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(画像=sitthiphong/stock.adobe.com)

2020年3月、待望の5G(第5世代移動通信システム)がとうとう始まりました。生活にかかわるあらゆるモノ・コトに変革が起こると期待されている5Gがスタートしたわずか3ヵ月後の6月30日、総務省は「Beyond 5G推進戦略 -6Gへのロードマップ-」を公表。2030年以降の社会に注目が集まりました。

2030年以降の社会のキーワードは「サイバー・フィジカル・システム」

総務省が提言する「Beyond 5G」、つまりは5G以上の世界では、「サイバー・フィジカル・システム」の構築によってサイバー空間と現実世界が一体化した状態になっているといいます。2030年代に実現させたいようですが、具体的にはどのような世界になるのでしょうか。

サイバー空間と現実世界が同期

サイバー・フィジカル・システムとは、フィジカル空間(現実世界)にあるセンサーネットワークから収集した膨大なデータをサイバー空間にあるコンピューティング能力で分析し、フィジカル空間にフィードバックして、確実性・再現性の高いデータをもとに社会システムの効率化や生産性の向上、新たな産業の創出を目指すシステムです。

一個人や一企業といった単位ではなく、社会全体で最適化を目指せるのがサイバー・フィジカル・システムなのです。

5Gとの違いは

ここで改めて、5GとBeyond 5Gの違いを見ていきましょう。

5Gの主要性能は、超高速・超低遅延・多数同時接続です。最高伝送速度は10Gbpsで、これは4Gの100倍のスピードにあたります。接続時のタイムラグは1ミリ秒程度となり、遠隔地にあるロボットも実際に操作している感覚で利用できるようになります。同時接続機器数は平方キロメートルあたり100万台まで可能です。

Beyond 5Gでは、アクセス通信速度が5Gの10倍に、コア通信速度は現在の100倍に達します。タイムラグは5Gの10分の1となり、より高精度な同期が実現します。多数同時接続数は5Gの10倍まで伸び、さらに超低消費電力、超安全・信頼性、拡張性、自律性が加わります。

Beyond 5Gが実現すれば、あらゆる場所であらゆる人が・機器が通信ネットワークに接続された状態となるでしょう。

例えばこのようなサービスが生まれる

今、私たちが使っている各種デバイスは、いずれも充電を必要とします。ところがBeyond 5G/6Gの世界では、無線の信号を用いた給電技術が発達し、デバイスの充電が不要になる可能性があるといいます。

自宅でも高度なICTサービスを利用できるようになり、AR(拡張現実)会議で遠隔にいる同僚と共同で作業するようになるでしょう。

2050年には体、脳、空間、時間から解放されるようになる!?

5G、6Gと通信システムが変革した先には、内閣府が掲げる「ムーンショット目標」の実現があると考えられます。ムーンショット目標では、1人の人間が10体以上のアバターを操作できる技術の開発と運用できるよう2030年までに基盤を構築するとあります。

サイバー・フィジカル・システムが構築されれば、「1人10体以上のアバターを操作する」という、空想のような話も実現できるでしょう。2030年まであと10年。わずか10年後には、これまで考えられなかった「ミライの生活」が誕生しているのかもしれません。

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