新型コロナウイルスの影響が電車の運賃にも反映されつつあることをご存じでしょうか。JR東日本は、2020年7月7日の定例記者会見にて、「新型コロナウイルスの感染拡大にともなう鉄道利用の変化に対応するため」として、運賃の見直しを検討する考えを示しました。
感染リスク大、運賃も大。満員電車通勤のリスク
国土交通省の調査を見ると、2017年の東京圏の鉄道の混雑率は午前7時から9時の間で150%を超える路線がほとんどであることがわかります。通勤ラッシュ時には200%近い混雑率となっている路線もあり、多くの人と密着する状況から、新型コロナウイルスの感染リスクを危惧する声も出ています。
混雑率が100%を超えると、電車の中は次のような状態になります。
- 混雑率100% 定員乗車。座席に座れる、吊革が使える、ドア付近の柱をつかめる状態
- 混雑率150% 隣の人と肩が触れ合う。車内で新聞を広げて読める
- 混雑率180% 周囲と体が触れ合う。新聞は折りたためば読める
- 混雑率200% 体が触れ合い圧迫感もある
- 混雑率250% 電車が揺れるたびに体が斜めになり、身動きが取れない。手も動かせない
混雑率が200%を超えると、マスクをしていない人がくしゃみや咳をしたときや満員電車内で会話をしているときなどは、ウイルスに感染するリスクはとても高くなると考えられます。
時差通勤でリスクもコストも軽減
JR東日本が2020年7月7日の定例会見で深沢祐二社長が時間帯別の運賃体系を検討していると述べ、さらに同月22日にはJR西日本での長谷川一明社長も時間帯別運賃や終電の繰り上げの検討を表明しました。
JR各社がラッシュ時の運賃を高くする方向で動いている中、通勤に電車を活用しているビジネスパーソンは時差通勤で感染リスクと通勤コストを軽減するよう動く必要が出てきそうです。
電車が特に混みあうのは、多くの区間で8:00~9:00です。この時間をさけて通勤できるように、早起きをして早めに通勤するか、可能であればフレックスタイム制に切り替えて10時以降に通勤するとよいでしょう。
また、新型コロナウイルス対策としてすでに時差出勤を導入している会社もあります。会社の新型コロナウイルス対策について改めて調べ、利用できそうな制度は積極的に活用しましょう。
日本の朝の風景がコロナで変わる日も近いかも
東京都都市整備局が「快適通勤ムーブメント」として通勤ラッシュ回避のために通勤時間をずらす「時差Biz」をスタートさせたのが2017年のこと。しかしなかなか浸透せず、通勤ラッシュの解消には至りませんでした。
新型コロナウイルスは多くの人の生活を変えましたが、日本の朝の通勤風景もこの感染症が変えていくのかもしれません。
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