ドローン配送,実現度
(画像=maroke/stock.adobe.com)

ネット通販の増加などにより配送サービスの重要性が増す中で、物流業界の人材不足は深刻です。無人で荷物を運べるドローン配送は、世界各地で試験運用が行われ、一部では実用サービスがスタートしています。ドローン配送は、どこまで実現しているのでしょうか。

そもそもドローン配送とは?

ドローン配送とは、その名の通りドローンに荷物を載せて配送することです。ドライバー不足を解決するだけでなく、渋滞や停車場所の心配をする必要がない空輸という大きなメリットがあります。また、直線距離で運べるため配送時間も短縮できます。山奥や被災地など、従来の交通インフラではサポートしきれなかった地域もドローンが活躍する場の一つです。

実用化されつつある世界のドローン配送

2013年にAmazonがドローン配送の構想を発表して以来、世界各国でさまざまな実証実験が行われてきました。昨今、新型コロナウイルス感染症の流行により、人と接触しなくて済むドローン配送の機運は一層高まっています。

イスラエルのFlytrexは、2020年4月にアメリカノースダコタ州で、食品や医薬品などを提携するレストランや小売店から家庭に配送するサービスを開始しました。注文した商品は、自宅のバックヤードに直接届きます。

5月には同じくアメリカのフロリダ州で、物流大手のUPSとドラッグストア大手のCVSが手を組み、高齢者居住地域の住民に対して処方薬をドローンで輸送するサービスを始めました。

アメリカのジップラインは、新型コロナウイルス検査のために地方で採取した血液サンプルを都市部の研究機関に運ぶサービスを、西アフリカのガーナで4月に開始。さらに、5月末からアメリカのノースカロライナ州で医療機関に物資を運ぶ輸送サービスを提供しています。

日本でも実証実験が盛んになっている

日本でも、ドローン配送の実用化に向け、技術・制度の両面で前進しています。政府は、2022年度の有人地帯における目視外飛行の実現を目標に、制度を整えドローンに関する規制緩和を段階的に進めています。

規制緩和に伴い、ドローン活用を目指す企業の実証実験も活発です。

例えば、楽天は自社が開発したドローンを利用した実証プロジェクトを実施しています。2019年には、横須賀市の猿島で注文した商品を対岸のスーパーからドローンで届けるサービスを3ヵ月に渡り提供。注文者は決められた時間に、指定の場所で商品を受け取ります。

2020年3月には大分県津久見市無垢島で、医薬品やヘルスケア用品などのドローン配送実証実験がciRoboticsなどにより行われました。商店や診療所がない無垢島で注文した商品を、約16キロメートル離れた九州本土の津久見港からドローンで運びます。所要時間は船の輸送の約半分、15分程度しかかかりません。

国内の実用化もすぐ目の前に

海外では、制限付きではありますが、ドローン配送サービスがスタートしています。日本では、過疎地域における運用を視野に入れた実証実験が盛んです。現実味を帯びつつあるドローン配送。自宅まで無人で商品が運ばれる日も近いかもしれません。

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