不動産クラウドファンディングサービスを比較すると、サービス提供事業者やファンドごとに、リスクとリターンが大きく異なっています。
本記事では、「利回りの高さ重視の方」に向けにチェックポイントやおすすめファンドを徹底解説します。
不動産クラファンには「利回りが高くてあやしい」と言う方もいれば、その逆に、「これまで無事に償還されているのだから、今後も安全だろう」と言う方もいますが、投資ではリスクを正しく理解して投資先を決定することが重要です。
利回りの高いファンドではリスクもあるのは当然ですが、そのリスクの程度や質も様々ですので、リスクを理解・検討するとともに、投資先を分散させることで、投資リスクを抑制しましょう。
YANUSY編集部では不動産クラウドファンディング投資に関する基礎知識やノウハウを解説する徹底解説記事シリーズも執筆していますので、是非ご参考としてください♪
目次
- おすすめクラウドファンディング徹底解説 ②配当利回りの高さを重視したい方向け(本記事)
■配当利回りの高さ重視の方におすすめのファンド / チェックポイント
なぜ「高利回り」となっているかを知る
不動産クラウドファンディング事業者が高い配当利回りの商品を提供する理由として、どういったことが想像できるでしょうか?
①サービスや会社の宣伝効果を狙っており、注目を集めて会員を増やしたいから
②金融機関等からの資金調達が難しい事業だから
③融資を併用することでレバレッジを効かせて、投資家向け利回りを高めているから
実は、どのパターンのファンドも実際に存在しています。
①のケースに該当するものとしては、新たにサービスを開始したケースがあげられます。
サービス開始時期に高めの利回りを設定している事業者は多いですが、サービス開始時期ということは、まだ、ファンドの運営・償還実績が少なく情報が不十分なケースもありますので、運営企業の社歴や事業内容、財務状況などをしっかり確認することが重要です。
②のケースに該当するものは、おそらく最も多いパターンです。
例えば「建物の建築代金」「工事費」「立退き調整費用」など、担保となる資産がない資金を金融機関から暢達できる不動産会社は限られます。土地の所有権を複数人で共有しているような共有持ち分のケースも担保設定ができないため、資金調達手段が限られます。
こういったケースでは個人投資家から資金を集めることにより自己資金を超える規模の不動産事業を行うことが可能になります。
投資家に対してはこの事業で得た利益を分配するため高い配当が可能になるわけですが、銀行が融資をつけない事業のリスクも投資家と分担する形になりますので、事業の中身や、運営企業の信用力の確認が必要となります。
③のケースに該当するものは不動産投資では一般的ですが、不動産クラウドファンディングでは珍しいパターンです。
仕組みとしては、不動産(土地や建物)を担保として銀行から低い金利で資金を調達することでいわゆるレバレッジを効かせて、投資家出資資金に対する利回りを向上させます。
これによるリスクとしては、ファンドの運用期間終了後やファンドの破綻時に金融機関への返済が優先される他、金利上昇時に利子負担が大きくなり、収支が悪化する(配当が減る、損失が出る)リスクがありますので、レバレッジが高すぎる(金融機関からの融資比率が高すぎる)場合や、ファンドの運営期間が長期間にわたる場合には注意が必要です。
運営企業の信用リスクがあることを理解する
不動産クラウドファンディングで資金調達をする企業は、手元資金が潤沢な企業ばかりではありません。
(どちらかというと、資金が潤沢ではないので個人投資家から資金調達を行うケースの方が自然です。)
ファンドにおける損失リスクだけではなく、本業の不動産事業等で損失が生じた場合に債務超過や手元資金が不足してしまうと、ファンドへの投資家にも影響が出ますので、投資前に企業の決算情報を確認しましょう。
公開情報だけで100%の確認はできませんが、不動産クラウドファンディングでは法律で決算開示が義務付けられており、一定の確認が可能となっています。
確認方法については以下の関連記事でご紹介していますので、ご覧ください。
関連記事:『おすすめクラウドファンディング徹底解説 ①安全性重視の方向け』記事へ
■おすすめファンド① COZUCHI:累計調達額No.1の実績
COZUCHIは不動産特定共同事業法(不特法)に基づき、LAETOLI株式会社が提供する(※)不動産クラウドファンディングサービスです。
COZUCHIは不動産クラウドファンディング業界において、「累計調達額No.1」をうたっています(2023.8時点)が、無事に運用を終えて投資家への配当を実施したファンド数についても、業界有数の実績を持っています。
1ファンドで100億円を超える投資額を集めるなど、不特法クラウドファンディング業界で大きな注目を集めており、開発型で高配当のファンドから、比較的安定的なインカム型のファンド、長期投資型のファンドなど、多様なファンドに投資が可能な点が特長のファンドです。
比較的リスクが高いファンドを含め、しっかり配当を出し続けている不動産の運営・開発に関する「実績」は、COZUCHIの強みの一つと言えるでしょう。
なお、COZUCHI固有のリスクとして、「リファイナンスリスク」があります。
例えば前述の100億円を超えるファンドでは、銀行融資がつかない状態であることが公式情報として開示されていますが、これは、もし投資家からの資金調達ができない場合に、資金調達手段がない可能性がある、ということを意味しています。
ファンドの運営期間終了時に、対象不動産を売却して利益を得るか、再度不動産クラファンで資金調達することができなければ、投資家に配当や出資金の償還を行うための資金が確保できなくなる可能性があります。
COZUCHIは累計調達額No.1と、業界でも屈指の人気を誇るファンドとして資金調達力もずば抜けていますので、今そのリスクが高まっているというわけではありませんが、もし投資家の信用を失うようなトラブルや事故が生じた場合にファンド運営に影響があることは理解して、投資判断をお願いします。
主な配当利回り | 4%~9%弱程度 |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 | 事業用不動産の開発等(多種多様) |
劣後出資比率 | 5-10%(融資併用有) |
運営事業者/属性 |
LAETOLI株式会社 (ファンド運営は株式会社TRIAD) |
募集方式 | 抽選式/先着式 |
■おすすめファンド② ヤマワケエステート:ハイリスクハイリターン型
ヤマワケエステートは比較的利回りの高い、かつ、規模の大きい不動産案件を取り扱っています。
既に募集は締め切っていますが、ヤマワケエステートの2号ファンドでは、想定利回りが「年利84.6%」という、驚異的な利回りをめざすファンドも組成されており、それ以降も想定利回り10%を超える、極めて高い想定利回りのファンドを継続的に提供しており、業界でも異質の注目を集める存在となっています。
業界でも異質という面では、投資家の出資元本を保護する仕組みである「劣後出資」比率がない、またはほとんどないファンドが多く、ファンドで損失が生じた場合に投資家が損失を負担するファンド設計となっている点も必ず理解すべきポイントです。
ある意味事業者の損失負担がない=事業者の倒産リスクが抑制されるというメリットもあるのですが、各ファンドには、不動産の所有権がないものや、所有権の登記がないものなど、他の不動産クラウドファンディング事業者にはないようなリスクを持つファンドも提供されているなど、投資対象事業の中身の確認を行うことの重要性が高い、「ハイリスクハイリターン型」ファンドが多く提供されています。
主な配当利回り | 10%程度~20%程度 |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 | 事業用不動産の開発等(多種多様) |
劣後出資比率 | 0%~ |
運営事業者/属性 | ヤマワケエステート株式会社 |
募集方式 | 抽選式/先着式 |
■その他のおすすめファンド情報
現在、多くの不動産クラウドファンディングサービスが登場しており、なかでも投資家の注目を集めるのが、高利回り型のサービスです。
ここでは、サービスの中でも比較的「高利回り」に分類できる、想定利回り6%以上のファンドを提供しているサービス情報を掲載します。
ハイリターンの商品には相応のリスクもあると考えることが重要ですので、特定の企業だけに投資を集中させるのでではなく、投資先の分散を行うことをおすすめします。
サービス | TOMOTAQU | わかちあいファンド | Victory Fund | SHIODOME Funding | 不動産BANK | COZUCHI | ヤマワケエステート |
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サービスロゴ | |||||||
公式サイト | |||||||
主なファンドタイプ | インカム中心 | インカム/キャピタル | キャピタル | キャピタル | インカム/キャピタル | インカム/キャピタル | キャピタル |
主な配当利回り | 6~8% | 5~7%中心 | 6~10% | 6~10% | 6% | 4~9% | 10%~20%程度 |
主な劣後出資比率 | 全て10% | 9-10%程度 (融資併用有) |
3-10% | 11-20% | 7~10% | 5-10% (融資併用有) |
0%- |
主な応募形式 | 先着 | 先着 | 先着 | 抽選 | 先着 | 抽選 | 抽選 |
最低投資額 | 10万 | 10万 | 10万 | 1万 | 1万 | 1万 | 10万 |
投資募集規模 | 2000万~2億 | 2000万~2億 | 5000万~6億 | 1億~4億 | 1000~7000万 | 6000万~70億 | 6000万~6億 |
運営企業 | 株式会社イーダブルジー | 株式会社日本プロパティシステムズ | カチデベロップメント株式会社 | 汐留プロパティ株式会社 | 不動産BANK | LAETOLI株式会社 (ファンド運営は株式会社TRIAD) |
ヤマワケエステート株式会社 |
設立時期 | 2009年8月設立 | 2000年9月設立 | 1997年7月設立 | 2017年4月設立 | 2011年4月設立 | 2011年9月設立 | 2018年5月設立 |
不動産クラウドファンディング 特集記事リンク集
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- おすすめクラウドファンディング徹底解説 ②配当利回りの高さを重視したい方向け(本記事)
まとめ/編集部コメント
本記事では、投資ニーズ別に、おすすめしたい不動産クラウドファンディングサービスの特徴やデメリット、最新動向などを徹底解説していきます。
調査対象のサービスを随時拡充し、情報更新を実施してきますので、ご期待ください。
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