NISA(ニーサ)の制度が改定されて充実する一方で、2023年12月31日で廃止されることになった「ジュニアNISA」。なくなるとはいえ、非課税で資産形成ができる有利な制度であることには変わりありません。子どものために、開始を検討してみてはいかがでしょうか。
NISA、ジュニアNISAとは
一定の金額の範囲内で購入した株や投資信託の売却益に対して、通常は約20%かかる税金が非課税になる制度が「NISA(少額投資非課税制度)」です。NISAは、「一般NISA」と「つみたてNISA」に分かれており、それぞれ上限額や非課税となる期間、非課税対象の金融商品が異なります。いずれにしても、投資をするなら使わない手はありません。
NISAは20歳以上の人しか口座を開設できませんが、0~19歳の未成年が利用できる「ジュニアNISA」もあります。
「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の違い
制度の名前 | NISA | ジュニアNISA | |
一般NISA | つみたてNISA | ||
開設できる年齢 | 日本に住む20歳以上の人 | 日本に住む0~19歳の人 | |
非課税対象 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益 | 一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益 |
非課税投資枠 | 毎年120万円 | 毎年40万円 | 毎年80万円 |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長20年 | 最長5年間 |
運用管理者 | 口座開設者本人 | 口座開設者本人 | 口座開設者本人(未成年者)の両親・祖父母等 |
備考 | ・2024年からは「新NISA(仮)」としてリニューアルされる | ・投資対象となる投資信託は限定されている | ・18歳までは払い出し制限あり ・2023年で廃止 |
ジュニアNISAの基本的な仕組みはNISAとほぼ同じですが、非課税枠が80万円とやや少なくなっています。非課税期間は5年間です。株や投資信託の運用は未成年本人が行うのではなく、代わりに親や祖父母などが行います。それ以外でNISAと大きく異なる点は、「原則として、18歳になるまで口座の資金を払い出しできない」ことです。
ジュニアNISAは、子どもの将来のために中長期にわたって資産形成をするための制度なので、途中で払い出せないようになっているのです。「原則として」となっているのは、払い出しができるものの、その場合は「課税」されてしまうからです。NISAの最大のメリットである非課税の恩恵を受けるためにも、一度口座を開設したら18歳になるまでは運用を継続するべきでしょう。
18歳になると、非課税で払い出すことができます。また20歳になると、自動的に通常のNISA口座に移行します。
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ジュニアNISAは2024年に廃止 その後はどうなる?
ジュニアNISAは、2023年12月31日をもって廃止されることが決まっています。したがってジュニアNISA口座を開設する場合は、それまでに手続きを行う必要があります。
ジュニアNISA口座を開設した後、2024年を迎えるとどうなるのでしょうか。2024年以降は、各年の非課税期間(5年間)が終了した金融商品は「継続管理勘定」に移管されます。「継続管理勘定」とは、口座開設者が20歳になるまで金融商品を保有しておく口座のこと。「継続管理勘定」に移管された資産は売却することはできますが、新規の買付をすることはできません。
口座開設者が20歳になると、「継続管理勘定」の金融商品が通常の課税口座に移されます。
ジュニアNISAが終了する2023年12月31日までに、口座開設者が20歳になった場合はどうなるのでしょうか。この場合は自動的にNISA口座が開設され、そこに資産が移管されます。この時、一般NISAかつみたてNISAを選択できます。そして、20歳以降も引き続きNISA口座の運用を行うことができます。
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株価が下落している今こそスタートするチャンス
新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界経済が大きなダメージを受け、株式市場も暴落しています。しかし相場は、“下がったらいつかは上がるもの”と言われています。この混乱がいつ終わるのかはわかりませんが、一度下がった株価も経済の混乱が収まるにつれて戻っていくと思われます。このような株価低迷の時期こそ、投資を始めるチャンスと言えます。
投資をして利益を得ると通常は約20%の税金がかかりますが、NISAなら非課税です。子どもや孫のための投資であれば、頻繁に売買するのではなく、時間を味方に付けた中長期運用をすることが大切です。その点で、ジュニアNISAは非常に有利な制度と言えます。
年間80万円の範囲であれば、贈与税もかかりません。今のような時期こそ、ジュニアNISAでの投資を検討するべきではないでしょうか。
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