日本から気軽に訪れることのできるフィリピンの生活
(画像=Jon Bilous/Shutterstock.com)

日本から4~5時間のフライトで行くことができるフィリピン。今回はフィリピンの魅力に迫ってみます。

目次

  1. 温暖な気候
  2. 安価な生活費
  3. 高い経済成長率と拡大する国内市場
  4. 不安定な治安

温暖な気候

南シナ海やフィリピン海など複数の海に接するフィリピンは、7,000以上もの島から構成されている島嶼国家です。日本との時差は1時間(日本時間マイナス1時間)、首都・マニラまでは直行便で4~5時間の距離です。時差も移動時間も少ないフィリピンは、東南アジア諸国の中でも日本から行きやすい国と言えます。

フィリピンは熱帯性気候に属し、年間の平均気温は30度前後と温暖で過ごしやすい気候です。地域によっては乾季と雨季があり、雨季の間には台風が発生することもあります。また、環太平洋造山帯に属しており、地震や津波が発生することもあるので、自然災害については備えが必要な国です。

国民の大半はマレー系で、他には中華系やスペイン系、少数民族が住んでいます。マレー系の中でも複数の民族グループに分かれており、独自の言語が使用されているため、地域や島によって違った文化があります。

公用語は英語とフィリピノ語。英語を話す人口は、アメリカ合衆国やインドなどに続き、世界の中でも上位に位置します。ASEAN加盟国の中では唯一のキリスト教国で、国民の8割以上がカトリック教徒です。一部の地域ではイスラム教徒が多く住んでおり、フィリピンのイスラム教徒のうち、9割がミンダナオ島に住んでいると言われています。

安価な生活費

国土は30万㎢、日本の8割程度の面積に1億人以上が暮らしており、人口の6割はマニラのあるルソン島と南にあるミンダナオ島に集中しています。在留邦人数は16,894人(2018年)です。日系企業も多数進出しており、ローソン、CoCo壱番屋、吉野家のような日本のチェーン店もあります。例えば吉野家の牛丼は、150ペソ程度(1ペソ=約2円)で食べることができます。

YANUSY

(外務省「海外在留邦人数調査統計」より抜粋) 通貨はフィリピン・ペソ。大手のホテルやカジノでは、米ドルも取り扱っているようです。

フィリピンの料理は、スペインやアメリカなどの影響を受け、様々な味わいが楽しめます。新鮮な魚介や鶏肉、豚肉など肉類を使った料理が多いです。もちろん、豊富な南国フルーツの味は格別です。フィリピンの主食は日本のような白米なので、日本人でも食べやすいです。味付けはスパイシーすぎず、しょう油も広く使われているので、日本人の口に合う味付けとなっています。

フィリピンの首都・マニラは人口1,200万人を超え、世界で最も人口密度の高い都市のひとつ。そこでの交通手段は、列車やバス、タクシーといった一般的なものから、「トライシクル」と呼ばれる荷台をつけたバイクタクシーや、「ジプニー」と呼ばれる乗り合いバスなど、フィリピンならではの乗り物までさまざまです。タクシーの初乗りは40ペソ、トライシクルは5ペソ程度の料金設定なので、手軽に使うことができます。

マニラでは、整備されたショッピングエリアや歴史的建物の多く残ったエリア、ローカルの生活が垣間見られる庶民的なエリアなど、さまざまな街の表情を見ることができます。もちろん、日本よりも格安で楽しめるゴルフやダイビング、カジノなどのエンターテイメントも揃っています。

7,000以上もの島があるフィリピン。島の移動は船や飛行機がメインと思われるかもしれませんが、バスも広く使われています。バスごと船に乗って島を移動することができるのは、便利ですね。

高い経済成長率と拡大する国内市場

近年、フィリピンの経済成長は好調で、2016年のGDP成長率は6%強とアセアン諸国の中でも特に勢いがある国の一つです。また、1億人を突破した後も人口が増加中のフィリピンにおいて、平均年齢は23歳(日本は46歳)、14歳以下の人口が全体の3分の1(日本は10分の1)を占めており、まさに人口ボーナス期。今後もこの成長は続くと予想されています。

表:ASEAN諸国のGDP成長率比較

YANUSY

(ASEANStats Data Portalより作成) 図:フィリピンと日本の人口ピラミッド比較

不安定な治安

フィリピンの失業率は5%超、所得格差も大きい状況が続いています。さらに、フィリピンでは、殺人事件発生件数が日本の約8倍、強盗事件発生件数は日本の約9倍と、高い頻度で起きています。フィリピンでは、一般市民でも合法的に銃を所持・携帯することができ、銃器が広く出回っていることが日本との大きな違いです。また、武装ゲリラが活動を続けている地域もあります。2016年に就任したドゥテルテ大統領は、公約に掲げた犯罪減少の実現に向け、着実に実行に移しているため、今後の動向に注目です。

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