固定資産税,不動産オーナー,対策
(画像=tanu/stock.adobe.com)

ここ数年、「固定資産税の過払い」がメディアで取り上げられることが多くなりました。なかなか是正されない固定資産税の徴収ミスで損をしないために、オーナー側はどのような対策を講じるべきでしょうか。

2018年度の固定資産税の過払いが話題に

昨年末、2018年度分の固定資産税の過払いが全国で14万件発生し、これによる還付総額が70億円を超えたことが明らかになりました。数年前から固定資産税の徴収ミスは問題視されていましたが、2018年度の過払い件数と還付額は過去最高となりました。徴収ミスが最も多かったのは、東京都23区です。

固定資産税の課税対象は、主に家屋と土地です。徴収ミスの原因はそれぞれ異なりますが、自治体や担当者の基準や力量によるところが大きいと言えます。

家屋の徴収ミスの原因の多くは「実態を把握していない」

家屋の徴収ミスの最大の原因は、「役所が実態を正確に把握していない」ことです。総務省が全自治体を調査したところ、2012年度から2015年度までの間に税額修正を行った家屋の課税ミスの原因の30.3%は「家屋滅失の未反映」、28.2%は「新増築家屋の未反映」、15.8%が「不正確な評価額」でした。家屋に何らかの変化があったときに徴収ミスが生じやすいことがわかります。

土地の徴収ミスの原因の多くは「認識の誤り」

一方、土地の徴収ミスの原因については30.3%が「不正確な評価額」、26.0%が「負担軽減の適用ミス」、13.4%が「土地の種類の認定誤り」でした。賃貸物件のような居住用物件については税額軽減措置がありますが、それが反映されていないといったミスが多いようです。

固定資産税で還付を受けるためのチェックポイント2つ

このような過払いを防ぐためには、固定資産税の納付書が届いたとき、以下の2点をチェックする必要があります。

評価額は適正か

まず注意したいのが、「固定資産税の課税標準である評価額は適正か」です。評価額は3年ごとに見直しが行われますが、市区町村の役所の担当者が評価してデータを入力するため、常に正しいとは限りません。入力ミスで評価額に間違いが生じることもあれば、調査に訪れた役所の担当者の経験不足や力量不足で間違った評価が行われることもあります。

この他、以下のような場合も、評価額に反映されていないことがあるので注意が必要です。

・土地を分筆した
・減築した、あるいは災害で家屋の一部が滅失した
・賃貸物件の一部が自宅である
・社員寮または老人ホームである
・アパート・マンションの駐車場がある
・住宅用地の軽減措置が適用されていない
・人が住んでいないと誤解され、特例空き家として認定されてしまった
・所有していない土地が含まれている
・地積が登記上の地積となっており、実際と違う

資材認定は正しいか

この他、役所の担当者が資材認定を間違えることによって、評価額ミスにつながることがあります。建物の固定資産税評価額は再建築価額で計算され、木造の一戸建ては「比準評価方式」、それ以外は「部分別評価方式」で評価されます。

部分別評価方式では、建物を屋根・基礎・外壁といった構造部分ごとに細かく分けて調査し、資材の使用量や補正係数によって評価します。さらに「建設会社の見積書の情報を基準とするか、あるいは階数や柱の間隔、壁の面積などから概算でコンクリートや鉄筋の使用量を見積もるか」といった考え方があります。

要は評価のプロセスがあまりに複雑なので、本当に適正と言えるかどうかがわからないのです。そのため、建設会社の見積書に書いてある「鉄骨一式○トン」といった文言によって過大評価されてしまったり、自治体ごとに異なる基準や評価担当者の主観によって高く評価されてしまったりします。

役所の現地調査には必ず立ち合いを

以上が固定資産税の評価の現実です。しかし、「この評価は高すぎるんじゃないか」と役所の窓口で訴えたところで、主張がそのまま認められることはありません。こう言うと一般人にはどうにもできないように見えますが、1つだけ過大評価を防ぐ方法があります。それは、役所の現地調査には不動産の持ち主が必ず立ち会うことです。

オーナー自らが立ち会えば、途中で役所の担当者がミスしても、その場で是正することができます。3年ごとに評価額は変わりますが、一度決まった評価額が大きく変わることは滅多にありません。そのため、後から訴えて是正するのは非常に大変です。固定資産税をムダに払いたくないなら、調査には必ず立ち会うようにしましょう。

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