長期投資先として存在感を増す!富裕層こそ実践したい「米国債投資」とは
(画像=Anikin Denis/Shutterstock.com)

「投資」や「資産運用」という単語から連想しやすいのは、大きな利回りが期待できる株式投資や不動産投資などが中心です。大企業の株式であれば、安定的な成長が見込まれることに加えて配当や株主優待などのメリットも享受できます。また需要が堅調なマンションやオフィスビルへの投資は、中長期的な資産形成を下支えしてくれるだけでなく、場合によってはキャピタルゲインを狙うことも可能です。

投資や資産運用の花形である株式や不動産とは対照的に、脚光を浴びることは少ないものの、投資家の間で確実に存在感を増しているのが「債券」です。その多くは、国が発行している国債と企業が発行する社債に分類でき、いずれも安定資産として投資・運用されています。近年では「50年債」など、超長期債の発行を検討している企業も出てくるなど、長期投資の選択肢は増えつつあります。

経済大国アメリカの国債も買える!?

超長期の社債も気になるところですが、富裕層をはじめとする個人投資家が資産運用に活用したいのは、やはり国債が中心になるでしょう。社債の場合、50年ものでも利回りは1%+アルファとされています。そのため投資先の中心となるのは、保険会社や資産運用会社、あるいは地域の金融機関であると予想されます。もっとも、マイナス金利によって厳しい状況にある日本国債よりは好条件といえそうです。

事実、日本国債の場合、いわゆる“40年物”でも0.425%(2019年7月1日時点)と1%に満たない状況です。つまり、いくら富裕層の方でも個人投資家が利益を得るために投資をするのには向いていません。あくまでも安全資産として保有しておくのが一般的です。ただ海外の国債であれば話は別です。とくに世界ナンバーワンの経済大国であるアメリカの国債(「米国債」)は、知る人ぞ知る優良な長期投資先として支持されています。

富裕層こそ実践したい「米国債投資」とは

ご存じのように、アメリカは世界の超大国です。国債が“国の借金”である以上、その国の経済状況によって評価されるのは当然です。その点、アメリカの国債を購入することは、できる限りリスクを減らすという点からも合理的であるといえます。では、どのようにして米国債を購入すればいいのでしょうか。米国債投資の基本について紹介しつつ、そのメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

米国債投資の基本

米国債投資の基本は、「任意のタイミングを決めて定期的に米国債を購入していくだけ」というシンプルなものです。それだけで、満期時には額面通りの利回りが保証されます。日本の国債を購入して運用するときのように、年利○%で保有するのではなく、あくまでも“満期時に償還される”という点がポイントです。その点において、長期・安定を実現できる投資手法といえるでしょう。

ゼロクーポン債とは

米国債のうち対象となるのは「ゼロクーポン債」です。ゼロクーポン債とは、利子(クーポン)の支払いがない代わりに、満期時には、額面通りの金額で償還される債券のことです。取り扱っている証券会社や経済状況によって差はあるものの、約30年後に満期を迎えるものであれば、利回りは約2~3%前後と安定しています。利子の支払いがない分、高い利回りが設定されているのです。

米国債のメリットとデメリット

たとえば半年や1年ごとに一定額の米国債を購入しておけば、満期ごとに償還金を受け取ることができます。安定した利回りをベースに長期投資ができることを考えれば、投資先として人気が出るのも当然です。一方で米国ゼロクーポン債には、満期前の売却による元本割れや為替の影響を受けるなどのマイナス面もあります。メリットとデメリットを考慮に入れて検討することが大切です。

長期投資が成功のカギとなる

米国債投資に限らず、投資を成功させるためには時間を味方につけなければなりません。ウォーレン・バフェットが「ゆっくりお金持ちになりたい人はいない」と述べているように、その点をふまえていないと、投資で成功することはできません。米国ゼロクーポン債をポートフォリオに加えて、長期投資をより盤石なものにしてみてはいかがでしょうか。

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