東南アジア,英語力
(画像=Nuchylee/Shutterstock.com)

日本から近く、物価も比較的安いことから、旅行、不動産購入、移住に人気の東南アジア。しかし、現地の言葉に馴染みがないと、せめて英語が通じたら安心と考える方も多いのではないでしょうか。

本日は、世界で初めて体験型学習プログラム「語学旅行」のコンセプトを確立したEFエデュケーション・ファーストが行っている英語能力インデックス(English Proficiency Index)2019年の結果をご紹介していきましょう。

▼2019年英語能力インデックスランキングトップ100

東南アジア,英語力

(出所:EF Education Firstを元に作成)

この英語能力インデックス(EPI)2019年は、前年にEFエデュケーションが実施する英語能力テストを受けた230万人のテスト結果の分析に基づいています。100の国と地域が、スコアに応じて英語能力の「とても高い」~「とても低い」まで全部で5段階に分けられています。

シンガポールが東南アジアトップ、世界でも5位

シンガポールがオランダやスウェーデンといった北欧の国々に続いて世界第5位となりました。東南アジア諸国ではトップ、かつ唯一英語能力が「とても高い」クラスにランクインしています。

さまざまな人種の入り混じる多民族国家シンガポールは英語が公用語。街の看板、レストランのメニュー、スーパーの商品表示を含め基本英語なので生活がとてもしやすいでしょう。お店やレストランでも問題なく英語が通じるので、戸惑うことは少なそうです。

現地の学校では、英語+母国語を学ぶことになっており、国民のほとんどがバイリンガルです。インターナショナルスクールでは、英語の授業に加えて、第二外国語で中国語を教えるところが多く、富裕層を中心として人気の留学先となっています。

東南アジア第2位には、同じように英語を公用語のひとつとするフィリピンがランクインしました。世界では第20位となっています。フィリピンは英語が話せる人材の多さから、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の分野で特に活躍してきました。

ビジネスの場などを中心に英語が使用されているマレーシアが東南アジア第3位(世界第26位)、続いて、ベトナム(第52位)、インドネシア(第61位)、タイ(第74位)、ミャンマー(第86位)、カンボジア(第94位)の順となりました。日本は、ベトナムのすぐ下、第53位にランクインしています。

都市別では、フィリピンのダバオ(スコア:63.85)、マニラ(63.69)、マレーシアのクアラルンプール(63.42)が「とても高い」クラスに入っています。

フィリピン首都圏やマレーシアのクアラルンプールでは、広く英語が通用するため、日々の生活でも困らないだけでなく、これらの場所が語学留学先として選ばれるのも納得です。

続いて、ベトナムのハノイ(53.68)、ホーチミンシティ(53.07)、インドネシアのジャカルタ(52.58)が「並」に、タイのバンコク(50.70)が「低い」、ミャンマーのヤンゴン(47.49)は「とても低い」となっています。東京(52.58)はジャカルタと同スコアでした。

レポートでは、タイやカンボジアといった経済が観光に大きく依存する国々は、観光業で活躍できる英語が堪能な人材に限りがあるだろうとしています。タイやカンボジアは、物価の安さと美しい光景を魅力に、毎年多くの観光客を呼び寄せてきました。

このような観光客は今のところ、リゾートエリアに集中しています。英語が事実上、万国共通語となっている今、英語が通じる旅行先を安心だと感じる旅行者は多いでしょう。

リゾートエリア以外の地域にも観光客を呼び寄せて富を分配し、観光関連の職に就きたい者たちへの機会を増やすためには、英語人材の育成が重要な課題となりそうだとレポートでは述べられています。

外務省の令和元年(2019)版・海外在留邦人数調査統計によると、米国、中国、オーストラリアに次いで世界で4番目に在留邦人の多いタイ(75,647名)は、東南アジア諸国のうちで、ミャンマーとカンボジアに次いでランキングは下から3番目となりました。

英語が得意でないタイ人はまだまだ多いようです。一方で、バンコクの日本人が多く住むようなエリアでは、英語ではなく日本語が通じることもあります。

レポートでは、英語のスキルは全世界的に向上していると言います。しかし、アジアでは過去5年間にわたって停滞気味となっています。直近3年を見てみても、マレーシア、ベトナム、インドネシア、タイでは、スコアが下降傾向にあります。一方で、カンボジアとミャンマーは向上しています。

東南アジア,英語力

(出所:EF Education Firstを元に作成)

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