ロレックスに代表される高級時計は、ステータスの高い装飾品として人気があるほか、投資の対象にもなっています。そこで注意しなければならないのが、偽物を購入しないようにすることです。本稿では、本物と偽物を見分ける方法と高級時計投資をするときに注意すべき点を解説します。
目次
どの程度の価格帯をいうのか
高級時計(腕時計)とは、どの程度の価格帯の商品を指すのでしょうか。セレクトショップ「Blue Lotus&」が調査した有名時計ブランドの平均単価の目安は、以下の通りです。
ブランド名 | 平均単価の目安(参考) |
---|---|
パテックフィリップ | 約260万円 |
ハリーウィンストン | 約250万円 |
オーデマ・ピゲ | 約230万円 |
ヴァシュロンコンスタンタン | 約150万円 |
ロレックス | 約110万円 |
フランクミュラー | 約60万円 |
カルティエ | 約50万円 |
オメガ | 約40万円 |
これらは、いずれも代表的なブランドとなるため、50万円前後からが高級時計の価格水準と考えてよいでしょう。
高級時計は投資の対象になる
投資の対象になる理由は、リセールバリュー(再販価値)が高いからです。将来値上がりが見込めるものを購入し、相場が上がったときに売れば売却益を得られます。高級時計投資の主なメリットは、以下の3つです。
・使える資産である
・希少性が高い
・価値が下がりにくい
それぞれ見ていきましょう。
使える資産である
腕時計は装飾品のため、身に着けて楽しむことができます。必ずしも保管しておく必要はないため、身に着けた期間は元をとったことになるでしょう。そのうえで「値上がりして売却益を得られれば儲けもの」といった余裕を持った投資ができます。
希少性が高い
高級時計は、ひとつ一つが職人による手作業で作る機械式です。大量生産ができず市場への供給が少ないため、希少性が高くなります。特に記念モデルや限定モデルは供給量が少ないため、資産価値が高くなる傾向です。
価値が下がりにくい
人気ブランドは、一定の需要があり中古マーケットもしっかりと形成されているため、「価値が下がりにくい」という点がメリットです。特に人気モデルの新品は手に入りにくい傾向で、価格が上がる要因となっています。
一方で以下の2つのようなデメリットもあるため、注意して投資することが必要です。
・真贋を見分けるのが難しい
・インカムゲインはない
それぞれ解説します。
真贋を見分けるのが難しい
高級時計は、偽物でもかなり精巧な作りです。真贋を判別するポイントはあるものの素人が判断するのは難しいため、信用のおける専門店で購入することが望ましいでしょう。
インカムゲインはない
腕時計は、株式の配当金や不動産の家賃収入といったインカムゲインがないため、所有しているだけでは金銭的メリットはありません。あくまで装飾品として楽しみ満足感を得ることが基本です。また短期で利益を狙うような投資先ではないことも心得ておきましょう。
価格はどの程度上がっているのか
投資先として検討するうえで気になるのは「実際にどの程度値上がりしているのか」でしょう。代表的な人気モデル「ロレックスコスモグラフデイトナ116500LN」の価格を価格.comのチャートで確認します。
▽ロレックスコスモグラフデイトナ116500LN価格推移
2020年7月に300万円台だった価格は、2022年7月現在で600万円前後と約2倍に値上がりしています。金額にして約300万円の上昇となり、腕時計が投資として成り立つことが証明された形です。他のデイトナモデルもおおむね大幅に値上がりしています。ロレックスは、ひとつ一つが職人の手作りのため、製造本数が少ないのが特徴です。
供給に対して需要が多いため、新品は品不足となりすぐに値上がりする傾向があるといえます。「確実に上がるので買いたい人が増えてさらに値段が上がる」という好循環を生んでいる構図です。
それでは、ロレックス以外の高級時計はどのように推移しているのでしょうか。高級時計のなかで比較的価格帯の低いオメガの「オメガシーマスター300マスターコーアクシャル」の推移は以下の通りです。
▽オメガシーマスター300マスターコーアクシャル価格推移
2020年7月の約50万円が2022年7月には約75万円と約1.5倍に値上がりしています。売却する場合の買取価格はもう少し低くなると思われますが、それでも十分に採算が合う水準といえるでしょう。
高級時計の本物と偽物を見分けるポイント
骨とう品と同じく高級時計も偽物に注意して購入しなければなりません。本物と偽物を見分ける主なポイントは、以下の4つです。
・保証書の製造番号と刻印の一致
・見た目
・重さ
・秒針
1つずつ解説していきます。
保証書の製造番号と刻印の一致
本物には、当然保証書が付いているため、保証書の製造番号と製品に刻印されている番号が一致しなければ偽物と判断することができます。ただし、なかには「保証書も偽物」というケースも考えられるため、製造番号の一致だけで判断するのは危険です。
見た目
偽物は、職人が作った本物と比べるとところどころに粗さが目立つことも少なくありません。ケースや文字盤、針が粗悪、塗装部分の塗り方や粗さは、拡大ルーペで見ると仕上げの悪さに気づきやすいでしょう。
重さ
偽物は、本物よりも軽い場合があります。手にとってあまりにも軽い場合は、粗悪な材料が使われている可能性があります。
秒針
秒針の動きで偽物と分かる場合もあります。例えばロレックスの場合、偽物は単純に1秒刻みで動きますが、物の秒針はなめらかな動きをしているため、比較的分かりやすい違いといえそうです。
※ただし、個体差があります
王道ロレックスはどうやって見分けるのか
高級時計の代名詞ともいえるロレックスは、買い手が多い分偽物も多く出回っている傾向です。買取専門店「大黒屋」も、公式サイトでロレックスの真贋を見分ける方法をレクチャーしています。本物と偽物の違いは「プロが作っているかどうか」と大黒屋は説明。本物は、職人が丁寧に仕上げているのに対して、偽物は細かいところを見ると仕上げが雑だといいます。
また本物は、文字部分がシャープなのに対し偽物はぼやけた感じがするなど、拡大した写真を見比べると違いが分かります。下記サイトにモデル別の比較写真が掲載されているので、参考にして目を養うのもよいでしょう。
参考:大人のROREXマガジン「ここが本物と違う!大黒屋が教える偽物ロレックスの見分け方」
ただしこれは、本物と偽物を並べて見たから判断できることです。実際には、本物か偽物の片方のみを見ることになるため、その場で判別するのは難しいかもしれません。
偽物を買わないために注意すべきこと
最後に高級時計を購入する際、偽物をつかまされないために注意すべき点を確認しておきましょう。高級時計を購入する場合に最も大事なのは、信頼のおける店を選ぶことです。店頭で顧客が自分でルーペを出して鑑定するのは難しいため、店を信頼して購入するしかありません。購入しようとしている店の実績や評判をインターネットでよく調べて、納得したうえで出かけることが大事です。
通販で購入する場合も信頼のおけるショップを選ぶことが大事なのは変わりません。通販の場合は、パソコンやスマホの画面を拡大して細かく商品をチェックできるため、見分けがつきやすいように感じます。しかし悪質業者の場合、「掲載写真は本物を使い、実際に送られてくるのは偽物」というケースも考えられます。
高級時計の投資ブームは、今後も続くことが予想されるでしょう。身に着ける場合だけでなく、投資をする場合も真贋を見分ける目が求められます。まずは、専門店を訪れて本物を見ることで見る目を養うのも楽しい実地訓練といえそうです。
※本記事は2022年7月9日現在の情報を基に構成しています。高級時計の価格等は一例ですので、参考程度にお考えください。
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