(本記事は、たぱぞう氏の著書『40代で資産1億円! 寝ながら稼げるグータラ投資術~初心者でもできる、はじめての「米国株」投資』の中から一部を抜粋・編集しています)
日本株は米国株より5倍難しい
投資する国によって難易度がまったく違ってくることは理解しておきたいところです。
私の感覚としては、日本株の難易度をとすると、米国株は2くらいでしょうか。米国株のほうが、日本株の5倍くらいは儲けるのが簡単だと思います。
経済の先行きが見えない日本の株式市場に投資をするよりも、右肩上がりで成長を続ける米国株式に投資をするほうが、はるかに簡単です。
いまも巷(ちまた)に出回っている雑誌や書籍などで、お勧めの日本株が紹介されていることがありますが、コロコロと目先が変わりますね。
私自身、日本株でいつの時代も変わらない最適解を提案するのは非常に難しいと考えています。それほど難しいのがいまの日本の株式市場なのです。
日本株の難しさは、株式市場の乱高下の激しさにもあります。
私も若いころは乱高下に付き合って、買い時や売り時を見極めながら投資をしましたから、大きな損を抱える可能性もありました。
幸い、それほど決定的な損失にはなりませんでしたが、相当危ない橋を渡ったものだと、いまになって思います。
乱高下のなかで投資をしていると、「過去にこれくらいの株価だったから、ここまでは上がるだろう」といった感覚に陥りがちです。悪い意味での「値覚え」ですね。
しかし、将来の株価を完全に読むことはだれにもできません。自分の感覚が外れていたときには、思いもよらぬ損をすることはいうまでもありません。
たとえば、東芝は2000年代に原子力に大きく投資をしたことで、2011年に発生した東日本大震災を機に経営危機を迎え、1年の間に倍近く株価が動くこともありました。
こうした場合、底値(最安値)で買って、値上がりしたタイミングで売ることができれば、倍近く資産を増やせた可能性もあります。しかし、こういう投資はいつかやられるのです。
投資はつねに「最悪のケース」を考えて
投資をするときは、つねに「上手くいかなかったとき」を考えて、次の手も考えておく必要があります。そういった意味でも、前述した分散投資は有効です。時間や投資対象を分散することが、私は無理なく資産形成をするためには欠かせないと考えています。
なにがいいたいのかというと、かつてのバブル崩壊やリーマン・ショックのような大きな相場変動にぶつかり、資産を失ってしまう可能性をつねに念頭に置いておきましょう、ということです。
そのときに勇気づけられるのは、ITバブル崩壊やリーマン・ショックなどの経済危機を経ても、つねにアメリカは世界でもっとも早く株式市場が回復してきた国の1つであり、これからもその流れは変わらないだろうということです。
もちろん、米国株にも相場変動はありますから、損をする可能性をゼロにすることはできません。
ただ、成長国ゆえの安定感がありますし、さらに分散させて債券や金などにシフトすることも比較的簡単です。商品選択の幅が広いのです。
株式投資の難易度は、心の余裕にも左右されます。思いつきで適当な株式を買ったり、予想外のことに慌てて株式投資そのものを止めてしまったりすると、満足のいく資産形成はできません。
そのようなことにならないためにも、必要な知識を身につけ、無理せずじっくりと投資に取り組んでいただければと思います。
2000年からなけなしの初任給で日本株を買い始めたのが投資歴の始まり。
リーマン・ショックなどを経つつも辛うじて退場を免れる。
為替が1ドル80円を切ったことから、米ドルに投資資金を切り替え、米国株投資を同時に開始。
途中、奥さんの病気に伴う介護、育児、家事、仕事に追われる。資産以前に私生活が四散寸前になる。
その時に支えてくれた職場の仲間に深く感謝する。
しかし、支えてくれた職場の若い人たちが仕事に熱心で、老後資産など考慮した資産運用をまったくしないことに危機感を感じる。
今考えるととんでもなくおせっかいだが、ともかくそうした現実を目の当たりにし、ささやかな恩返しの意味で人生を豊かにする手間のかからない基本的な資産運用術をブログで綴ることを決意。今に至る。
その時の思いを大切に、「誰もができる投資術の提案」をモットーとしている。
ブログを書きつつ投資顧問にてアドバイザーをしたり、セミナーをしたりして米国株投資広めている。
現在は独立し、資産管理会社経営。
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