(本記事は、たぱぞう氏の著書『40代で資産1億円! 寝ながら稼げるグータラ投資術~初心者でもできる、はじめての「米国株」投資』の中から一部を抜粋・編集しています)
日本のGDPは第3位だけど・・・
まず見ていただきたいのは、国家の経済力を示す指標であるGDP(国内総生産)です。2018年、日本はアメリカ、中国に続く第3位に位置しています。
これだけを聞くと「日本の株式も悪くはないのでは」と思いますね。でも今後、日本はランキングを落としていくと考えられます。
なぜかというと、日本はこれからどんどん労働人口が減少するからです。少子高齢化によって働く人が少なくなれば、それだけ日本国内で生み出せるGDPは下がります。
人口が減る中でGDPを維持するには、「労働生産性」を上げるほかありません。しかし、労働生産性の面においても日本は問題を抱えています。
OECD加盟国における1970年代以降の労働生産性の順位を見ると、日本はつねに20位前後です。それに対して、アメリカは5位以内に収まっています。
要するに、日本は昔から伝統的に労働生産性が低いということです。
最近は働き方改革の推進にともない、日本の生産性の低さを多くの人が認識するようになって、どうにかしようとしています。
ただ、無駄な会議に代表されるように、日本人は合意形成にかけるエネルギーや時間が多く、生産性を上げにくい環境です。
というのも、労働生産性は下ページの式で表されるからです。投入する労働者数や時間が多いと、どうやったって上がりにくいのです。
働き方改革が進んでも、こうした伝統的な悪習慣を根本的に解決できなければ、やはり経済成長は程遠いといっていいでしょう。
そういう意味では、人口減少のなか、イノベーションによりGDPを押し上げるという発想はやや楽観的に過ぎる気がします。そもそも、日本発のイノベーションは過去を振り返っても多くありません。
もちろん今後、日本人の労働生産性が急激に向上し、人口が減ってもいまのGDPを維持向上できる可能性はゼロではありません。
ただ、データを元に客観的に見た場合、日本のGDPが人口ボーナス国なみの右肩上がりになっていく可能性は低いといわざるを得ず、投資対象として日本市場の株式を長期保有するのはお勧めできないわけです。
もちろん、だからといって日本企業がすべてダメだというわけではありません。業績を伸ばす新興企業もたくさん出てくるはずです。
しかし、どの日本企業が成功して、どの企業が落ちぶれるのかを見極めるのは簡単ではないということです。
それを見極める眼力を持っている人であれば、日本市場でも、個別株に投資をして、資産を増やすことはできるでしょう。実際そういう人もいます。
ただ、多くの人はそういう個別株の良しあしを見抜く眼力を持っていないですね。そういう眼力があるならば、みんな株式投資で大成功しているのです。チャンスの少ない日本市場でお金を増やそうとするのは、非常にセンスが問われるということです。
アメリカは今後も人口増加は続きますし、労働生産性も高い水準にあります。そうなると、自然とGDPも上がっていきます。
投資初心者にとって、やはり投資先として魅力的なのはアメリカです。マクロの市場に対する投資はラクだからです。
2000年からなけなしの初任給で日本株を買い始めたのが投資歴の始まり。
リーマン・ショックなどを経つつも辛うじて退場を免れる。
為替が1ドル80円を切ったことから、米ドルに投資資金を切り替え、米国株投資を同時に開始。
途中、奥さんの病気に伴う介護、育児、家事、仕事に追われる。資産以前に私生活が四散寸前になる。
その時に支えてくれた職場の仲間に深く感謝する。
しかし、支えてくれた職場の若い人たちが仕事に熱心で、老後資産など考慮した資産運用をまったくしないことに危機感を感じる。
今考えるととんでもなくおせっかいだが、ともかくそうした現実を目の当たりにし、ささやかな恩返しの意味で人生を豊かにする手間のかからない基本的な資産運用術をブログで綴ることを決意。今に至る。
その時の思いを大切に、「誰もができる投資術の提案」をモットーとしている。
ブログを書きつつ投資顧問にてアドバイザーをしたり、セミナーをしたりして米国株投資広めている。
現在は独立し、資産管理会社経営。
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