ジム・ロジャーズ氏,これからの日本
(画像=el_cigarrito/Shutterstock.com)

巨額の資金を使い、さまざまな意見が飛び交う東京五輪。開催後のインバウンドの増加とそれによる好景気に期待を寄せる声も多くあります。ところが、投資家ジム・ロジャーズ氏は著書やイベントで「五輪後の日本の衰退」について言及したといいます。東京五輪後の日本の景気は一体どうなってしまうのでしょうか。天才投資家も危惧する、今後の日本の景気について考えてみましょう。

著書「日本への警告」で日本経済の衰退について語るジム・ロジャーズ

2019年7月に出版された、ジム・ロジャーズ著『日本への警告』には、投資家目線で見た日本の景気の悲観的な見通しがつづられています。

東京五輪が開催されれば、世界の視線が一時的に日本に集まり好景気をもたらすと考えられます。しかしこれはあくまでも短期的なものであって、長期的な目で見ると日本経済を脅かす負の要素が多くあるというのです。

ジム・ロジャーズ氏はそう遠くない未来、世界的に景気が低迷していく中で、東京五輪によって負債を膨らませた日本の先行きは暗いだろうと予測しています。

男女平等、少子化、高齢化、移民受け入れ、いずれの課題も解決できぬ日本

ジム・ロジャーズ氏曰く、日本が景気後退に陥る要因は一つではないとのこと。前述の国債の増加と合わせて、一向に解決の道筋が見えない少子高齢化と人口減少が、日本経済を後退させるといいます。人口減少と労働人口減少の状況を鑑みれば移民を積極的に受け入れる必要があるのにもかかわらず、いまだに外国人労働者が働きにくい環境であるのも確かです。

男女平等という観点から見ても、日本は他の先進国に後れを取っていると言わざるを得ないでしょう。2019年の「男女共同参画社会に関する世論調査」では、家庭、自治会、法律や制度、社会通念、慣習、しきたりなど、政治の場のいずれにおいても、男女平等であると答えた人はそうではないと答えた人よりも少ない結果となりました。

男性の育児休暇取得も完全ではなく、子育てがしづらい環境なのも問題です。社会保障の手厚いスウェーデンや少子化対策に力を入れるドイツを手本に、抜本的な少子化対策を行うなど、課題に対しての現実的な対策と対応が必要なのではないでしょうか。

楽観・油断は禁物!一時的な好景気が訪れた時、あなたはどうする?

東京五輪後に訪れるであろう短期的な好景気と、その後の景気後退に備えて、今からできることがあります。それは外貨への投資です。日本円の価値が急落したとしても、他国の通貨に資産を分散しておけば、すべての資産が同時に下落する確率が低くなります。今から外貨や外国債、海外不動産などへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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