2020年7月、大阪府泉南市りんくう南浜に関西最大級のレクリエーションスポット「泉南りんくう公園(SENNAN LONG PARK)」がオープンしました。スポーツ、飲食、リゾートの3つが楽しめる場所として大きな注目を集めていますが、中でもリゾート部分を担うものとしてグランピングエリアが用意されています。

グランピング,投資
画像:泉内りんくう公園内 URBAN CAMP HOTEL MARBLE BEACH

グランピングとは

グランピングゾーンに位置する新しいスタイルの「URBAN CAMP HOTEL」。ホテルはジャグジー付きで、部屋の中ではBBQなどのキャンプ体験ができます。まるで海外にいるようなラグジュアリーな空間で、極上の時間を楽しめることで話題を呼んでいます。

グランピングとは、いったいどのようなものか、皆さんはご存知でしょうか?グランピングとは「優雅な」を意味する「glamorous」と、キャンプを意味する「camping」を合わせた造語であり、英国で誕生したキーワードと考えられています。

元々、グランピングは、富裕層をターゲットにした高級なアウトドアリゾートであり、貴族が狩りを楽しみつつ大自然を満喫する宿泊体験を指すものでした。現在でも、同様の目的を果たすための施設がカナダやアフリカなど自然豊かな場所に多く存在しています。

日本においては、2015年頃から星野リゾートが同施設を手掛け始めました。メディアを通して普及し、テントの設営や食事の準備などをせず、気軽に余暇を楽しめる宿泊体験として注目を浴びるようになりました。

都心部から離れていてキャンプ的な要素を有する施設であれば「グランピングに括られるのでは?」と思うほど、多種多様な形態があるのが日本版グランピングです。コロナ禍で宿泊業界がダメージを受ける中、3密を避けて外出を満喫できる手段として期待されています。

項目主な違い内容
グランピングサービスの違い用品や食材・食事などがあらかじめ用意されている
コテージ設備の違いキッチン、シャワーやトイレなどの設備、ベッドや寝具、冷暖房などの空調設備が備わっているも
ロッジ中間
バンガローシャワー・トイレはなくベッドもない場合が多い
区画サイトテント持ち込みキャンプエリアが区切られている
フリーサイト仕切りがなく好きな場所にテントやタープを張れる

低コスト低リスクが特徴

事業者側の視点から見た場合、グランピングは、低コスト低リスクで始められるビジネスとして注目を浴び始めています。民泊がメインターゲットを外国人観光客とし、コロナウィルス感染症による渡航制限で集客が困難となり、廃業に追い込まれています。グランピングはその代わりといった側面があると考えられます。

確かに、グランピングのメインターゲットは国内旅行者になるため、渡航制限の影響は受けません。ホテルと異なり1グループごとしか施設を利用しないため、3密を避けることが可能です。コロナ禍での宿泊施設運営としては、集客の見込みがたち易いように思えます。

もっとも、民泊からグランピングに乗り換えるには、それぞれに合った立地条件が異なるため容易ではありません。とはいえ、民泊に比べると地価が下がるエリアでの運営になるため、新築で比較するのであれば、グランピングの方がコスト面で優れているのは間違いないでしょう。

民泊と比較

グランピングの場合、テントを建てて水回りと就寝スペースを用意すればよいので、戸建やマンションを建てることに比べれば、圧倒的に費用は掛かりません。民泊のように賃貸で気軽に運営するのは難しいかもしれませんが、今後、施設だけを作って運営権を売るようなビジネスモデルも生まれるでしょう。

グランピングが民泊に比べて劣るところがあるとすれば、管理コストです。民泊は、都心部に近くアクセスが良い場所で運営されていることが多いため、遠隔管理が行いやすい特徴があります。様子を見に行きやすく、街中にあるため、建物がすぐに汚れてしまうことは考え難いです。

グランピングの場合は、都心部から離れた場所でかつ自然の中にあること、また基本的に食事の用意も必要となるため、どうしても管理人を現地へ置かなければならなくなります。オートキャンプに近づけていけば、ランニングコストを抑えることが可能となりますが、そうするとグランピングの持つ付加価値を弱めかねません。

とはいえ、別のビジネスと組み合わせたり、立地を活かしてアクテビティを用意したり、集客を工夫することで問題解決できる余地も十分にあると思います。民泊もグランピングも一長一短であるため、ランニングコストの面だけをとって、民泊の方が優れているとは言えません。

建築審査がポイント

ホテルであれ、民泊であれ、宿泊させることで対価を得る以上、宿泊業の許可を得る必要があります。そのため、消防や保健所へ申請を行わなければなりませんが、グランピングの場合、建築審査が頭を悩ませるポイントです。グランピングテントが建築物に該当するかどうかです。

建築物に該当するとなれば、建築確認申請が必要となり、必要となる消防設備も変わり、審査期間は長く、コストは大きくなります。建築審査課との事前協議はしっかりと行う必要があります。もっとも、どの宿泊施設でも申請は必要であり、審査は手間がかかるものであるため、グランピングを忌避する理由にはなりません。

新たな不動産投資として

宿泊は、ただ寝るためのスペースを提供するだけではなく、個人の生活空間から離れた場所で快適な時間を過ごしてもらうサービスです。

グランピングは、自然を活用したサービスであるため、四季があり地方によって景色が異なる日本であれば、快適な時間や空間を演出しやすいのではないでしょうか。

現状は、日本人観光客の集客にしかならないでしょうが、外国人観光客にも人気が出る要素を含んでいるため、渡航制限解除後には多くの外国人観光客に受け入れられそうです。

痒いところに手が届かないとクレームが出やすい日本人観光客を相手にしていれば、後々外国人観光客を相手にした場合に高い評価を得られるでしょう。

新たな不動産投資としてグランピングを検討することは面白そうです。

グランピング,投資

文責:株式会社DRILL

大阪民泊

民泊運営代行サービス「らくビー」:http://airbnb-kansai.com/

URBAN CAMP HOETEL 公式HP
URL:https://digiq.jp/bbq/marblebeach/

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