投資をするうえで、有名な投資家の手法を参考にする、あるいは真似ることは成功への近道であるように感じます。しかし、すでに成功している投資家が語る言葉には生存者バイアスと認知バイアスがかかっているかもしれません。またこれまで自分が「必勝パターン」と信じて行ってきた行動にも思い込みや勘違いが含まれていることもあります。常に客観的な視点を持ち、冷静かつ的確な判断を行うために知っておきたい「生存者バイアス」と「認知バイアス」について解説します。
生存者バイアスとは
生存者バイアスとは、一言でいうと「成功事例のみを基準とするかたよりのある判断」のことです。投資でいえば、結果的に大きく利益をあげた際のものの見方や判断の方法のみを基準として、損失を出してしまった際の見方や判断について見逃がしてしまうことで「失敗の原因を突き止め次回に活かせない」という事態が起こります。
また、生存者バイアスにかかった意識下では、成功の要因さえも都合よく捉えてしまい、そのために失敗を呼び起こしてしまうこともあるのです。
例えば、とある証券会社が「当社の投資信託は日経平均の上昇率を上回る20%の利回り」と触れ込んでいたとします。「利回り20%なら買ってみようか」と考える方も多いでしょう。しかしこの平均の中に、運用成績が悪く解散した投資信託が含まれていないのだとしたら、話は変わってきます。
解散した投資信託の運用成績まで含めて平均の運用益を出して、初めて「生存者バイアス」にかかっていないその証券会社の運用の実力が見えてくるのです。
認知バイアスとは
生存者バイアスに加えて、認知バイアスも投資家の判断を狂わせます。認知バイアスとは、簡単に言えば「なんでも自分の都合のいいように捉えてしまう」思考のかたよりのことです。生存者バイアスよりも主観的で、認知バイアスにかかった状態では客観的で冷静な判断ができなくなってしまいます。
認知バイアスの中でも、投資家にマイナスの影響を与えるのが正常性バイアスと自信過剰バイアスです。
正常性バイアスで損切りのタイミングを失う
正常性バイアスでは、異常事態が起こってもそれを異常と考えられずに正常の範囲内と思い込んでしまいます。この状態にあると、実際は楽観視できない状況なのにもかかわらず、異常を認識できずに「まだ大丈夫」とリスクを放置してしまいます。
市場が大きく傾いた際でも「数日でおさまるだろう」「まだ大丈夫」と損切りせずに放置してしまい、結果的に大損失を招いてしまうこともあります。
自信過剰バイアスで過剰な取引をしてしまう
この状態に陥ると、「自分は判断を誤ることがない」と過信してしまい、現状を正確に把握できなくなってしまいます。これまでに投資で優秀な成績を収めてきたから大丈夫、有名な投資家の手法を真似ているから大丈夫と自信過剰な状態が「過剰投資」を招き、結果損失につながってしまうことがあります。
先入観は危険!バイアスを取り払って冷静な投資を
感情を持つ人間にとって、データだけを見て冷静かつ客観的に投資判断を行うのはなかなか難しいものです。自分だけの経験や知識、感情にとらわれないように、時には投資のプロやAIのアドバイスを参考にしてみることも検討してみましょう。
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