吉野家,大復活,秘密
(画像=Nor Gal/Shutterstock.com)

牛丼チェーンの吉野家ホールディングスが営業利益35倍の大復活を遂げました。前期決算で約60億円の赤字を計上しましたが、2020年2月期の最終損益は1億円の黒字。鮮やかなV字回復の背景にある吉野家の商品戦略に迫ります。

業績の立て直しに成功した吉野家

吉野家は2019年に創業120周年を迎えましたが、2019年2月期の当期純利益は、約60億円の赤字。売上自体は増加していたものの、肉や米などの原材料価格の高騰による原価率アップ、人手不足による人件費率アップが災いして、利益率が大幅に下がる結果となりました。

しかし、2019年から2020年にかけて実施した商品戦略が功を奏し、2020年2月期の決算予想では連結営業利益が36億円になる見込みと発表。前期の連結営業利益は1億400万円なので、前期の約35倍という鮮やかな大復活を遂げました。

吉野家の成功の秘けつは商品戦略にある

吉野家の業績が回復した要因は、商品戦略にあります。

まず、2019年3月に「特盛」を上回る「超特盛」を発売。これが顧客ニーズと合致し、当初の予想をはるかに超える売上を記録しました。

その後も「高たんぱく質、低糖質」をうたう「ライザップ牛サラダ」の提供を開始。また、期間限定で
「月見牛とじ御膳」を発売するなどして、顧客を離さない工夫をしたことが功を奏しました。

また、2020年1月には「ねぎだく牛丼」という新商品を定番メニューに追加。「ねぎだく牛丼」では肉の量はそのままに、通常の4倍の玉ねぎが加えられています。肉の倍量の玉ねぎが加わることでボリュームがアップするとともに、健康にもやさしいメニューです。従来のファン層である40代50代の男性に爆発的にヒットした他、ヘルシー志向の女性客の心もつかみました。

「原点に立ち返る」という想いが生んだ新商品

もともと「ねぎだく牛丼」は吉野家築地店の裏メニューでした。食のこだわりが強い顧客が多かった築地店では、常連さんの要望からさまざまな裏メニューが生まれたといいます。「ねぎだく丼」も実はその1つでした。

今回の「ねぎだく牛丼」は、裏メニューを定番商品として復活させたという形です。「超特盛」も、「肉を心置きなくたっぷり食べたい」という顧客の想いに応えるために生まれました。

新商品だからといって、目新しいものや時代に迎合したものである必要はありません。顧客の声に真摯に耳を傾け、原点に立ち返って想いに応える商品を開発する。そんな姿勢が、吉野家の大復活を支えたといえるでしょう。

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