税金
2019.4.26

不動産所得での節税に欠かせない必要経費の知識

(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)
(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)

不動産所得の節税は必要経費で決まる

不動産所得は、1年間の「総収入金額-必要経費」で計算されます。総収入金額には毎月の家賃収入のほか、受け取った名義書換料や更新料、返還を要しない保証金や礼金などが含まれます。不動産賃貸に関して受け取った金額は、全額計上しなくてはならないのが鉄則です。一部でも計上しなければ脱税につながります。

一方、必要経費については不動産賃貸事業に直接必要なものが含まれます。こちらについては、仮に計上しなくても特に税務署からつつかれることはありません。ただし、その分税金が高くなります。そして、必要経費はしっかり知識を持っていないと計上漏れが発生しやすい部分です。つまり、不動産所得の節税は、オーナー自身がどれだけ必要経費についてきちんと理解しているかによって決まるのです。

不動産所得の必要経費になるもの

では、どのようなものが不動産所得の計算上、必要経費となるのでしょうか。

税金

賃貸している不動産にかかる税金は必要経費になります。毎年1月1日時点で不動産を保有している限り固定資産税や都市計画税の納付が必要です。また、不動産の取得の際にかかる不動産取得税や登録免許税、印紙代なども必要経費として計上することができます。

保険料

不動産投資をした場合、火災保険は必須です。また、オーナーによっては地震保険に加入することもあるでしょう。これら保険料は必要経費となります。

管理会社への業務委託料

大抵の不動産オーナーは家賃の徴収や清掃、トラブル解決などを不動産管理会社に委託しています。家賃の5%相当額が手数料として管理会社に支払われるケースが多い傾向です。この業務委託料は、必要経費になります。

専門家への報酬

不動産オーナーの中には、登記手続きを司法書士に依頼したり、確定申告業務や帳簿付けなどを税理士に依頼したりする人もいるでしょう。これら専門家に対する報酬は必要経費になります。

減価償却費

不動産(建物・設備など)は、年々老朽化します。その老朽化を数値にし、必要経費としたのが「減価償却費」です。減価償却費は、建物の構造や素材などにより税法で決められた耐用年数で計算することとなります。

借入金の金利

賃貸用物件の購入のために銀行から融資を受けた場合、月々の返済には元本と金利を払うことになります。元本は必要経費になりませんが、金利は「支払利息」として経費になります。

修繕費

不動産は、時間の経過や使用の度合いに応じて老朽化します。部屋のクリーニングや壁紙の貼り直し、給湯器やエアコンの交換といった修繕費は必要経費に計上可能です。また、大規模修繕に備えて支払う修繕積立金も修繕費として必要経費になります。ただし、修繕費として認められるものはあくまでも「原状回復程度に収まるもの」のみです。その修繕により価値が向上した場合には、必要経費ではなく資産として計上する必要があります(減価償却費の対象)。

家族への給料

原則として、不動産賃貸業に従事している家族に対する給料は経費計上できません。ただし、一定要件を満たした場合、その給料の全部あるいは一部を必要経費に参入することができます。

その他

このほか、不動産投資のために通ったセミナー代や購入した書籍代、物件視察のための交通費なども必要経費に算入できます。ただし、算入可能なのは常識の範囲内です。遠方の不動産視察のための行き来があまりに多いと税務署から指摘を受ける可能性があります。

不動産所得の必要経費にならないもの

不動産所得の計算においては「必要経費となるもの」だけではなく、「必要経費とならないもの」もしっかり押さえておく必要があります。なぜなら、必要経費とならないものを経費計上する行為も脱税につながるからです。

所得税と住民税

不動産所得を申告した結果発生した所得税と住民税は必要経費になりません。

個人的な支出

このほか、不動産の視察のための昼食代などは経費になりません。また、必要経費であると認められているものであっても、その支出が過度であるとみられた場合は、税務署から指摘されることがあります。指摘されてからあわてないためにも、「支出した内容がしっかりと事業に関連している」という客観的な根拠を明示できるようにしておきましょう。
 

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