不動産投資
(画像=Funtap/Shutterstock.com)

コロナウィルスの猛威が止まりません。毎日感染者数が増えており、経済に甚大な影響を与えています。株価や原油価格の下落には、目を覆うばかりです。

FRBは2020年3月15日に緊急利下げを行い、実質マイナス金利を政策目標にし、さらに国債や住宅ローン担保債権(MBS)の買い入れに踏み切り、市場へのドルの供給を一層強化しました。

不動産投資も、その渦中にあります。不動産投資の指標の1つに、REITマーケットの動向があります。それを見ることで、現在の日本の不動産投資の状況がある程度わかります。現在のREITマーケットから、日本の不動産投資の現状を見ていきましょう。

REITマーケット全体の状況

2020年3月16日現在の東証REIT指数は、前日より大きく値を下げ、1,500ポイント台(配当なし)となっています。2015年9月4日の1,550ポイント台に匹敵する下げ幅です。

予想配当利回りは4%台を大きく超え、株式の企業の解散価値であるPBRに該当するNAV倍率は、1倍を下回っています。ファンダメンタルの観点では、全REIT銘柄に割安感があります。

一方でマーケット参加者はさらなる下落を恐れており、REITマーケットもクラッシュ状態と言えます。

REIT価格は、金利水準の影響を受けます。今回日銀は利下げを行わず、量的緩和策を取り、市中に資金を供給することを優先しています。

1月末の各REITの決算は、まだコロナウィルスの影響が見えていなかったこともあり、オフィスビル、住宅系、物流系の業績見通しは好調を維持するとの見通しでした。

ホテル系REITの現状

コロナウィルスの影響をまともに受けているのが、観光業界・航空業界です。中国・韓国からの観光客の入国が完全に止まり、さらにこの動きが欧州やアメリカにも広がっているので、今年政府が掲げている訪日観光客4,000万人は、絶望的と言えるでしょう。

これによるダメージが大きいのは、ホテル系REITです。

ジャパン・ホテル<8985>、星野リゾート<3287>、いちごホテル<3463>、大江戸温泉<3272>など、ホテル系に分類される6銘柄の平均予想利回りは10.39%、NAV倍率は0.46倍となっています(2020年3月18日現在)。

ホテル系REITは、コロナウィルスの終息が遅くなれば、さらなる落ち込みが予想されます。

賃貸系REITの現状

住居系REITの6銘柄は、ホテル系REITと比べると下げ幅が小さいです。

日本賃貸住宅<8986>、日本アコモ<3226>、アドバンスレジ<3269>などの予想平均利回りは、5.24%、NAV倍率は0.92倍となっています(2020年3月18日現在)。

ホテル系と比較すると、賃貸系のほうがコロナウィルスの影響が小さいことが、数字からも見て取れます。

インバウンドではなく、賃貸という実需に支えられているからでしょう。

リーマンショック時と現在とのREIT市場の比較

コロナウィルスによってJリート市場は2020年3月9日~3月13日週に▲22%急落し、3/16~3/18週も続落、18日の終値は1,405ポイントと大きく値を下げました。まさに泥沼に足をすくわれている状態で、昨年11月に付けた高値からの下落率は▲38%に達しています(図表1)。

(図表1 2019年11月の高値から2020年3月17日までのJ-REIT指数)

J-REIT
(出典:Quick グラフは3月17日までのもの)

これを、リーマンショック時と比較してみましょう。

(図2 リーマンショックから現在までのJ-REITマーケットの動き)

J-REIT
(出典:Quick グラフは2007年1月1日から2020年3月17日まで)

このように、2007年5月31日に2,612ポイントを付けていたのが、1年5ヵ月後の2008年10月28日には704ポイントと実に▲73%も下がりました。

今回のコロナショックのほうが、下落の角度が急であることがわかります。それほど今回は、マーケットの動揺が大きいのです。

コロナウィルスの終息が見えない中、どこまで値を下げるかは、「神のみぞ知る」です。治療薬の開発の目途が立つまで金融市場の下落が続くとなると、リーマンショック級の下落となる可能性も想定しておく必要があるかもしれません。

不動産投資を行っている人は、REITマーケットの動きを参考にしながら今後の動きを予測し、場合によっては物件の入れ替えを行うなど、ダイナミックな対応を迫られることもあるでしょう。

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