税金
2019.4.26

不動産投資初心者が知っておきたい確定申告の基本

(写真=dencg/Shutterstock.com)
(写真=dencg/Shutterstock.com)
不動産投資をして、より収入を安定させたい……多くの方は、そんな思いから不動産投資に踏み切ったのかもしれません。不動産投資をする際、しっかりと押さえておきたいのが税金です。収入から経費を差し引いた所得に対しては、基本的に税金がかかります。不動産収入の場合は不動産所得にあたり、確定申告が必要です。今回は、不動産投資の初心者が押さえておきたい確定申告の基本事項を確認していきましょう。

不動産投資をしたら所得税の確定申告が必要

不動産オーナーになると、入居者がいれば賃貸料が定期的に収入として振り込まれるようになります。基本的に給与所得者の場合、副業の所得については年間20万円以下ならば所得税の確定申告はしなくても大丈夫です。しかし、不動産投資の場合は家賃収入と経費を差し引いた所得が20万円以下となることは少ないかもしれません。

仮に所得が20万円以下だったとしても、住民税の確定申告は必要です。さらに、赤字が発生した場合、青色確定申告を行っていれば、赤字を翌年以降3年間の黒字と相殺することもできるメリットがあります。そのため、不動産投資をしている場合は利益だけでなく確定申告にも意識を向けた方がよいのです。確定申告は、毎年1月1日から12月31日に発生した所得と、これに課せられる税金を自分の手で計算することから始まります。

申告書を作成したら税務署に提出し、納める税金がある場合は納付が必要です。税金が戻ってくる還付の場合には、還付先の口座を確定申告書の指定の項目に記入して手続きを行います。なお、所得税では自主申告が原則です。しかし、サラリーマンの場合の住民税はたいていの場合、会社が納付を代行しています。

自分で納付している場合は、市区町村などが国税庁に申告された内容をもとに自治体が計算し、5月末ごろに納付書を納税者に対して発送していることが多い傾向です。これらは、確定申告する際に住民税を普通徴収(自分で納付)と特別徴収(給与から差し引き)から選択ができます。

不動産投資の収益は不動産所得

不動産賃貸によって得られた利益は、不動産所得に該当します。「不動産所得って何?」と感じる方もいるかもしれません。ここで所得税の仕組みについて簡単に見ていきましょう。所得税法では、個人が受け取った所得(収入から経費を差し引いたもの)を発生形態などに応じて10種類の所得区分に分け、それぞれの区分の中で計算することとなっています。不動産所得は、その10種類のうちの一つです。

なお、10種類に分けられて計算された所得は、「総合課税方式」「分離課税方式」「源泉分離課税方式」のいずれかで税金を計算していきます。不動産所得は、総合課税方式です。つまり、給与所得や事業所得、雑所得など他の総合課税方式による所得と合算され、所得控除などを適用した後、その金額に応じた税率が適用されて税金が計算されることとなります。

不動産所得の計算の仕方

では、不動産所得はどのように計算されるのでしょうか。

「総収入金額-必要経費」

所得区分により所得の計算方法は異なりますが、不動産所得については「総収入金額-必要経費=不動産所得」で計算します。総収入金額とは、不動産賃貸により得た1年間の賃貸料収入などの合計額です。この総収入金額には、賃貸料収入のほか、名義書換料や更新料、敷金や保証金などのうち返還を要しないもの、清掃代などの名目で受け取っている収入などを含みます。

必要経費は、不動産賃貸事業に直接必要となった支出の合計額です。不動産所得の必要経費となりうるものには次のようなものが含まれます。
  • 管理会社への業務委託費
  • 固定資産税
  • 不動産取得税
  • 都市計画税
  • 収入印紙代
  • 火災保険などの保険料
  • 減価償却費
  • 修繕費
  • 税理士などの専門家への報酬
  • 不動産賃貸事業に専従している家族への給料のうち一定金額(青色申告だと届出した全額)
  • 借入金利息

青色申告とは

先ほど、「青色申告をしていれば発生した赤字を翌年以降3年以内の黒字と相殺できる」と説明しました。青色申告とは、複式簿記による帳簿つけや書類保存など一定の要件を満たす人(不動産所得・事業所得・山林所得がある人に限られます)がちょっと優遇される税法上の制度をいいます。青色申告の適用を受けるためには、業務開始後2ヵ月以内に青色申告承認申請書という書類を税務署に提出することが必要です。適用を受けると、次のような特典が受けられます。
  • 65万円あるいは10万円の青色申告控除を行える(つまり、青色申告控除の分だけ所得が低くなり、税金が安くなります)
  • 発生した赤字を前年の黒字と相殺し、繰戻還付を受けることができる
  • 発生した赤字を翌年以後3年間に生じた黒字と相殺し、節税することができる
  • 30万円未満の固定資産をその年において即時償却することができる
  • 配偶者や親族を「青色事業専従者」とし、彼らに払った給与を経費計上できる(事前の届け出が必要です)
確定申告については、たいてい毎年秋か冬になると各地の税務署や商工会議所などで確定申告セミナーを行ったり、関連書籍が出版されたりします。申告そのものは、これらを活用すればよいのですが、収入や費用に関する帳簿つけや領収書などの管理は溜めこむと大変です。できるだけ現金の出し入れがあった際に、都度記録しておく癖をつけておいた方がよいでしょう。

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