「国が変わればマナーも変わる」、これは当たり前のことですが、その国に合わせたマナーを意識するのはとても難しいものです。日本の隣国、韓国ですら、マナーは大きく異なります。韓国とビジネスをするのなら知っておきたいマナーと、その国民性について見ていきましょう。
日本よりも厳格な縦社会
韓国は日本よりも目上・目下の意識が強く、自分よりも年上の方に接する際には細かな配慮を求められます。以前は、目上の人の前での喫煙はタブーとされていたそうです。それ以外にも、目上の人から何かを受け取るときや握手するときには必ず両手を添える、お酒を飲むときには体を少し横向きにして口元を隠すなど、独特なマナーが数多くあります。
これら、「目上に対する礼」を重んじる文化から、韓国では出会った相手に年齢を聞くことが習慣化されているのも特徴です。
日本人のビジネスマナーに困惑する韓国のビジネスパーソン
韓国のビジネスパーソンは、日本との取引の際に、日本独特の文化に困惑することもあると言います。例えば、日本は文化的に「いつでも本音を語ることが必ずしもいいことではない」と考える人が多く、韓国では「その場ではっきりと意見を伝える」人が多いようです。
また、何ごとにも書類・押印が重視されがちな日本の商文化も韓国ではなじまないと言います。韓国は、儒教の考えが浸透している国です。仁・義・礼・智・信の言葉が表すように、一度信頼した相手に改めて書面で契約を求めると不快に思われてしまうことがあります。
親切で礼を重んじる韓国人は「自国のマナーはしっかり守る」
韓国人と取引をする際に覚えておきたいのが、韓国人は親切にするのもされるのも当たり前で、自国のマナーはしっかりと守る、礼を重んじる国民性があるということです。
このときに大切なのが、「韓国のマナーはしっかりと守る」という点。こちらも韓国のマナーや文化を知っておけば、お互いに気持ちよくやり取りを進めていけるでしょう。
目上の人は親切にすることもされることにも慣れている
目上の人を大切にする文化がある韓国では、年配の方は「自分は大切にされるもの」と考えています。何か分からないことがあったとき、自分で調べる前に人に聞く、というような姿勢です。このような場合には、ていねいに対応しましょう。
約束は守るが前提
韓国では、約束や決まりごとはきちんと守るのが当たり前です。何か約束を交わしたら、こちらもそれを必ず守るよう意識する必要があります。
儒教への理解で韓国とのビジネスも円滑に
血縁や友人など深い関係にある人を大切にする韓国の国民性は、儒教がその基となっています。ビジネスの世界でも仁徳、愛、正義を重んじる「儒教的経営」が浸透しており、一度信頼した相手とのやり取りは口約束でも契約と同義とするビジネスパーソンもいるようです。
これから韓国に向けてビジネスを展開するのなら、まずは儒教の根本的な思想を理解するとともに、韓国独自の商文化やマナーにも目を向けてみましょう。
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