事業の大小にかかわらず、全世界の企業が新型コロナウイルスの影響で大きく業績を落としています。どちらを向いても悲鳴が聞こえるこの状況の中で、テナントと従業員を守るべく、ホームセンター島忠を経営する株式会社島忠がとある決断を下しました。
2020年4月7日、とうとう緊急事態宣言が
2019年12月以降に中国で多発した原因不明の肺炎は、後に新型コロナウイルス・COVID-19と名付けられ、瞬く間に世界中に広がっていきました。日本国内でも感染が広がり、2020年4月7日、政府よりついに緊急事態宣言が発令され、個人事業主から大企業まで感染拡大を防ぐ行動を求められました。
東京商工リサーチが行った「第3回新型コロナウイルスに関するアンケート」調査では、2020年3月の売上が前年同月よりも減少したと75%の企業が回答。さらに97.5%の企業が、新型コロナウイルスが企業活動に影響をおよぼしている、または今後影響が出る可能性があると回答しています。
どこもかしこも苦しい状況。島忠の決断が話題に
企業の存続をかけて各社が奔走する中、2020年4月9日に株式会社島忠が発表したとある「支援」が話題となりました。
島忠のテナント事業者支援
株式会社島忠は、緊急事態宣言を受けて臨時休業となる期間中、テナント事業者に固定の賃料を請求せず、また歩率賃料も月額最低保証売上高も撤廃することを発表しました。
従業員向けの支援も
前述のテナント支援と同時に、島忠の全従業員に対して特別支援金を支給することを発表しています。「感染拡大防止における重要度が高い地域で日々奮闘している従業員や出勤できない従業員の不安に少しでも報いるため」として、全従業員に対し総額4億5,200万円を2020年4月24日、給与日と同日に支給しています。
これは正社員だけでなく、定時社員やアルバイト社員も全員が対象でした。島忠の従業員への心遣いは、特別支援金を受け取った従業員はもちろん、多くの人の心を打ったのではないでしょうか。
経営理念を貫いた島忠の心意気に感動
大変な時に、このような決断ができる企業はそれほど多くないでしょう。株式会社島忠の経営理念は「従業員の幸せがお客様を満足させる お客様の満足が会社を繁栄させる 会社の繁栄が従業員を幸せにする」です。この理念を行動で示した島忠は、今後よりいっそうの繁栄を遂げそうです。
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