日本人のロングステイ先として人気が高いタイ。2011年から2018年まで連続で「ロングステイ希望国・地域」第2位を維持しています。今回はタイの魅力に迫ってみます。
温暖な気候
東南アジアの中心に位置し、ミャンマー・ラオス・カンボジア・マレーシアと国境を接しているタイ。日本との時差は2時間(日本時間マイナス2時間)、直行便で約6時間の距離です。
熱帯性気候に属しており、年間の平均気温は30度前後。バンコクでは、一番暑い4月の平均気温が35度になります。季節は乾季と雨季に分かれていて、乾季にはほとんど雨が降らない月もあるほど晴天に恵まれます。一方、雨季を中心に洪水の被害に見舞われることもあります。ご存知の方が多いかもしれませんが、タイは経済に影響を与える規模の洪水被害も経験しています。地震については、国内のみならず、隣接諸国で起きた際の影響を受けることもあるため、自然災害に対して十分に備える必要がある国です。
タイでは複数の民族が共存しており、大半を占めるのがタイ族。続いて多いのが、中華系やマレー系の人々です。地域によっては、独自の文化や言語を持った少数民族が暮らしています。
公用語はタイ語ですが、都市部や観光客の多いホテル・レストランでは英語も通じます。タイでは大半の国民が仏教徒です。
安価な生活費
日本の約1.4倍にあたる約51万㎢に、約6,900万人が暮らしています。在留邦人数は75,647人(2018年)。4,000超もの日系企業が進出し、伊勢丹や東急のようなデパートから、大戸屋や吉野家のような日本のチェーン店まであります。2018年には、高島屋がチャオプラヤ川沿いのショッピングモール「アイコン・サイアム」に進出しました。
タイの通貨はタイ・バーツ(1バーツ=約3円)です。地域にもよりますが、タイの物価は日本の3分の1ほどと言われています。香辛料を使ったスパイシーなタイ料理は、日本でもたくさんのレストランがあるほどの人気です。現地の屋台では、数十バーツでタイ料理を手軽に楽しむことができます。
特に首都のバンコクでは、最新型の映画館やアクセスの良いゴルフコースといった娯楽も充実していますので、日本と変わらない生活を送ることができます。
バンコクの移動手段はさまざまです。空港と市内を約15分で結ぶ「エアポート・レイル・リンク」をはじめ、地下鉄や高架鉄道(スカイトレイン)などの公共交通機関が充実しています。「トゥクトゥク」と呼ばれる三輪自動車やチャオプラヤ川の「エクスプレス・ボート」など、タイならではの移動手段もあり、バラエティに富んでいます。タクシーの初乗りは35バーツと、日本より手軽に使うことができます。
現在、タイでは都市間鉄道や高速道路などの交通インフラ整備が急ピッチで進められており、今後は交通網の発達とそれに伴う経済成長が見込まれています。リゾート地として有名なパタヤやプーケット、古都チェンマイなど、タイには魅力的な都市が点在していますので、地方都市への移動が便利で快適になるのは嬉しい限りです。
高水準の医療と教育
主要都市にある病院の医療水準は良好で、特に首都のバンコクには日本と遜色のないほど高い水準の病院もあると言われています。日本人の医師や看護師だけでなく、日本の医学部・病院に留学経験を持つ医師や日本語通訳が勤務する病院もあり、日本人向けのケアは充実しています。医療目的の長期滞在者を積極的に受け入れている地域もあり、外国人向けのケアに慣れている病院も数多くあります。
タイには日系の幼稚園から日本人学校、進学塾までそろっており、日本の教育を選ぶことも可能です。ウィンストン・チャーチル元英国首相など著名人を多く卒業生に持つ英国名門校・ハーロウ校の分校をはじめ、多数のインターナショナル・スクールもあります。日本語や英語での教育を、幅広い選択肢から選ぶことができる環境です。
経済成長の鈍化と高齢化の進行
タイは長年、外国資本を積極的に導入することにより急速に経済発展を遂げてきました。特に1960年代後半から1996年までは7.5%と高い成長率で発展し、2011年には高中所得国の仲間入りを果たしました。その後、2011年に起きた大洪水や2013年から2014年にかけての政治的混乱など、タイ経済にとってネガティブな影響が続き、近年の成長率は3%前後と鈍化。GDPは2013年をピークに下降傾向が続いています。
グラフ:タイGDP成長率
(出所:世界銀行) また、タイでは急速に高齢化が進んでおり、経済への影響が懸念されています。2016年には11%の65歳以上人口比率が、2040年には25%になると予測されており、東南アジア諸国の中ではもっとも高齢化が進む国のひとつです。
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