初めての人のための資産運用ガイド
(画像=bits-and-splits/stock.adobe.com)

(本記事は、内藤 忍氏の著書『初めての人のための資産運用ガイド』=ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年11月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

税制面でおトクな口座 iDeCoとNISAを活用

▶︎3種類の口座を使い分けることで、より効果的な資産運用ができる
▶︎iDeCoには〝老後〟、NISAには〝近い将来〟必要となるお金を貯める
▶︎iDeCo→NISA→一般口座・特定口座の順に箱を埋めていく

口座を使い分け、より高い投資効果を得る

投資を始めるにはまず、銀行や証券会社などに口座を開設しますが、口座にはいくつか種類があります。ここでは3種類の口座=箱を使って、より効果的な分散投資をする方法についてお話しします。

3つの箱にはそれぞれ特徴がありますから、箱を上手に使い分け、より高い投資効果を狙っていきましょう。

まず、3つの箱とは、
① iDeCo(イデコ)(個人型確定拠出年金)
② NISA(ニーサ)(少額投資非課税制度)
③一般口座・特定口座
です。

3つの箱のそれぞれの特徴

①iDeCo

税制上、最も優遇されている箱です。ただし、毎月の積立額には上限があり、60歳になるまで、引き出すことはできません。

そのため、長期間にわたって運用し、将来の老後資金を貯めるのに適した口座といえます。

②NISA

iDeCoほどではありませんが、税制上のメリットがある箱です。

さらには、いつでも解約できますので、近い将来必要となるかもしれない資産の運用に向いています。

また、NISAには、通常のNISAの他に、子供の教育費等を貯めるのに適したジュニアNISA(原則、子供が18歳になるまで引き出せません)や、より少額の資金で長期間運用していく、つみたてNISAがあります。

③一般口座・特定口座

一般的な証券口座のことです。特に税制上の優遇はありませんが、iDeCoの上限、NISAの上限を上回る額の投資をする場合には利用します。

一般口座を利用する場合、1年間の取引による損益を自分で計算し、確定申告をしなければなりません。

一方、特定口座を利用する場合は、1年間の取引による損益について、金融機関が年間取引報告書を作成してくれます。

特定口座はさらに、「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」を選択します。

「源泉徴収なし」を選択した場合は、金融機関が作成してくれた年間取引報告書を参考に自分で確定申告をします。「源泉徴収あり」を選択した場合は、金融機関が代わりに税金を納めてくれますので、確定申告は必要ありません。

メリットの大きい箱から順に利用していく

3つの箱のうち、できるだけメリットの大きい箱を優先して使っていくのが理想です。基本的な優先順位はというと、 iDeCo→NISA→一般口座・特定口座の順です。

メリットの大きい箱ほど、箱の容量(年額の上限)は小さいので、箱があふれたら次の箱、というように使っていきましょう。

【CHECK !】100円から始めたい人はまずNISA

iDeCoには最低投資金額があり、その額は5000円です。また、60歳以降にしか引き出すことができないため、いきなりiDeCoから始めるのは不安という人もいるでしょう。

そのような人はまず、NISAから始めてみましょう。NISAなら100円から始めることができ、いつでも解約できます。

初めての人のための資産運用ガイド
内藤忍(ないとうしのぶ)
株式会社資産デザイン研究所 代表取締役
1964年生まれ。東京大学経済学部卒、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院修士課程卒(MBA)。金融機関勤務を経て、1999年にマネックス証券株式会社の創業に参加。マネックス・ユニバーシティなどグループ会社の代表取締役を歴任後、株式会社資産デザイン研究所代表取締役就任。著作は40冊を超え、「初めての人のための資産運用ガイド」はシリーズ24万部のベストセラーに。 早稲田大学、明治大学などで、資産運用に関する講座を開講。 毎週金曜日配信の資産デザイン研究所メールは、配信数49000通を超える人気。ブログ「SHINOBY'S WORLD」も毎日更新中。

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