VR
(画像=joyfotoliakid/stock.adobe.com)

現実世界で人と接することが急激に困難となった2020年。新型コロナウイルスへの対応策として、俄然注目を集めているものがあります。それが「VR(仮想現実)・AR(拡張現実)」です。自宅から仕事を行うリモートワークを一歩前進させた「バーチャル出社」の時代がすぐそこまで近づいています。

バーチャルオフィスでアバター同士が会議、2018年にはすでにあった

一般消費者向けのVRヘッドマウントディスプレイが各社からリリースされ、VRが一般に広く普及したことで、2016年は「VR元年」と呼ばれています。その2年後の2018年にはアメリカで「バーチャル出社」をかなえるシステム「rumii」がDoghead Simulations社よりリリースされ、バーチャル空間でアバター同士が会議を行う様子がYoutubeにアップされました。

rumiiはオンライン学習やビジネス会議のために作られたプロフェッショナル向けのアプリで、Windows、Mac、アンドロイド端末に対応し、VR空間内でデスクトップや画面、Webを共有しながらアバターを使いボイスチャットを行えます。

新型コロナウイルス対策としてリモートワークを始めた企業のうち、リモートワークを継続する意向の企業やすでにオフィスを解約している企業も少なからずあり、ビデオ会議アプリZoomに次ぐ新たなテクノロジーの需要はますます高まっていくと考えられます。

VR/ARによる会議が通常のビデオ会議と大きく異なる点

Zoomのように遠隔でも顔を合わせて会議ができるシステムに、VRやAR技術を加えるとどのようになるのでしょうか。

VRを加えると

リモート会議システムにVRを加えると、社員は仮想空間内の会議室にアバターで参加できるようになります。アバターを使ってリアルに近いコミュニケーションをとったり、バーチャル空間内においた3Dアイテムを共有したりできるのも特徴です。

ARを加えると

バーチャル空間に自分が入り込むVRとは反対に、現実世界に仮想を取り入れるのがARです。ARを使うと、自分の部屋にオフィスを再現できます。自分の部屋にバーチャルなホワイトボードを置いてチームで共有したり、バーチャルなチームメイトのすぐ横で仕事したりできるようになるわけです。

2020年のビジネス向けVRプラットフォームはより簡単・便利に

ビジネス向けVRプラットフォームの導入には次のようなハードルがあります。

・ヘッドセットやデバイスを全社員に支給する資金を用意できない
・ツール自体が高額だとコストがかかりすぎてしまう

これらの問題を解消したのがspatialです。共有されたURLをクリックすると、あらゆるデバイスからバーチャルな会議室に入室できます。専用のデバイスを用意することなく、パソコン、スマートフォン、タブレットとさまざまな端末から会議に参加できるのが特徴です。これらは無料プランでも利用できます。

バーチャル会議室で3Dモデルを共有しての商品開発のための会議や、雑談を交えたリアルに近いコミュニケーションも行えます。

現実とバーチャルの境目はよりあいまいに

これらのサービスの発展によって、人間は現実世界にあるさまざまな制約から解き放たれていくことになるでしょう。2030年には、通勤という概念自体が消滅しているかもしれません。地域や国にも縛られず、どこにいても自由に働けるようになる日も近そうです。

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