不動産投資で融資を受ける場合の金利はどのくらい?
(画像=Jan_S/Shutterstock.com)

将来の収入源を確保するために不動産投資を検討する会社員が増えています。しかし、不動産購入には融資を受ける場合が多く、そのときに気になるのが金利でしょう。今回は不動産投資ローンの仕組みや、金融機関別の金利相場、メリット・デメリットを解説します。

目次

  1. 1.不動産投資ローンと住宅ローンについて
    1. 1-1.不動産投資ローンは住宅ローンよりも条件が厳しい?
    2. 1-2.不動産投資ローンの金利を抑える方法
  2. 2.金融機関別のローン条件と金利相場
    1. 2-1.都市銀行・メガバンク
    2. 2-2.地方銀行
    3. 2-3.信用金庫・信用組合
    4. 2-4.ノンバンク
    5. 2-5.日本政策金融公庫
    6. 2-6.その他
  3. 3.不動産投資においてローンを組むメリット・デメリット
  4. 4.早期の資産形成には融資を上手に活用

1.不動産投資ローンと住宅ローンについて

不動産投資ローンとは収益用の物件を購入するために利用するローンで、購入する物件を担保にすることにより金融機関から購入資金を調達することができます。

不動産を購入する場合には住宅ローンが一般的かと思いますが、不動産投資ローンと住宅ローンとの違いについてもしっかり理解しておきましょう。

1-1.不動産投資ローンは住宅ローンよりも条件が厳しい?

不動産投資ローンと住宅ローンは、物件を購入するために融資を受けるという点では共通していますが、貸し付けの目的と審査基準、金利などの違いがあります。

貸し付けの目的の違いでは、不動産投資ローンは賃貸ビジネスとして収益物件を購入するために利用します。一方、住宅ローンは居住用の戸建てやマンションを購入するために利用します。

審査基準の違いでは、不動産投資ローンは不動産の担保評価、借主の属性に加え、対象物件の空室率、立地、収益性などからも判断されるため、住宅ローンよりも審査基準は厳しくなる傾向があります。

一方、住宅ローンは居住用物件の購入になるため、不動産の担保評価と借主の収入などの属性によって審査されます。

金利の違いでは、不動産投資ローンでは低いものでは0.5%の超低金利から高いものでは5%を超えるものもあるため、いかに低金利で資金調達できるのかが不動産投資のポイントといえるでしょう。金利についても住宅ローンの方が有利で、1%以下の商品も珍しくありません。

1-2.不動産投資ローンの金利を抑える方法

不動産投資ローンを低い金利で組むにはどのような方法があるでしょうか。まず、提携する金融機関が多く、融資付けの実績が豊富な不動産会社を選ぶことです。提携先が多ければ、顧客にとって一番有利な金融機関を紹介してもらえる可能性が高くなります。

次に、金利は固定金利よりも変動金利のほうが安く借りられる傾向にあります。変動金利は金利が上昇するリスクはありますが、金利が変わるのは半年または1年に1回で、景気動向に注視しながら徐々に上がっていくのが普通です。一気に大きく上がることはないので、それほど心配する必要はないでしょう。金利の見直しは4月と10月に行われるのが一般的ですので、時期も考慮して最新の金利を確認したほうが無難です。

もう1点、融資審査を受けるまでに、属性を高めておくことも大事です。金融機関は借主の年収、勤務先、勤続年数、資産状況、負債の有無などを審査の基準にしますので、問い合わせがあったときに速やかに提出することで印象がよくなります。返済能力が高いと思われるように、資産状況や今後の相続や贈与の予定などもきちんと伝えることで金融機関からの評価が高くなります。

2.金融機関別のローン条件と金利相場

不動産投資ローンの融資条件や金利は金融機関によって異なります。金利は低いものの融資条件が厳しい金融機関もあれば、融資条件は緩やかでも金利が高くなる金融機関もあります。まずは各金融機関の融資条件と金利の相場を確認しておきましょう。不動産投資ローンは実際には「アパートローン」という名称で扱っている金融機関が多くみられます。

では、金融機関別の融資条件と金利をみてみましょう。

2-1.都市銀行・メガバンク

銀行業界は度重なる再編を経て、現在の都市銀行は3大メガバンクと呼ばれる三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行とりそな銀行の4行となっています。金利の相場は1~3%台前半と低い金利で借りることができます。ただし、都市銀行は審査が厳しいことで定評がありますので、担保価値の高い物件でなければ審査が通るのは難しいかもしれません。アパートローンを扱っている3行の融資条件は以下のとおりです。銀行では不動産系ローンの融資金利は公式サイトで公表していないため、申込時に店頭で確認する必要があります。ここでは、不動産情報サイト掲載の金利を参考までに記載しています。

<都市銀行の融資例>

・三井住友銀行
【名称】直担アパートローン【融資金額】200万円以上で賃貸物件の建築・購入価格の範囲内【融資期間】1年以上35年以内【連帯保証人】不要【金利】変動・固定(2年、3年、5年、10年、15年、20年)、参考金利:変動1~2%前半、固定(10年)3.25%(※Webサイト「MIRAIMO」調べによる2020年11月16日公開の数値、以下同)

・みずほ銀行
【名称】アパートローン【融資金額】50万円以上5億円以内【融資期間】1年以上35年以内【連帯保証人】申込内容によって必要な場合あり【金利】変動・固定(2年、3年、5年、10年、15年、20年)、参考金利:変動1~2%前半、固定(10年)3.10%

・りそな銀行
【名称】アパート・マンションローン【融資金額】100万円以上3億円以内【融資期間】1年以上30年以内【連帯保証人】不要【金利】変動・固定、参考金利:変動1~2%前半、固定(10年)3.15%

2-2.地方銀行

地方銀行は、一般社団法人全国地方銀行協会の会員である銀行のことをいいます。2020年10月現在で同協会に加盟している地方銀行は63行あります。金利の相場は1~4%台と都市銀行よりもやや開きがあります。地方銀行は元々地元密着型の営業スタイルですので、融資の相談をしやすい雰囲気があります。

<地方銀行の融資例>

・千葉銀行
【名称】金利選択型アパートローン【融資金額】1億円以内【融資期間】1年以上35年以内【連帯保証人】申込内容によって必要な場合あり【金利】変動・固定(3年、5年、7年、10年)、参考金利:変動1.2~2%、固定(10年)3.25%

・横浜銀行
【名称】アパートローン【融資金額】3億円以内【融資期間】物件の構造や新築・中古で異なる【連帯保証人】申込内容によって必要な場合あり【金利】変動・固定(2年、3年、5年、10年、15年、20年)、参考金利:変動2~3%、固定(10年)1.7~2.3%

・スルガ銀行
【名称】投資用不動産ローン【融資金額】10億円以内【融資期間】1年以上35年以内【連帯保証人】不要【金利】変動、参考金利:変動3.5~4.5%

2-3.信用金庫・信用組合

信用金庫・信用組合とは銀行ではないものの、同じような業務を行う金融機関のことです。両者の異なる点の1つは規模で、信用金庫に比べ信用組合はかなり小さな規模で運営しています。銀行に比べると融資エリアが限定されるデメリットがあります。また、信用金庫は誰でも預金できますが、信用組合はその名のとおり組合員しか預金することができません。金利の相場は1~3%台と、都市銀行とも遜色ない水準にあり魅力的です。

<信用金庫・信用組合の融資例>

・埼玉懸信用金庫
【名称】アパートマンションローン【融資金額】3,000万円以上(固定金利10年を選択の場合は5,000万円以上)【融資期間】35年以内【連帯保証人】申込内容によって必要な場合あり【金利】変動・固定(3年、5年、10年)、参考金利:変動1.575%~(Webサイト「MOGE CHECK」調べ、2021年1月現在)

・横浜幸銀信用組合
【名称】不動産購入ローン【融資金額】購入物件価格の90%以内【融資期間】30年以内【連帯保証人】必要【金利】変動、1.80~3.80%(会社公式金利)

2-4.ノンバンク

ノンバンクには、消費者金融、クレジットカード会社、信販会社などがあります。ノンバンクはあらかじめ融資金利が公式サイトで公表されているのが特徴です。銀行に比べて審査は通りやすいといわれていますが、その分金利は高めとなります。また、表面金利と各種手数料等すべての支払いを合計した実質年率が異なる場合があり、公式サイトの融資条件を入念に確認する必要があります。

<ノンバンクの融資例>

・セゾンファンデックス
【名称】アパートローン【融資金額】100万円以上3億円以下【融資期間】5年以上30年以内【連帯保証人】申込内容によって必要な場合あり【金利】変動、3.6~4.4%(会社公式金利、年1回4月に見直し)

・オリエントコーポレーション
【名称】オリコビジネスサポートプラン【融資金額】100万円以上1,000万円以下【融資期間】5年以内【連帯保証人】個人の場合は不要【金利】変動、6.0~15.0%、新規利用の場合は8.4~15.0%(会社公式金利)

・SBIエステートファイナンス
【名称】不動産投資ローン【融資金額】300万円以上5億円以下【融資期間】1年~25年【連帯保証人】申込内容によって必要な場合あり【金利】変動、2.40~6.50%(会社公式金利)

2-5.日本政策金融公庫

融資の希望条件基準金利
担保を不要とする融資を希望する人2.06~2.45%
新創業融資(無担保・無保証人)を希望する人2.41~2.80%
担保を提供する融資を希望する人1.11~2.10%
災害貸付(地震・台風等の災害)1.26~1.65%

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している政府系金融機関です。2008年に国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫が合併して日本政策金融公庫になりました。事業は元々の3金融機関の事業内容を引き継いでいます。不動産投資を目的とした融資は取り扱っていませんが、不動産賃貸事業のための資金としてなら利用することが可能です。

日本政策金融公庫の最大のメリットは、固定金利で借りられることです。金利が上昇したときも借入時の金利から変わらないのは安心感があります。上記は一般貸付の例ですが、ほかにもさまざまな融資制度があるので、窓口で相談するとよいでしょう。

・日本政策金融公庫
【名称】国民生活事業一般貸付【借入金額】4,800万円以下(特定設備資金は7,200万円以下)【返済期間】設備資金10年以内(うち据置期間2年以内)、特定設備資金20年以内(うち据置期間2年以内)、運転資金7年(うち据置期間1年以内)【連帯保証人】不要【金利】固定(上表、国民生活事業基準金利の例)

2-6.その他

もう1点気になるのが、ネット銀行なら金利が安いのではないかという点です。代表的なネット銀行であるジャパンネット銀行のビジネスローンをみる限り、普通銀行に比べてとくに安いといえる水準ではありません。ノンバンクと同じで借りやすいということであれば、普通銀行で借りられなかった場合に検討するのはよいかもしれません。

・ジャパンネット銀行
【名称】ビジネスローン【借入金額】10万円以上500万円以下【返済期間】1年(自動更新)【連帯保証人】不要【金利】変動、2.8~13.8%(会社公式金利)

3.不動産投資においてローンを組むメリット・デメリット

ローンを組むということは借金になるため、リスクやデメリットを心配する方も多いかもしれませんが、不動産投資ではローンを活用することのメリットも多いのです。

不動産投資の場合は、自己資金が少なくても、銀行から資金を調達して自己資金以上の不動産投資ができます。「レバレッジ効果」を活かした不動産投資を行うことで、自己資金のみでは得られない収益をあげることもできます。

もちろん、自己資金以上の借り入れを行うわけですから、空室が続き収入が途絶えてしまったり、築年数が経過して物件評価が下がったりすると、自己資金での支払いが必要になってくる可能性もあります。

そのため築年による家賃の下落や空室率を考慮せず、購入当初のままの家賃収入が継続することを前提として収支計画を立てると、空室リスクに直面したときに支払いが苦しくなることもあります。家賃収入が入ってきたからといって、全てを生活費に充当するのではなく、事業として計画を立て、資金をプールすることが重要です。

また、金利上昇により調達している融資の金利が上昇する可能性もあります。家賃収入が変わらないのに借入金利だけが上昇するということは、キャッシュフローの悪化に繋がります。

このようなリスクを踏まえて不動産投資の計画を立てる必要があるでしょう。

4.早期の資産形成には融資を上手に活用

不動産投資ローンは住宅ローンに比べると、審査が厳しく金利も高いので、デメリットが多いのではないかと感じてしまうかもしれません。

ですが、住宅ローンは居宅の購入にしか利用できませんので、不動産投資をするのであれば不動産投資ローンを利用する必要があり、それにより早期に賃料収入を得られれば不動産投資ローンはメリットになるのです。

大切なのは不動産投資ローンの仕組みをきちんと理解し最大限に活用することです。メリット、デメリットをしっかり確認して不動産投資を始めてみませんか。

※本記事は2021年1月時点の情報を基に構成しています。各金融機関の融資条件や金利は変更になる場合がありますので、申し込みの際は金融機関に最新の情報をご確認ください。

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