問する外商担当者は、顧客のライフスタイルや好みを把握して商品を提案します。販売する商品は貴金属や美術品、ハイブランドのアパレル商品など、高級品を中心として多岐にわたります。一般の顧客が購入できない超高額な商品を自分の好みに合わせて外商営業が訪問販売してくれたり、外商顧客向けのイベントや旅行などが用意されていたりと、店舗では提供されないサービスが豊富に用意されているのです。

顧客側の要望に合わせてあらゆるものを手配する「御用聞き」サービスもあります。百貨店の外商に買えないものはないと言われる時代もあったほど、百貨店の外商は顧客のニーズに合わせて柔軟なサービスを展開しています。

外商顧客になるためには