固定資産税,不動産オーナー,対策
(画像=yamashou/stock.adobe.com)

新型コロナウイルスにより自粛が求められ、現在様々な形で国からの経済的支援を受けられるようになっています。しかし、この特別な時期は長くは続きません。状況が一段落した後に懸念されるのが、増税とコスト高です。とりわけ「2021年度分の固定資産税の増加」が、不動産オーナーに重くのしかかる可能性があります。

2021年から固定資産税が増加する可能性が高い

今年5月23日、日本経済新聞が来年度の固定資産税が増加する可能性を指摘しました。

【参考】個人の住宅、税負担重く 2021年度から資材高で

記事は個人の住宅にかかる税負担に関するものですが、賃貸オーナーは他人事ではありません。賃貸物件の多くは個人の居住用であり、固定資産税はオーナーが負担するからです。

近年の資材高が背景

来年度の固定資産税の増加の背景には、昨今の資材価格の上昇があります。今年開催されるはずだった東京オリンピックによる資材の需要増加や人件費の高騰を考慮し、総務省が「評価年に当たる2021年には昨今の情勢を反映して資産価値を高く見積もる」という方針を明らかにしたのです。都内の新築物件の場合、5階建てマンションは57㎡あたり5,000円、7階建てマンションは40㎡あたり3,000円の増税になる見通しです。

新たな評価額は3年間固定資産税に影響する

次回の固定資産税の課税標準となる評価額の算定は、2019年7月時点の資材価格や人件費をもとに行われます。課税対象となるのは、2021年1月1日時点で建物や土地を保有する個人・法人です。新たな評価額は2021年度分から3年間、固定資産税に影響します。仮に2022年にリーマンショックのような事態になって景気が急激に悪化し、家賃収入が激減しても、固定資産税は基本的に減額されないのです。

コロナ禍の影響で投資家の負担はさらに重く

心配なのが、不動産オーナーの資金繰りです。コロナ前のように将来の収支を予測しやすい状況ならば多少負担が増えても対処しやすいのですが、コロナ禍の今は入居者からの家賃の減額交渉や滞納、解約といったリスクが以前より大きくなっています。家賃収入が減ったオーナーにとって、来年分の固定資産税の増加は大きな負担です。無理に支払うと、さらに資金繰りが悪化するおそれがあります。

このような状況を受けて、来年分の固定資産税の負担を軽くするための対策を2つご紹介します。どちらか1つでもご検討いただければ幸いです。

対策1:固定資産税の減免申請

最初に考えたい対策は、固定資産税の減免申請です。2020年2月から10月までの任意の連続する3ヵ月間の家賃収入が前年同期に比べて30%以上減少したオーナーは、2021年度分の固定資産税を半分または全額免除してもらうことができます。中小規模のオーナーで、従業員が1,000人以下なら申請できます。半分減額・全額免除の条件は、以下のとおりです。

・家賃収入の減少割合が前年同期比で30%以上50%未満……半分減額
・家賃収入の減少割合が前年同期比で50%以上……全額免除

この減免の手続きを行うためには、経営革新等認定支援機関(以下「認定支援機関」)に必要書類を提出し、確認書を発行してもらう必要があります。認定支援機関になっているのは、金融機関や税理士・公認会計士などの士業、商工会議所などです。来年分の固定資産税の負担を軽くしたいとお考えなら、一度相談してみてはいかがでしょうか。

【参考】
固定資産税の減免申請の適用手続きについて(中小企業庁)
全国の認定支援機関一覧(中小企業庁)

対策2:評価内容の確認

次に考えたい対策は、「不動産の評価内容の確認」です。「固定資産税は役所が自分たちのルールで勝手に決めて税金を計算するものだから国民は文句を言えない」と諦めがちですが、実は昨今課税ミスが多発しています。その原因は、役所側の評価の誤りです。

【参考】固定資産税を節税する方法【後編】課税ミスをチェックしよう

土地の評価額や地積・地目の誤り、建物の構造評価ミス、建物に軽減措置が適用されていないといったことの他、以下の項目も確認することをおすすめします。

・土地については「分筆やセットバック、私道が適正に反映されているか」
・建物については「資材認定やコンクリート・鉄骨などの資材の量が適切か」
・古くて空室が多い物件なら「特定空き家に認定されていないか」
・賃貸物件と一体型の駐車場が「住宅用地」ではなく「雑種地」となっていないか

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